循環器トライアルデータベース

ODYSSEY COMBO II

目的 完全ヒト抗PCSK9モノクローナル抗体製剤alirocumabは単剤または他の脂質低下薬との併用療法で,LDL-Cを約40~70%低下させることが示されている。
最大忍容量のスタチンで目標LDL-C値を達成できない心血管(CV)高リスクの患者において,alirocumab追加のLDL-C低下効果および安全性をezetimibeの追加と比較する。

一次エンドポイントは,第24週の算出LDL-C値の変化率。
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設(欧州,イスラエル,北米,南アフリカ,韓国の126施設),intention-to-treat解析。
期間 平均追跡期間は58週(予定追跡期間は112週)。
登録期間は2012年8月~’13年5月。
対象患者 720例。高コレステロール血症,冠動脈疾患(CAD)またはCAD相当リスク(虚血性脳卒中,末梢動脈疾患,中等度慢性腎臓病,糖尿病+危険因子≧2つ)があり,最大忍容量のスタチン(rosuvastatin 20/40mg, atorvastatin 40/80mg, simvastatin 80mg[>1年],正当な理由があれば低用量も許可;用量は≧4週間安定,他の脂質低下薬の使用は認めず)投与下でLDL-C≧70mg/dL(心血管疾患[CVD]既往あり)または≧100mg/dL(既往なし)の患者。
■患者背景:平均年齢(alirocumab群61.7歳,ezetimibe群61.3歳),男性(75.2%, 70.5%),白人(84.3%, 85.5%),BMI(30.0kg/m², 30.3kg/m²),CAD(91.2%, 88.0%),急性心筋梗塞(57.8%, 57.7%),不安定狭心症(22.1%, 19.1%),冠動脈血行再建術(68.9%, 68.5%),その他の臨床的に重要なCAD(38.4%, 34.0%),CAD相当リスク(31.5%, 29.9%),2型糖尿病(30.3%, 31.5%),LDL-C(108.3mg/dL, 104.4mg/dL),アポリポ蛋白B(両群とも0.9g/L),総コレステロール(両群とも185.6mg/dL),non-HDL-C(139.2mg/dL, 135.3mg/dL),リポ蛋白(a)*(38.7mg/dL, 30.9mg/dL),空腹時トリグリセライド*(132.9mg/dL, 141.7mg/dL),HDL-C(両群とも46.4mg/dL), CRP(34.1nmol/L, 34.6nmol/L), atorvastatin(49.5%, 49.0%), rosuvastatin(28.6%, 31.1%), simvastatin(21.9%, 20.3%)。* 中央値
治療法 2:1にランダム化。
alirocumab群(479例):75mg 1回/2週(Q2W)皮下投与+プラセボ錠経口投与。第8週にLDL-C≧70mg/dLの場合は第12週に150mg Q2Wへ増量。
ezetimibe群(241例):10mg/日経口投与+プラセボQ2W皮下投与。
全例にガイドラインに準じた食事療法と現行のスタチン治療を継続するよう指示。
結果 [一次エンドポイント]
第24週のベースラインからのLDL-Cの変化率(最小二乗平均値)は,alirocumab群-50.6% vs ezetimibe群-20.7%(群間差-29.8%, p<0.0001)。
on-treatment解析の結果も同様であった(-52.4% vs -21.8%;-30.6%;p<0.0001)。
LDL-Cは最初の4週間で急速に低下し,その後第52週まで低下は維持された。第24週の平均達成LDL-C値は51.6mg/dL vs 82.5mg/dLであった。
[二次エンドポイント]
第24週のLDL-C<70mg/dL達成率は77.0% vs 45.6%(p<0.0001)。
第12週のLDL-Cの変化率もalirocumab群が有意に大きかった(-51.2% vs -21.8%;-29.4%, p<0.0001)。
アポリポ蛋白B(群間差-22.4%),non-HDL-C(-22.9%),総コレステロール(-14.7%),リポ蛋白(a)(-21.7%),HDL-C(8.1%),アポリポ蛋白A1(6.3%)もalirocumab群で大きく変化したが(すべてp<0.0001),空腹時トリグリセライドの低下は両群同等であった(-13.0% vs -12.8%)。
[安全性]
重篤な有害事象に差はなかったが(18.8% vs17.8%),有害事象による治療中止はalirocumab群に多かった(7.5% vs 5.4%)。主な有害事象は上気道感染(6.5% vs 5.8%),偶発的過量投与(6.3% vs 6.6%),浮動性めまい(4.8% vs 5.4%),筋肉痛(4.4% vs 5.0%)など。
2回連続してLDL-C<25.1mg/dLとなったのはalirocumab群の105例(22.8%)で,これらの患者の有害事象はezetimibe群と変わらなかった(ただし鼻咽頭炎はalirocumab群で増加)。
★結論★最大忍容量のスタチン投与下でLDL-Cコントロール不良の心血管リスクが高い患者において,alirocumab群はezetimibe群よりLDL-Cの低下が有意に大きく,安全性は同等であった。
ClinicalTrials. Gov No: NCT01644188
文献
  • [main]
  • Cannon CP et al for the ODYSSEY COMBO II investigators: Efficacy and safety of alirocumab in high cardiovascular risk patients with inadequately controlled hypercholesterolaemia on maximally tolerated doses of statins: the ODYSSEY COMBO II randomized controlled trial. Eur Heart J. 2015; 36: 1186-94. PubMed

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収載年月2016.08