循環器トライアルデータベース

ACCLAIM
Advanced Chronic Heart Failure Clinical Assessment of Immuno-Modulation Trial

目的 収縮機能不全および中等度~重症の慢性心不全患者において,新規の非特異的な免疫修飾治療(IMT)の死亡および合併症への効果を検討する。
一次エンドポイントは全死亡,心血管疾患による初回の入院。
コメント 抗TNFα抗体治療の有効性が得られなかった(RENEWAL試験)ことから,免疫療法の有効性については賛否両論があったが,本試験で免疫修飾療法(IMT)の有効な症例が存在しうることが示唆された。全体として一次エンドポイントに差はみられなかったが,NYHA II度の軽症例では39%のリスク減少が,心筋梗塞の既往のない非虚血性心不全では26%のリスク減少がみられ,さらにIMT群でQOLが改善したことは,今後,免疫修飾療法に期待がもてることを示唆した点で意義の大きい試験といえる。本法は動物実験では,炎症性サイトカインが抑制され,抗炎症サイトカイン(IL-10, TGFβ)が増加することが報告されているので,もし有効性があるとすれば,複数のサイトカインを修飾することが重要なのかもしれない。(
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(カナダ,デンマーク,ドイツ,イスラエル,ノルウェー,ポーランド,米国の177施設),intention-to-treat解析。
期間 平均追跡期間は10.2か月。
ランダム化は2003年6月~’05年5月。
対象患者 2426例。18歳以上;NYHA心機能分類 II~IV度の慢性心不全;EF<30%;至適心不全治療(ACE阻害薬/AII受容体拮抗薬単独または,β遮断薬,digitalis,利尿薬,アルドステロン受容体拮抗薬との併用)を2週間以上受けているもの。12か月以内に心不全により入院,あるいは外来にて変力作用薬/脳性ナトリウム利尿ペプチド/利尿薬静注を受けたもの(NYHA III~IV度,EF<25%は除外)。
■患者背景:年齢(IMT群64.6歳,プラセボ群64.0歳),男性(両群とも80%),白人(91%, 92%),NYHA III度(66%, 69%),虚血による心不全(68%, 69%),EF(22.7%, 22.6%),心筋梗塞(両群とも62%),高血圧(61%, 59%),不安定狭心症(22%, 24%),糖尿病(両群とも40%),脂質代謝異常(両群とも73%),CABG(32%, 33%),PCI(32%, 31%),ICD(両群とも26%),CRT(10%, 11%),ACE阻害薬/AII受容体拮抗薬(両群とも94%),β遮断薬(両群とも87%),利尿薬(両群とも94%),アルドステロン受容体拮抗薬(48%, 51%),digoxin(45%, 44%),脂質低下薬(68%, 69%),抗血小板薬(両群とも69%),抗血栓薬(32%, 36%)。
治療法 IMT群(1213例),プラセボ群(1213例)にランダム化。
自家血液処理システムVC7000A(Celacade System, Vasogen社・カナダ)を使用し,患者の静脈血10mL/クエン酸ナトリウム2mLを酸素/オゾンガス(オゾン濃度15.35g/m³,流量240mL/分),および紫外線(波長253.7nm)に42.5℃で約20分曝露の後,直ちに患者に殿筋注。プラセボ群では採血後,無菌食塩水10mLを筋注。ランダム化後2日間で2回,14日目に3回目の治療を行い,以後28日間隔で22週以上実施。
結果 一次エンドポイントはIMT群399例(33%) vs プラセボ群429例(36%);ハザード比0.92(95%信頼区間 0.80~1.05, p=0.22)。
サブグループでは,NYHA II度(689例):92例 vs 124例;0.61(0.46~0.80, p=0.0003),心筋梗塞既往のないもの(919例):105例 vs 138例;0.74(0.57~0.95, p=0.02)とIMT群で有意に抑制された。
1年間の死亡率はIMT群117例(10%) vsプラセボ群102例(9%),心血管疾患による1回以上の入院は338例(28%) vs 358例(30%),心不全による1回以上の入院は195例(16%) vs 207例(17%)であった。
不全患者の生活に関する質問票(Minnesota Living with Heart Failure Questionnaire)スコアはIMT群-6.9 vs プラセボ群-5.2(p=0.04)とIMT群でQOLが改善し,C反応性蛋白値が同群で低下する傾向があったが,その他のエンドポイントに群間差はみられなかった。有害事象による試験の中止は両群で11%であった。
★結論★NYHA II度以下または心筋梗塞既往のない心不全例に対する治療として非特異的な免疫修飾治療の可能性が示された。
ClinicalTrials. gov No: NCT00111969
文献
  • [main]
  • Torre-Amione G et al for the advanced chronic heart failure clinical assessment of immune modulation therapy investigators: Results of a non-specific immunomodulation therapy in chronic heart failure (ACCLAIM trial): a placebo-controlled randomised trial. Lancet. 2008; 371: 228-36. PubMed

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収載年月2008.08