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心血管疾患既往はないが危険因子を有する高血圧治療患者において,ポリピル(Polycap:3種類の降圧薬[ACE阻害薬,β遮断薬,利尿薬]+スタチン系薬剤+aspirinの配合剤)の各薬剤に対する非劣性試験(危険因子への影響を検討するphase II試験)。 主要評価項目は,LDL-C,降圧,心拍数,尿中11-dehydro-Thromboxane(トロンボキサン) B2,忍容性。 |
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3種類の降圧薬(利尿薬+β遮断薬+ACE阻害薬)とスタチン薬およびアスピリンの合剤(polypill)と各薬剤単独,あるいは併用薬との比劣性比較試験である。当然の結果であるが,降圧薬に関しては降圧薬の数が増えるにつれて降圧度が増加した。コレステロールに関しては,合剤の低下度はシンバスタチン単独より弱かったという結果である。また血小板機能の指標としての尿中トロンキサンB2低下もアスピリン単独と同等であったという結果である。合剤によって忍容性が悪化することはなかったと結論づけている。 降圧薬としてのこの3系統薬剤の合剤は,Ca拮抗薬が含まれておらず実際的ではないと思われる。なぜなら最近の大規模臨床試験では併用に至ることが多いが,いずれもCa拮抗薬がベースに処方されることが多いからである。β遮断薬とACE阻害薬の併用は降圧効果という点では,とくに高齢者では好ましくない。またこのような合剤が世に普及した場合の問題点は,副作用や過剰降圧による症状が発現した場合の減量の仕方が難しいことである。(桑島) |
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無作為割付け,二重盲検,多施設(インドの50施設),intention-to-treat解析。 |
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追跡期間は12週間。 登録期間は2007年3月5日~2008年8月5日。 |
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2053例。45~80歳;心血管疾患を合併していない1つ以上の心血管疾患(CVD)の危険因子(2型糖尿病;140<収縮期血圧<160mmHg,90<DBP拡張期血圧<100mmHg;過去5年以内の喫煙;ウエスト/ヒップ比:女性>0.85,男性>0.90;LDL-C>120mg/dLあるいはHDL-C<40mg/dL)を有するもの。 除外基準:試験薬投与例,2種類以上の降圧薬投与例,LDL-C>174mg/dL,クレアチニン>2.0mg/dL,カリウム>5.5mmol/L,肝機能障害など。 ■患者背景:平均年齢54歳,女性43.9%,BMI 26.3kg/m2,喫煙例13.4%,心拍数80.1拍/分,血圧134.4/85.0mmHg,総コレステロール(TC)181.7mg/dL,LDL-C 116.0mg/dL,HDL-C 42.5mg/dL,トリグリセライド(TG)168.2mg/dL,ApoB 0.9,ApoA 1.2,糖尿病33.9%,Ca拮抗薬投与21.7% |
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3週間のスクリーニング後,次の9群(Polycap群 vs 8対照群)にランダム化し12週間投与。 Polycap群 (412例):ポリピル(利尿薬 hydrochlorothiazide[HCTZ]+β遮断薬atenolol+ACE阻害薬ramipril+スタチン系薬剤simvastatin+抗血小板薬aspirinの合剤を1日1回服用。 対照群:1) aspirin群(205例),2) simvastatin群(202例),3) HCTZ(205例),4)利尿薬+β遮断薬(HCTZ+atenolol群・207例),5) 利尿薬+ACE阻害薬(HCTZ+ramipril群・209例),6) β遮断薬+ACE阻害薬(atenolol+ramipril群・205例),7) 利尿薬+β遮断薬+ACE阻害薬(HCTZ+atenolol+ramipril群・204例),8) 利尿薬+β遮断薬+ACE阻害薬+抗血小板薬(HCTZ+atenolol+ramipril+aspirin群・204例)。 各薬剤の投与量/日は次の通り。HCTZ:12.5mg, atenolol:50mg, ramipril:5mg, simvastatin:20mg, aspirin:100mg。 |
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全体の投与中止率は14.8%,Polycap群16.0%であったが,対照群と比べて特に高いということはなく,忍容性は良好。Polycap群の投与中止の主な理由は薬剤関連14例(3.4%):めまい/低血圧10例(2.4%),社会的理由/患者の拒否40例(9.7%)。 ・Polycapの降圧度は3種類の降圧薬と同等:降圧薬非投与群(aspirin単剤群,simvastatin単剤群)に比べ,降圧薬1種類(利尿薬投与)例:2.2/1.3mmHg低下→ 2種類:4.7/3.6mmHg低下→ 3種類:6.9/5.0mmHg低下,Polycap:7.4/5.6mmHg低下。降圧効果にaspirinは関連しなかった。 ・脂質への影響:PolycapのLDL-C低下はスタチンに及ばない(simvastatin群は非投与群より-32.1mg/dL[27.7%] vs Polycap群-27.1mg/dL[23.3%];差-5.0mg/dL[4.4%], p=0.04),同様の結果がApoBでもみられた。TC低下の差は5.0mg/dLで両群間差はなかったが,TG低下はsimvastatin群の方が有意に大きかった;差17.7mg/dL(p=0.02)。HDL-C,ApoA1には影響なし。 ・Polycapによる心拍数低下はatenololと同等:Polycap 7拍/分の低下 vs atenolol非投与群(95%信頼区間6~8)で,atenololを含むその他の群(7拍/分の低下)と同等であった。 ・Polycapの尿中トロンボキサンB2低下はaspirin単独群と同等;aspirin非投与群と比べ,Polycap群は-283.1ng/mmol(Cr)で,aspirin単独群(-348.8),降圧薬3種類+aspirin群(-350.0)と同等。Polycap群とaspirinを含む他の群との差は66ng/mmol(Cr);non-inferiority p=0.57。HCTZ群(+39.7, p=0.24),HCTZ+ramipril群(-33.7),HCTZ+atenolol群(-32.8),ramipril+atenolol群(-123),simvastatin群(-85.1, p<0.0001)。 ・Polycapにより心血管疾患リスクを62%,脳卒中リスクを48%低下させる可能性が示唆される。 ・主な有害事象:めまい/低血圧(全体4.5%,Polycap群6.3%),咳(3.8%, 5.3%),クレアチニン>50%の上昇(8.3%, 8.5%),カリウム>5.5mmol/L(5.3%, 4.4%)。 ★考察★Polycapは投与しやすく複数の危険因子を改善し心血管リスクを低下させることが可能であることが示唆された。 ClinicalTrials. gov No: NCT00443794 |
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- [main]
- The Indian polycap study (TIPS): Effects of a polypill (Polycap) on risk factors in middle-aged individuals without cardiovascular disease (TIPS): a phase II, double-blind, randomised trial. Lancet. 2009; 373: 1341-51. PubMed
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