循環器トライアルデータベース

A4

目的 1種類以上の抗不整脈薬(AAD)治療が不成功であった難治性発作性心房細動(AF)患者において,さらなるAAD治療とカテーテルアブレーションの有効性を比較する。

一次エンドポイントは3~12か月のAF再発,3か月以内の3回までのアブレーション後のAF再発あるいはAADの変更。
コメント 心房細動治療の主力は抗不整脈薬であるが,抗不整脈薬が無効な発作性心房細動に対しては別の抗不整脈薬を試みるより肺静脈アブレーションの方が再発の抑制,運動耐容能,QOLの面で優れている。自覚症状の強い薬物治抵抗性の心房細動にはアブレーションを考慮するとよい。ただし,アブレーションが死亡率を改善するか否かについては不明である。(井上
デザイン 無作為割付け,多施設(北米,欧州の4施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は1年。
対象患者 112例。>18歳,前月中に2回以上のエピソードを生じ,6か月以上にわたる症候性の発作性AF。
除外基準:薬効の異なる3種類以上のAADと経口抗凝固薬の禁忌,AFアブレーション既往,心内血栓,可逆性の原因によるAF,妊娠,経口抗凝固薬中止の禁忌。
■患者背景:平均年齢51.1歳,男性83.9%,AFエピソード/月(中央値)12.0回,エピソード持続時間(中央値)5.5時間,1回以上の電気的除細動18.8%,高血圧26.4%,器質的心疾患26%。
AAD:I群(cibenzoline, disopyramide, flecainide, propafenone, quinidine)86.6%,II群(β遮断薬,bisoprolol)65.2%,III群(amiodarone, dofetilide, sotalol)75.0%,IV群(verapamil)9.8%,その他(digoxin)17.9%。
治療法 高周波アブレーション(RF)群(53例),AAD群(59例)にランダム化。
RF群:手技前後それぞれ1か月間のwarfarin(INR 2~3)による抗凝固療法の上,手技前に経食道心エコーにより左房内血栓例を除外し,Lasso Catheter(Biosense Webster社)を使用し高周波による4本の肺静脈隔離術を実施。肺静脈外の領域については術者に一任。ランダム化後90日間の治療安定期間中,さらに2回のアブレーションを可とした。
AAD群:登録時まで未使用であったAADを既存のガイドラインに従って単独あるいは併用投与し(amiodarone[投与開始量600mg/日を21日投与後,200mg/日投与を推奨したが,必要に応じ最大300mg/日まで増量可とした],quinidine, disopyramide, flecainide, propafenone, cibenzoline, dofetilide, sotalol。EF<50%の場合はsotalol, dofetilide, amiodaroneを推奨],1か月以内にAF再発の場合は薬剤変更(90日の治療安定期間中,3回まで投薬変更可)。
安定期間後に>3分持続するAF再発の場合は治療不成功とし,クロスオーバー可とした。両群で抗凝固治療継続を推奨。
結果 クロスオーバーはRF群5例(9%)vs AAD群37例(63%)であった(p=0.0001)。
アブレーション回数は平均1.8回,AAD群では1例あたり平均2.5剤使用,非クロスオーバー22例中,初めてのamiodarone使用は18例,このうち12例(66%)で不成功であった。
1年後のAF非再発例はRF群46例(89%)vs AAD群13例(23%)であった(p<0.0001)。アブレーション後のAF非再発の独立した予測因子はベースライン時のEF高値のみであった(不成功13例のEFは56.2% vs 成功40例は65.3%;オッズ比1.10;95%信頼区間1.01~1.19, p=0.02)。
試験終了時の抗凝固薬治療中止はRF群31/52例(60%)vs AAD群18/53例(34%)であった(p=0.01)。1年後の左房サイズ,左室拡張末期径,EFは2治療間で有意差がなかった。RF群ではAAD群に比べ,AF持続時間,症状スコア,QOL,運動能の改善が有意に大きかった。
★結論★薬物抵抗性の発作性AF患者において,別の抗不整脈薬への変更に比べカテーテルアブレーションが洞調律維持,症状・運動能・QOLの改善で優ることが示された。
文献
  • [main]
  • Jaïs P et al: Catheter ablation versus antiarrhythmic drugs for atrial fibrillation: the A4 study. Circulation. 2008; 118: 2498-505. PubMed
    Callans DJ: Apples and oranges: comparing antiarrhythmic drugs and catheter ablation for treatment of atrial fibrillation.Circulation. 2008; 118: 2488-90. PubMed

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収載年月2009.05