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スタチンはLDL-C低下作用の強さに比例して有害心血管イベントを抑制し,冠動脈アテローム性動脈硬化症の進展を抑制する。しかし,強化スタチン療法の動脈硬化症退縮効果の検討や,最大用量のスタチンとその他の治療との比較研究はほとんど行われていない。 冠動脈疾患患者において,最大用量のrosuvastatinとatorvastainのアテローム性動脈硬化症に対する効果を比較する。 一次エンドポイントはアテローム容積率(PAV)。 |
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スタチンについての議論は,その副作用としての新規糖尿病発症に関する問題と,どこまでLDL-Cを低下させることが有効なのかという問題に集約されてきているように思われる。SATURNでは,このスタチンの中でストロングスタチンといわれるロスバスタチン(ROS)とアトルバスタチン(ATV)のhead to headの試験である。脂質ではROS群でLDL-C:62.6mg/dL,ATV群でLDL-C:70.2 mg/dL,HDL-Cではそれぞれ50.4,48.6mg/dLと,いずれもROS群で有意に勝っていたが,IVUSによる冠動脈アテロームの変化率には両群間では差がなかった。しかし,二次エンドポイントであるアテローム体積についてはLDL-Cの低下度に応じてROS群で有意に減少していることが確認された。 ここには二つの問題が議論できよう。第一に,一次エンドポイントとして変化率をみることがいいのか,アテローム体積をみるのがいいのかという点であり,今後のIVUS試験の立て方に工夫が必要となろう。筆者の印象では,やはり,スタチンによるLDL-Cの低下効果のエビデンスが再確認された形となった感がある。(寺本) |
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無作為割付け,二重盲検,多施設(208施設)。 |
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追跡期間は104週。 登録期間は2008年1月22日~2009年6月12日。 |
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1,039例。18~75歳の症候性冠動脈疾患患者(1枝以上が血管造影上の狭窄>20%,画像による標的血管狭窄率<50%)で,過去4週間スタチン非投与下でLDL-C>100mg/dLもしくはスタチン投与下で>80mg/dLのもの。 除外基準:過去1年間に強化脂質低下療法を3か月以上実施,コントロール不良の高血圧,心不全,腎機能障害,肝疾患。 ■患者背景:平均年齢(rosuvastatin群57.4歳,atorvastatin群57.9歳),男性(72.9%, 74.4%),白人(95.4%, 96.3%),BMI(28.9kg/m2, 29.2kg/m2),高血圧(70.0%, 70.7%),糖尿病(13.8%, 16.8%),現喫煙(34.4%, 30.3%),心筋梗塞既往(22.5%, 26.4%),PCI既往(25.2%, 21.6%),過去30日以内のスタチン使用(58.3%, 61.5%),併用薬(抗血小板薬:97.5%, 97.9%,β遮断薬:60.6%, 61.1%;ACE阻害薬:43.5%, 44.5%;ARB:16.7%, 15.8%)。 |
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2週間のrun-in期間(rosuvastatin 20mg/日群とatorvastatin 40mg/日群にランダム化)後に,LDL-C<116mg/dL,トリグリセライド(TG)<500mg/dLであった患者をあらためて下記2群にランダム化した。 rosuvastatin群(520例):40mg/日。 atorvastatin群(519例):80mg/日。 ベースライン時と104週後にIVUSを実施。 |
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run-in期間の参加者数は1,578例,run-in後の参加者数は1,385例,104週後のIVUS実施例は1,039例(75%)。 [脂質値の変化] 割付け前からのスタチン投与例におけるスタチン投与の中止は倫理的に不適切と考えられたため,脂質値の変化率は算出せず。治療期間中の脂質値(治療開始後の全測定値の時間加重平均値)は下記の通り: LDL-C:rosuvastatin群62.6mg/dL vs atorvastatin群70.2mg/dL(p<0.001)。 HDL-C:50.4mg/dL vs 48.6mg/dL(p=0.01)。 LDL-C/HDL-C比:1.3 vs 1.5(p<0.001)。 TG(中央値):120mg/dL vs 110mg/dL(p=0.02)。 [一次エンドポイント:PAV] PAVの変化は,rosuvastatin群(ベースライン36.2%→ 104週後34.8%[中央値])とatorvastatin群(36.2%→ 34.9%)で差を認めなかった:変化-1.22% vs -0.99%(p=0.17)。 PAVがベースラインと比較して減少した患者の割合は,68.5% vs 63.2%(p=0.07)。 [二次エンドポイント:総アテローム容積(TAV)] rosuvastatin群(133.4→ 124.9 mm3)でatorvastatin群(136.6→ 127.6 mm3)よりも大きく減少した:-6.39mm3 vs -4.42 mm3(p=0.01)。 TAVがベースラインと比較して減少した患者の割合は,71.3% vs 64.7%(p=0.02)。 [有害事象] 治療中止例は145例(21.0%)vs 142例(20.6%)で,中止理由で多かったのは患者の選択(7.8% vs 7.7%),有害イベント(6.5% vs 7.0%)。 主要有害心血管イベントの初発には両群間に差は認められなかったが(7.5% vs 7.1%),アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)>正常上限の3倍はatorvastatin群で多く(0.7% vs 2.0%;p=0.04),蛋白尿はrosuvastatin群で多かった(3.8% vs 1.7%;p=0.02)。HbA1cの有意な変化は両群ともにみられなかった。 ★考察★動脈疾患患者において,最大用量のrosuvastatinとatorvastatinによるLDL-Cの低下とHDL-Cの増加はrosuvastatinのほうが大きかったものの,アテローム性動脈硬化症の退縮は同程度に有意であった。 ClinicalTrials gov. No: NCT000620542 |
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- [main]
- Nicholls SJ et al: Effect of two intensive statin regimens on progression of coronary disease. N Engl J Med. 2011; 365: 2078-87. PubMed
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