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ステント内再狭窄治療のためのsirolimus溶出ステント(SES)植込み後の臨床転帰を評価するイタリアの登録研究。 評価項目は主要な有害心イベント(MACE:全死亡,非致死的再梗塞,虚血による標的病変血行再建術の再施行[TLR])。 |
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ステント内再狭窄に対するDESの有用性はすでに報告されているが,長期間の観察による確証は未だ得られていない。特にステント内再狭窄のような複雑病変に対してDESによる晩期血栓症の危惧は残されている。本研究はBMSステント内再狭窄に対するSESの9ヵ月後の有用性を示したTRUEデータベースを4年間観察し,SESが長期的に標的病変血行再建術(TLR)を低下させステント血栓症を増大させないことを示している。TRUE registryはステント内再狭窄に対してSESを用いたもっとも大規模なもので,除外基準がなくreal-worldの症例が含まれている。 バルーン血行再建術や局所放射線療法では施術後早期はステント内再狭窄に対して有用でも月日とともにその有用性は消失する。ステント内再狭窄に対するSISR trialのSES群では3年後でTLRは17%, TAXUS V trialのPES群では2年後でTLRが10%であり,本研究のほうがTLRは低く,糖尿病の症例が他の2研究よりも少ないことに由来するかもしれない。ステント血栓症の発生は4年間で0.7%/年の発生率になっており,これまでのメタアナリシスの結果と同等である。しかし,チエノピリジンを中止してすぐには血栓症が発生していないので予防が困難であり,また致死的となり予後に及ぼす影響が高い。ステント内再狭窄へのSES治療では9ヵ月後でも4年後でも糖尿病が有害イベント発生に大きく影響しており,糖尿病コントロールの重要性が強調される。(星田) |
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登録研究,多施設(2施設)。 |
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観察期間は9か月(文献(2)),4年(文献(1))。 登録期間は2002年7月~2005年3月。 |
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[文献(2)]244例・標的病変259例。固有血管内あるいはグラフト内再狭窄連続症例;インターベンション再施行適応例;冠動脈内放射線療法非既往例;再狭窄初発例。 臨床所見,安定・不安定症状,冠動脈造影(CAG)による視覚的評価(血管径,病変長など),いずれの除外基準も設けない。 ■患者背景:平均年齢66歳,男性77%,冠動脈疾患家族歴35%,糖尿病25%,高コレステロール血症22%,高血圧29%,喫煙率16%,非ST上昇型急性冠症候群(ACS)30%,多枝疾患40%,既往:心筋梗塞(MI)25%;CABG 2%,EF 52%。 ■手技・CAG背景:多枝インターベンション22%,多枝ステント内再狭窄6%,標的血管:左前下行枝46%;左回旋枝22%;右冠動脈30%;伏在静脈グラフト,左主幹部それぞれ1%,ステント内再狭窄タイプ:I(12%);II(32%);III(38%);IV(18%),病変長18.3mm,総ステント長26.1mm,急性期獲得径2.56mm,複数SES植込み24例(10%)。 [文献(1)]再狭窄部位(分岐部*23例:遠位部の左主幹部3例;左前下行枝12例;回旋枝8例,非分岐部病変221例)。 * 本幹へBMSを植込み,側枝の入口はステントを植込まれていない。本幹にSESを植込み,側枝はバルーン拡張。 |
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[文献(2)] 全例にSESを植込んだ。 手技前,全例に未分画heparin 70IU/kgボーラス投与し,全標的病変を>2.5mmのバルーンで前拡張。目測で拡張が不十分と判断された場合のみより大きい径のバルーンで後拡張を行った。 SESのステント長は8,18,23,28,33mm,ステント径は2.5~3.5mmを可とした。 手技時の抗血小板療法は,aspirin 100mg/日以上+ticlopidine 500mg/日あるいはclopidogrel 75mg/日を手技の48時間以上前に投与を開始し,6か月以上継続投与した。GP IIb/IIIa受容体拮抗薬の使用は担当医に委ねた。 |
