| MADIT-CRT |
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| Multicenter Automatic Defibrillator Implantation Trial with Cardiac Resynchronization Therapy |
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収縮機能の低下した(EF≦35%)重症心不全(NYHA III~IV度)で心室内伝導遅延(≧120ms)を合併した患者では心室再同期療法(CRT)の有用性が確認されている。QRS幅の拡大した軽症患者でも,予防的CRT-除細動器(ICD)が死亡,心不全リスクを低減するかICD単独治療と比較する。 一次エンドポイントは全死亡あるいは非致死的心不全。 |
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左室収縮能低下,QRS幅延長がある症状の軽い心不全例に対してCRT-ICD治療が,ICD単独治療に比べて心イベントの発生を有意に抑制することが示された。editorial commentにもあるように,この結果をもって直ちにCRT-ICD治療の適用を拡大するには問題が多い。まず,効果は大部分が非致死的心不全の発生が「CRT」により,しかもQRS幅≧150msecの例でみられていることで,これは以前の報告(REVERSE試験など)の結果に合致する。死亡率についてはCRT+ICDとICD群で差がなく,費用が高いことも合わせれば,症状の軽い例に対するCRTの適用はQRS幅≧150msecに限るという慎重な対応が求められよう。(井上) |
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無作為割付け,多施設(110施設:米国88施設,カナダ2施設,欧州20施設),intention-to-treat解析。 |
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平均追跡期間2.4年。 登録期間は2004年12月22日~2008年4月23日。 |
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1,820例。21歳以上;虚血性心筋症(NYHA I~II度)または非虚血性心筋症(NYHA II度);洞調律;EF≦30%;QRS≧130ms;ガイドラインによるICD適応患者。 除外基準:CRT適応,ペースメーカー/ICD/CRT植込み例,NYHA III~IV度,CABG/PCI既往,発症後3か月以内の心筋梗塞,1か月以内の心房細動など。 ■患者背景:平均年齢(ICD群64歳,CRT-ICD群65歳),男性(75.6%, 74.7%),白人/黒人/その他(90.7/7.7/1.5%, 90.4/8.0/1.6%),虚血性心疾患(NYHA I度:15.5%, 14.0%;II度:39.4%, 41.0%),非虚血性心疾患(II度:両群とも45.1%),降圧治療中(63.2%, 63.7%),発症後1か月以上の心房細動(12.6%, 11.1%),糖尿病(30.6%, 30.2%),喫煙(12.8%, 11.4%),BMI≧30kg/m2(36.4%, 35.9%),CABG(28.5%, 29.1%),血圧(121/71mmHg, 124/72mmHg),QRS≧150ms(65.1%, 64.2%),EF(両群とも0.24),6分間歩行距離(363m, 359m),左室拡張終期容積/収縮終期容積(251mL/179mL, 245mL /175mL)。 治療状況:アルドステロン拮抗薬(30.9%, 32.3%),amiodarone(7.0%, 7.2%),ACE阻害薬(両群とも77.0%),ARB(20.2%, 20.8%),β遮断薬(93.2%, 93.3%),I群抗不整脈薬(0.4%, 1.1%),digitalis(24.2%, 26.7%),利尿薬(72.9%, 75.7%),スタチン系薬剤(67.2%, 67.5%)。 |
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CRT-ICD群(1,089例):心室再同期のデバイス(Boston Scientific社)+ICDを植込んだ。ヒステレーシス機能off,下限レート40bpm,DDDモードに設定。 ICD群(731例):ICD植込み。下限レート40bpm,ヒステレーシス機能off,ペーシングモードはVVI(single chamber units)またはDDI(dual chamber units)に設定。 ベースライン時と1年後に2次元心エコーを実施。 心不全関連諸症状の診断は非盲検下に主治医が行ったが,最終的な心不全の診断は割付けを開示されていない委員会が判定。 |
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中間解析でCRT-ICD群のICD群に対する優位性が,事前に設定した範囲を超えたため,独立したデータ安全性モニタリング委員会の推奨を受け,2009年6月22日,試験は予定より早く終了した。 [CRT植込み] CRT-ICD群の11例(1.0%),ICD群の19(2.6%)がデバイス植込みをされなかった。 クロスオーバーは173例:ICD群の91例(12.4%)がCRTを植込み(一次エンドポイント発生前が30例,心不全発生後が61例),CRT-ICD群の82例(7.5%)がCRTを植込まなかった。CRT-ICD群の14例(1.3%),ICD群の5例(0.7%)が試験期間中にデバイスを除去。途中脱落はCRT-ICD群で44例(4.0%),ICD群で55例(7.5%)だった。 [一次エンドポイント:全死亡あるいは非致死的心不全] CRT-ICD群187例(17.2%) vs ICD群185例(25.3%)と,CRT-ICD群で有意に低かった(ハザード比0.66;95%信頼区間0.52~0.84, p=0.001)。 心不全はCRT-ICD群151例(13.9%) vs ICD群167例(22.8%)でCRT-ICD群で有意に低かったが(0.59;0.47~0.74, p<0.001),全死亡は74例(6.8%)vs 53例(7.3%)で両群間に有意差は認められなかった(1.00;0.69~1.44, p=0.99)。 [サブグループ解析] 一次エンドポイント発生リスクに虚血性心疾患患者と非虚血性心疾患患者間に差は認められなかった。有意な相関がみられたのは性別とQRSであり,男性よりも女性(p=0.01),QRS<150msよりも≧150ms(p=0.001)のほうがCRTの有効性が大きいことが示された。 [左室リモデリング] 1年後の左室拡張終期容積,左室収縮終期容積はCRT-ICD群のほうがCRT群より有意に減少し(ともにp<0.001),EFは有意に増加した(p<0.001)。 [有害事象] 植込み後の入院中にCRT-ICD群の1例が肺塞栓症のため死亡。植込み30日後までの重篤な有害事象は,気胸(CRT-ICD群1.7%,ICD群0.8%),感染症(1.1%, 0.7%),除去を要するポケット内の血腫(3.3%, 2.5%)。CRT-ICD群で植込み中に5例(0.5%)で心膜液貯留を伴う冠静脈解離がみられ,CRT-ICD植え込み後30日間で44例(4.0%)が左室リードを挿入し直した。 ★結論★EFが低下しQRS幅が広い無症候性あるいは軽症患者において,ICDと併用するCRTは心不全リスクを低下する。 ClinicalTrials.gov No: NCT00180271 |
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- [main]
- Moss AJ et al for the MADIT-CRT trial investigators: Cardiac-resynchronization therapy for the prevention of heart-failure events. N Engl J Med. 2009; 361: 1329-38. PubMed
Jessup M: MADIT-CRT -- Breathtaking or time to catch our breath? N Engl J Med. 2009; 361: 1394-6. PubMed
- [substudy]
- CRT-Dによる左房逆リモデリングが心房性頻拍リスクを低下。
2.5年後の累積推定心房頻拍性不整脈(AT)発生率は,1年後のCRT-D群の左房容積(LAV)high responder(左室収縮終末期容積≧25%減少)例は低く(3%),low responder(<25%減少)例は高く(9%),ICD単独治療例は7%であった(7%);p=0.03。
多変量解析の結果,CRT-D群のhigh LAV responder例はその後のAT発生リスクがICD単独例に比べ53%有意に低下した(p=0.01)が,low responder例では有意なリスク低下はみられなかった。AT発症例は一次エンドポイントおよび全死亡リスクが増大した:J Am Coll Cardiol. 2011 ;58: 1682-9. PubMed
- QRS形態によりCRT-Dが有効な例を特定できるか?-左室機能の低下したQRS幅延長のある軽症心不全で左脚ブロックを有する患者でCRT-Dにより全死亡,非致死的心不全リスクが有意に低下。
左脚ブロック(LBBB)は1,281例(70%),非LBBB:右脚ブロック228例(13%),その他の心室内伝導障害308例(17%)別にみた結果:CRT-DをICD単独治療と比較した一次エンドポイントのハザード比:LBBB群0.47(95%信頼区間0.37~0.61, p<0.001),非LBBB群1.24(0.85~1.81, p=0.257)。
さらにCRT-DはLBBB群で心室頻拍,心室細動,死亡も有意に抑制したが(0.69, p=0.002),非LBBB群ではベネフィットは認められなかった(1.21, p=0.254):Circulation. 2011; 123: 1061-72. PubMed
- 軽症心不全患者における心室再同期療法は,男性よりも女性で著効。
患者背景性差(女性453例,男性1,367例:平均年齢;64歳,65歳,血圧;122/71mmHg, 123/72mmHg):男性に比べ女性のほうが,非虚血性心筋症および左脚ブロックが多く,腎機能障害が少ない。
結果:一次エンドポイントの発生はCRT-ICD群で女性29/275例(11%),男性159/814例(20%),ICD群ではそれぞれ51/178例(29%),137/553例(25%)。女性は男性よりもCRT-ICDの有効性が大きかった(女性:ハザード比0.31, 95%信頼区間0.19~0.50, p<0.001,男性:0.72, 0.57~0.92, p<0.01;交互作用のp<0.01)。また,女性は全例での解析結果に比べて心不全(ハザード比0.30, p<0.001),全死亡(0.28, p=0.02)の抑制効果が大きかったが,男性では変わらなかった。
心エコー所見による解析では,女性は男性よりもCRT-ICDによる心臓の逆リモデリング効果が大きく,QRS≧150ms,左脚ブロックのある女性で全死亡のリスクが著明に低下した(それぞれ0.18, p<0.05;0.22, p=0.01):J Am Coll Cardiol. 2011; 57: 813-20. PubMed
- 心室再同期療法-除細動器(CRT-ICD)はICD単独に比べ心サイズ,心機能を改善。
心エコーをベースライン時と1年後に実施した1,372例(CRT-ICD群749例,ICD単独群623例)の解析結果:CRT-ICD群はICD単独群に比べ,逆リモデリング効果,心機能改善効果が大きい:左室拡張末期容積指標(-26.2 vs -7.4mL/m2),左室収縮末期容積指標(-28.7 vs -9.1mL/m2),EF(11% vs 3%),左房容積指標(-11.9 vs -4.7mL/m2),右室面積変化率(8% vs 5%)のいずれもCRT-ICD群のほうが有意に改善した(全p<0.001)。
1年後の左室拡張末期容積の改善はその後の死亡,心不全の予測因子であった(左室拡張末期容積が10%減少するごとにリスクが40%低下,p<0.001):Circulation. 2010; 122: 985-92. PubMed
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