循環器トライアルデータベース

5A
Antiarrhythmics After Ablation of Atrial Fibrillation

目的 発作性心房細動(AF)に対するアブレーション後6週間の抗不整脈薬(AAD)投与が,AAD非投与に比べAF再発,除細動,入院を減少させるかを検討。

複合一次エンドポイントは,(1)24時間以上持続する心房性不整脈,(2)入院,除細動,AAD治療の開始・変更を要する重症心房性不整脈,(3) AADの中止,変更を要する不忍容。
コメント 発作性心房細動のアブレーション(肺静脈隔離術など)後早期に心房性不整脈の発生をしばしば経験する。これらは決してアブレーションが不成功であることを意味しないが,患者にとっては自覚症状の原因となり受診させることにつながる。アブレーション後6週間にわたり抗不整脈薬を投与することにより,この期間の心房性不整脈発生を抑制でき,入院や電気的除細動などを減らすことができた。アブレーション後に抗不整脈薬を追加することの意義が示された。(井上
デザイン 無作為割付け,非盲検。
期間 追跡期間は6週。
登録期間は2006年12月~’08年3月。
対象患者 110例。発作性AF。
除外基準:持続性AF・心房粗動,AAD不忍容,アブレーション前3か月以内のamiodarone治療,試験施設での追跡が不可能など。
■患者背景:平均年齢(AAD群56歳,AAD非投与群55歳),男性(70%, 72%),投与AAD数(1.7剤,1.5剤),AFアブレーション歴(25%, 25%),EF(61%, 62%),心房径(4.3cm, 4.1cm),高血圧(47%, 53%),高コレステロール血症(43%, 53%),心房粗動歴(34%, 33%),冠動脈疾患(CAD)(13%, 12%),睡眠時無呼吸(13%, 12%)。
治療法 肺静脈隔離術によるAFアブレーションおよび非肺静脈起源へのアブレーションの実施後,AAD群(53例),AAD非投与群(57例)にランダム化。
AAD群では手技実施の夜より抗不整脈薬*房室結節ブロック治療薬の投与(非AAD群では24時間以上持続または重症心房性不整脈発生時を除き,房室結節ブロック治療薬のみ)を開始し,6週の追跡期間終了時まで継続。
* 症例ごとに次のように投与。
LV機能正常+CADなし:propafenone 150mg×3回/日,flecainide 100mg×2回/日,LV機能正常+CAD例:sotalol 80mg×2回/日,LV機能異常:sotalol 80mg×2回/日,dofetilide 500μg×2回/日を推奨(用量は最小投与量で,dofetilideはクレアチニンクリアランスに基づき調整した。
全例でシース除去後6時間よりheparin静脈内投与,手技の夜よりwarfarin投与を開始。INRが1.8以上となるまで院内でモニタリングし,退院後30日間は1日1回以上自動電話伝送心電図(TTM)でデータ(無症候性の徐脈,頻脈,AF等の不整脈)を送信。
結果 AAD群の使用薬剤はflecainide 34%(平均1日用量206±54mg), propafenone 26%(479±115mg), sotalol 36%(194±41mg), dofetilide 4%(500±0μg)。
一次エンドポイントはAAD群の方が非AAD群より有意に少なく(19% vs 42%, p=0.005),このうち臨床的な影響の大きい要素(24時間以上持続するAF,不整脈による入院,電気的除細動)のみを考慮した場合もAAD群で有意な抑制がみられた(13% vs 28%, p=0.05)。投薬中止の必要なAAD関連とみられる副作用が3例発生(発疹,重度の疲労感,反復性の重度の頭痛)。30日のモニタリング期間中のTTMの記録では,非持続性不整脈はAAD群と非AAD群で有意差がなかったが(53% vs 51%, p=0.84),心房粗動または心房頻拍の頻度はAAD群で有意に高く(28% vs 11%, p=0.02),その自然消失には両群間に有意差はなかった(73% vs 50%, p=0.35)。
★結論★発作性AFに対するアブレーション後6週間のAAD治療の忍容性は良好であり,臨床的に重大な心房性不整脈の再発,不整脈による入院および除細動の必要を減少させた。
文献
  • [main]
  • Roux JF et al: Antiarrhythmics after ablation of atrial fibrillation (5A study). Circulation. 2009; 120: 1036-40. PubMed

▲pagetop
EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
ご不明の点はお問い合わせください
収載年月2010.01