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全例,退院時にaspirin,チエノピリジン系薬剤を投与しており退院後6か月以上投与。 [9か月後の結果:文献(2)] (手技・CAG) SES植込みは全病変で成功した。 追跡CAGは150例(62%)で,平均8.6か月後に実施。 参照径:ベースライン時2.99mm→ 9か月後2.97mm,最小血管径:ベースライン時0.38mm→手技後2.94mm→ 9か月後2.6mm,狭窄率:87.2%→ 12.1%。 再狭窄(binary,≧50%)は13例(8.7%)。 CAG上の再狭窄の独立した予測因子は病変長(オッズ比[OR]1.16;95%信頼区間1.09~1.31, p=0.03)のみで,臨床上の再狭窄の予測因子は糖尿病(3.21;1.01~6.4, p=0.01),非ST上昇型ACS(2.89;1.16~5.6, p=0.01)。 (MACE) 死亡4例(1.6%:平均年齢77.7歳。3例は心臓死,うち1例はSES植込みから3か月後の突然死),非致死的MI 5例(2%),虚血による血行再建術再施行:TLR 12例(4.9%);標的血管(TVR)15例(6.1%);非標的病変PCI 11例(4.5%),イベント非発生227例(93%)。 MACE非発生の独立した予測因子は,糖尿病(OR 0.17;0.05~0.68, p=0.002)および非ST上昇型ACS(0.26;0.08~0.87, p=0.01),TLR非発生は糖尿病(0.19:0.052~0.68, p=0.01)および非ST上昇型ACS(0.18;0.047~0.70, p=0.01)。 (サブグループ解析) ・糖尿病患者(61例・平均年齢68歳):非糖尿病例に比べTLR,MACEが多く,再狭窄率,晩期損失率も高かった。 ・非ST上昇型ACS(73例・69.4歳):糖尿病患者率は安定狭心症と同じ。イベント発生率は安定狭心症より高く,再狭窄率,晩期損失率も高かった。
[4年後の結果:文献(1)] 全例4年追跡した。 MACE発生は48例(20%),MACE非発生は196例(80%)。 総死亡:24例(9.8%);心臓死11例(4.5%),非心臓死13例(5.3%)。 総死亡の発生は手技から平均31か月後,平均年齢73歳。 心筋梗塞(MI):11例(4.5%);致死的3例(1.2%),非致死的8例(3.2%)。 ステント血栓症:7例(2.8%);definite 5例(2%:手技から261日,614日,621日,631日,847日後に発生し,2例は致死性。1例を除いて他はイベント発生の1か月以上前にclopidogrelの投与を中止していた),possible 2例(0.8%:85歳と89歳。左主幹部のステント再狭窄で手技から60日,538日後に発生し,発生時にはaspirin,clopidogrelを投与)。 虚血によるTLR:27例(11.1%);PCI 23例(9.4%),CABG 4例(1.6%)。 2種類の抗血小板薬(clopidogrelまたはticlopidineとaspirin)治療期間は平均341日。6か月継続投与は52例,12か月は168例,24か月は24例。 [1年後→ 4年後] MACE非発生:1年後226例(93%)→ 4年後196例(80%)。 総死亡:4例(1.6%)→ 20例(8.2%);心臓死(3例[1.2%]→ 8例[3.2%])。 MI:5例(2%)→ 6例(2.5%);致死的(1例[0.4%]→ 2例[0.8%]),非致死的(4例[1.6%]→ 4例[1.6%])。 ステント血栓症:2例(0.8%)→ 5例(2%);definitive 1例(0.4%)→ 4例(1.6%),possible 1例(0.4%)→ 1例(0.4%)。 虚血によるTLR:13例(5.0%)→ 14例(6.0%);PCI 12例(4.5%)→ 11例(4.7%),CABG 1例(0.4%)→ 3例(1.2%)。 [MACEの予測因子] ・4年間のMACEの独立した予測因子は,糖尿病(オッズ比0.38;95%信頼区間0.20~0.71, p=0.002),EF<50%(0.32;0.13~0.80, p=0.01),クレアチニン>1.5mg/dL(0.23;0.11~0.48, p=0.0001)。 ・糖尿病(0.32;0.14~0.71, p=0.005)および末梢・頸動脈疾患(0.35;0.14~0.88, p=0.02)は虚血によるTLRの独立した予測因子であった。 ★結論★ベアメタルステント内再狭窄に対するSES植込みは,4年後の標的病変血行再建術を抑制し,ステント血栓症発生は0.7%/年であった。 |
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- (1) Liistro F et al: Long-term effectiveness and safety of sirolimus stent implantation for coronary in-stent restenosis results of the TRUE (Tuscany Registry of sirolimus for unselected in-stent restenosis) registry at 4 years. J Am Coll Cardiol. 2010; 55: 613-6. PubMed
- (2) Liistro F et al: Effectiveness and safety of sirolimus stent implantation for coronary in-stent restenosis: the TRUE (Tuscany registry of sirolimus for unselected in-stent restenosis) registry. J Am Coll Cardiol. 2006; 48: 270-5. PubMed
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