循環器トライアルデータベース

XAMI
XienceV Stent vs Cypher Stent in Primary PCI for Acute Myocardial Infarction

目的 急性心筋梗塞(AMI)に対するprimary PCIにおいて,第二世代薬剤溶出性ステント(DES)であるeverolimus溶出ステント(EES)の有効性と安全性を第一世代DESのsirolimus溶出ステント(SES)と比較する非劣性試験。

一次エンドポイントは12か月後の主要な有害心イベント(MACE:心臓死,非致死的再梗塞,標的血管血行再建術[TVR])。
コメント 本研究は急性心筋梗塞(AMI)に対するprimary PCIにおいて,第二世代薬剤溶出性ステント(DES)であるエベロリムス溶出ステント(EES)と第一世代のシロリムス溶出ステント(SES)の有効性と安全性を比較する多施設無作為化非劣性比較試験である。本研究によりEESのSESに対する非劣性が認められ,1年後のMACE(心臓死/非致死性心筋梗塞/標的血管再血行再建)に対する優位性が確認された。
AMIにおけるDESの使用は,BMSに比してステント血栓症の可能性について懸念されているが,AMI患者においてXIENCE V(EES)とベアメタルステント(BMS)とを比較したEXAMINATION(Lancet. 2012 Aug 31. PubMed)では,1年後の全死亡,心筋梗塞,再血行再建術においてEESの非劣性が確認され,その安全性が示された。
EESはポリマーとしてフルオロポリマーを使用しているが,本ポリマーは抗血栓性が高いことが報告されている。実際に,EESとそのプラットホームであるVISION(BMS)を動物実験で比べたところEESのほうが血栓付着量が少ないことが報告されている(Circulation.2011; 123: 1400-9. PubMed)。また,49のトライアルをnetwork meta-analysisの手法で解析を行った論文(Lancet. 2012; 379: 1393-402. PubMed)ではすべてのステントに対してEESはステント血栓症のリスクが低いと結論付けられており,STEMI,AMI,ACSに対し抗血栓性ポリマーを有するEESを用いることの妥当性はより高まっていると考える。本研究においては,AMI患者において,EESのSESに対する優位性が示され,実際の臨床でEESのAMIにおける安全性の一つの証明となったわけである。
今後本研究の長期追跡調査により遠隔期および超遠隔期でのステント血栓症発生率の結果が待たれるところである。(京都大学医学部附属病院循環器内科 渡邉 真,木村
デザイン PROBE(prospective randomized open blinded-endpoints),多施設(オランダ3施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は3年。
登録期間は2008年2月~2009年12月。
対象患者 625連続症例。primary PCI施行のST上昇型心筋梗塞(STEMI)。入院時に緊急PCI適応の非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)も可。
除外基準:以前のステント植込みによるステント血栓症または標的病変の慢性完全閉塞,sirolimus/ everolimus/ aspirin/ clopidogrelのアレルギー,病変がSESの最大径(3.5mm)を超えるものなど。
■患者背景:平均年齢(EES群61.2歳,SES群62.0歳),男性(73.0%, 75.1%),Killip class I(93.3%, 92.8%),STEMI(95.8%, 96.4%)。リスク因子:喫煙(54.5%, 55.2%),糖尿病(8.9%, 11.3%),高血圧(29.5%, 29.9%),家族歴(42.6%, 44.8%)。
入院前の抗凝固・抗血栓療法:aspirin(85.3%, 83.1%),非分画heparin(74.6%, 71.7%),clopidogrelローディング投与(37.3%, 34.2%)。
[病変背景]標的血管:右冠動脈(42.3%, 36.7%),左前下行枝(38.6%, 43.0%),右回旋枝(18.8%, 19.5%)。病変タイプ:B1(31.4%, 32.6%),B2(34.7%, 34.9%),C(32.7%, 32.6%)。目視可能な血栓(85.1%, 86.4%),TIMI grade 0(54.5%, 57.2%),1枝病変(54.2%, 49.8%)。
[手技背景]血栓吸引(61.9%, 63.8%),総ステント長(25.1mm, 27.9mm),最大ステント径(両群とも3.1mm),植込みステント数/患者(1.3, 1.4)。
治療法 EES群(404例):XienceV植込み,SES群(221例):Cypher植込み,にランダム化。
術前にaspirin静注,heparin 5000IEボーラス投与,およびclopidogrel 600mgローディング投与。血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬使用,血栓吸引,バルーン前拡張は手技者に一任した。
結果 所要時間:発症から救急隊到着まではEES群94分,SES群97.5分,救急隊到着からバルーンまでは両群とも75分。
[一次エンドポイント]
1年後のMACE発生率はEES群4.0% vs SES群7.7%(絶対差-3.7%;95%信頼区間-8.28~-0.03, p=0.048)でEESの非劣性が認められ,EES群で有意な低下がみられた(相対リスク0.52;0.27~1.00)。
[1年後の各エンドポイント]
SES群で発生率が高かったが,有意差は認められなかった。
全死亡:EES群2.0% vs SES群3.2%(p=0.36),心臓死:1.5% vs 2.7%(p=0.36),非致死的MI:0.5% vs 1.4%(p=0.35),TVR:2.5% vs 4.1%(p=0.27)。
[ステント血栓症]
definite/probableステント血栓症:30日後(EES群0.7% vs SES群2.3%, p=0.14),1年後(1.2% vs 2.7%, p=0.21)。
★結論★AMIに対するprimary PCI例において第二世代EESの第一世代SESに対する非劣性が認められ,MACE抑制に関し優位性が示唆された。
文献
  • [main]
  • Hofma SH et al: Second-generation everolimus-eluting stents versus first-generation sirolimus-eluting stents in acute myocardial infarction: 1-year results of the randomized XAMI (XienceV stent vs. Cypher stent in primary PCI for acute myocardial infarction) trial. J Am Coll Cardiol. 2012; 60: 381-7. PubMed

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収載年月2012.12