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慢性心不全患者における運動療法の有効性と安全性を評価。 一次エンドポイントは全死亡,全入院の複合エンドポイント。 |
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慢性心不全患者に対する運動療法の有用性についてはこれまでも多くの報告があるが,無作為化,多施設共同試験としては,本試験が最大規模である。一次エンドポイント(全死亡+全入院)には有意差は認められなかったが,予後予測因子の調整後には,有意差をもって有効性が実証されている。また,心血管死+心血管イベントによる入院のハザード比から推定されるリスク減少は13%であるが,これはCHARM試験やVal-HeFT 試験におけるARBの有効性に匹敵するものである。また,本試験では,ACE/ARB, β遮断薬が各々の95%,94%,投与されており,さらに45%の症例にICD/CRTが植え込まれている状況を考えると運動の効果は,それなりに大きいと考えられる。しかし,運動を続けることは服薬より努力が必要であり,本試験でも1年後のadherenceの低下は避けられず,4~6ヶ月では,95分/週行われていた運動が10~12ヶ月後には,74分/週に低下している。本試験では,初期のトレーニングの後は家庭での運動療法に切り替えられているが,如何にモチベーションを維持するかが重要であろう。(堀) |
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無作為割付け,多施設(米国,カナダ,フランスの82施設),intention-to-treat解析。 |
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追跡期間は30.1か月(中央値)。 試験期間は2003年4月~’08年3月15日。 |
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2331例。6週間以上の至適心不全治療後にもかかわらずNYHA心機能分類II~IV度,EF≦35%の安定した心不全患者で,運動実施の能力および意思を有するもの。 除外基準:運動の妨げとなる主要な合併症・制約,6週間以内の主要な心血管イベント・6か月以内の主要な心血管手技の予定,定期的な運動(>1回/週;JAMA. 2009; 301: 1451-9.)を行っているもの,目標心拍数の達成を制限するデバイスの使用。 ■患者背景:年齢*(運動群59.2歳,通常治療群59.3歳),女性(29.9%,26.8%),白人(61.2%,63.0%),NYHA II度(62.4%,64.3%),虚血性心不全(51.6%,51.1%),EF*(24.6%,24.9%),糖尿病(32.6%,31.6%),MI既往(41.4%,42.6%),高血圧(61.8%,58.0%),心房細動/粗動(21.3%,20.6%),血清クレアチニン*(1.2mg/dL,1.2mg/dL),6分間歩行距離*(365.8m,373.2m),最大酸素摂取量(ピークVO2*)(14.4mL/kg/分,14.5mL/kg/分),心肺運動負荷試験時間*(9.5分,9.7分),ACE阻害薬,ARB(95.3%,93.3%),β遮断薬(94.1%,94.9%),アルドステロン拮抗薬(45.1%,45.1%),ループ利尿薬(77.2%,78.6%),digoxin(43.1%,46.7%),ICD(42.3%,38.2%),両室ペースメーカー(18.6%,17.3%)。 * 中央値 |
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運動群(1159例),通常治療群(1172例)にランダム化。 施設,心不全の病因(虚血/非虚血)により層別化。 運動群では通常の至適薬物治療に加え,指導下で3セッション/週の有酸素運動(予備心拍数の60%に相当する15~30分のウォーキング,トレッドミル,エアロバイクのいずれかを6セッション,以後70%相当を30~35分)を3か月。18セッション以降は家庭用運動器具および心拍計を支給して家庭での運動への移行を開始し,36セッション後には完全に家庭での運動に移行した(予備心拍数の60~70%相当の運動40分を5セッション/週)。 |
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運動群における運動時間(中央値)は,最初の3か月が76分/週(目標値90分/週),4~6か月:95分/週(目標値120分/週),10~12か月:74分/週,3年目:50分/週。運動中・運動後3時間以内のイベントによる入院は運動群37例(3.2%) vs 通常治療群22例(1.9%)であった。 一次エンドポイント(全死亡,全入院の複合エンドポイント) 運動群で低下したが,両群間に有意差は認められなかった:759例(65%)vs 796例(68%):ハザード比0.93;95%信頼区間0.84~1.02(p=0.13)。 二次エンドポイント 死亡:189例(16%) vs 198例(17%):0.96;0.79~1.17(p=0.70),心血管死,心血管疾患による入院の複合エンドポイント:632例(55%) vs 677例(58%):0.92;0.83~1.03(p=0.14),心血管死,心不全による入院の複合:344例(30%)vs 393例(34%):0.87;0.75~1.00(p=0.06)と運動群で非有意に抑制された。 ベースライン時の主要な予後予測因子(心肺運動負荷時間,EF,Beck Depression Inventory IIスコア,心房細動・粗動既往,心不全の病因)による調整後の運動群におけるエンドポイントのハザード比は全死亡,全入院:0.89;0.81~0.99(p=0.03),心血管死,心血管疾患による入院:0.91;0.82~1.01(p=0.09),心血管死,心不全による入院:0.85;0.74~0.99(p=0.03)であった。 その他の有害事象は両群で同等であった。運動群では通常治療群に比べ3か月後の6分間歩行距離,心肺運動負荷時間,ピークVO2が有意に改善したが(各p<0.001),12か月後には6分間歩行距離の有意差は消滅した。 ★結論★慢性心不全患者において,運動療法による全死亡,全入院の複合エンドポイント,心血管死,入院の複合エンドポイントの抑制は有意ではなったが,予測因子による調整後は全死亡,全入院の複合,心血管死,心不全による入院の複合エンドポイントが有意に抑制された。 ClinicalTrials.gov No: NCT00047437 |
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- [main]
- O'Connor CM et al: Efficacy and safety of exercise training in patients with chronic heart failure: HF-ACTION randomized controlled trial. JAMA. 2009; 301: 1439-50. PubMed
- [substudy]
- 運動療法により,わずかではあるが有意に自己申告の健康状態が改善。
ベースライン時,3か月ごとに12か月後まで,以後年1回4年までのKansas City Cardiomyopathy Questionnaire(KCCQ)。23項目の質問票で0~100にスコア化され高値ほど健康状態が良好)overall summary scaleおよびkey subscale(身体的制限,症状,QOL,社会的制限)の自己申告を使用し,5ポイント以上の変化を顕著な臨床上の変化とし,線形混合効果モデルを用いて効果を評価。
3か月後のKCCQ overall summary scoreの改善(心不全の病因による調整後)は運動群(平均5.21ポイント;95%信頼区間4.42~6.00)で通常治療群(3.28;2.48~4.09)より1.93ポイント有意に高かった(0.84~3.01,p<0.001)。3か月以降は両群のスコアに有意な変化はなかったが(3か月~試験終了時の変化の両群間差 p=0.85),運動群の通常治療群に対する全期間を通じた有意な改善が維持された(p<0.001)。
key subscaleの結果も同様で,心不全の病因による調整後は身体的制限(p<0.001),症状(p=0.02),QOL(p=0.004),社会的制限(p=0.02)が有意に改善したが,これは早期にみられ,3か月以降は,身体的制限は両群ともやや低下(有意差なし),QOL
はやや上昇(有意差なし),症状,社会的制限は有意な変化はなかった。
サブグループ(年齢,性別,人種,NYHA心機能分類,心不全の病因,左室機能不全,血行再建術既往,心筋梗塞既往,うつ病,perceived social support,ベースライン時のKCCQ score)による差異もなかった:JAMA. 2009; 301: 1451-9. PubMed
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