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家族性高コレステロール血症患者において,コレステロールトランスポーター阻害薬ezetimibeがアテローム性動脈硬化の進展を抑制できるかを,HMG-CoA reductase阻害薬simvastaitnに対してezetimibe併用投与により検討する。 一次エンドポイントは頸動脈内膜-中膜肥厚(IMT)*の変化。 * 左右の総頸動脈,頸動脈球,内頸動脈の遠位壁のIMTの計6か所の中間値の平均。 |
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ezetimibe(エゼチミブ)は新規の薬剤で,スタチンとの併用でLDL-Cの低下作用が格段に上がることが分かっている。LDL-C低下作用が心血管イベントを抑制することはスタチンの一連の試験で明らかにされているところから,エゼチミブとの併用がさらなる効果を上げることが期待されている。しかしながら,本試験では強力なLDL-Cの低下作用は示したものの,家族性高コレステロール血症(FH)の頸動脈の内中膜肥厚度(IMT)の改善をもたらさなかった。この結果が,エゼチミブの有効性を否定するものか否か議論になっている。本試験の対象者はFHであるが,他の危険因子はほとんどなく,年齢も約46歳で半数が女性である。さらにその81%はスタチン治療を受けている患者であり,FHとしては低リスク群といえる。そのためともいえるが,ベースラインの頸動脈のIMTは約0.7mmと正常範囲である。基本的にはこのような対象者を選択したこと自体に問題があったのではないかと思われる。しかも試験期間は2年であり,正常のIMTの改善を観察するには短期間過ぎるように思われる。今後,もう少し,緻密な試験デザインを組むという努力が必要と思われる。小腸由来のコレステロールの影響をみることができるという期待もあり,2011年に終了する臨床的アウトカムをみるIMPROVE-ITという試験の結果を待ちたい。(寺本) |
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無作為割付け,二重盲検,多施設(アメリカ,カナダ,南アフリカ,スペイン,デンマーク,ノルウェー,スウェーデン,オランダの18施設),intention-to-treat解析。 |
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追跡期間は24か月。 実施期間は2002年8月~2006年4月。 |
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720例。30~75歳;遺伝子型あるいはWHOの診断基準による家族性高コレステロール血症;脂質低下治療歴は問わない;未治療例はLDL-C≧210mg/dL;脂質低下治療例でスクリーニング時にLDL-C<210mg/dLで,プラセボによるrun-in後に210mg/dL以上に上昇したものは可とした。 除外基準:頸動脈の高度閉塞あるいは完全閉塞;頸動脈アテレクトミーあるいはステント施行例;ホモ型家族性高コレステロール血症;NYHA III~IV度の心不全;不整脈;狭心症;最近の心血管イベント発症例。 ■患者背景:平均年齢(併用群46.1歳,simvastatin群45.7歳),男性(53.5%, 49.3%),BMI(27.4kg/m2, 26.7kg/m2;p=0.047),血圧(125/78mmHg, 124/78mmHg),高血圧(18.8%, 14.0%;p=0.09),喫煙例(28.6%, 28.7%),心筋梗塞既往(3.9%, 7.2%;p=0.06),スタチン系薬剤使用例(80.1%, 81.8%)。 |
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プラセボ・単盲検による6週間のrun-in期間後,2群にランダム化。 併用群(357例):ezetimibe 10mg+simvastaitn 80mg群,simvastatin群(363例):simvastaitn 80mg+プラセボ。 Bモード超音波により頸動脈および大腿動脈の遠位壁IMTを評価。 |
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一次エンドポイント解析は併用群322例,simvastaitn群320例,安全性解析はぞれぞれ357例,363例。 [脂質値の変化] 総コレステロール:併用群(ベースライン時400.0→ 24か月後217.3mg/dL),simvastatin群(400.0→ 270.6mg/dL):併用群-45.3% vs simvastating群-39.1%(差6.2%)*。 LDL-C:319.0→ 141.3mg/dL, 317.8→ 192.7mg/dL:-55.6% vs -39.1%(差16.5%)*。 HDL-C:46.7→ 50.9mg/dL, 47.4→ 50.7mg/dL:+10.2% vs +7.8%(p=0.05)。 トリグリセライド(中央値):157→ 108mg/dL, 160→ 120mg/dL:-29.8% vs -23.2%(差6.6%)*。 アポリポ蛋白 B:253.9→ 134.6mg/dL, 254.1→ 168.8mg/dL:-46.7% vs -33.1%(差13.6%)*。 [CRPの変化] 中央値:1.70→ 0.90mg/L, 1.70→ 1.20mg/L:-49.2% vs -23.5%(差25.7%)*。 * p<0.01
[一次エンドポイント] IMTは併用群はベースライン時0.69mm→ 24か月後0.71mm:24か月間の変化は0.0111mm, simvastatin群:0.70mm→ 0.70mm:変化0.0058mmで両群間に有意差は認められなかった(p=0.29)。 [二次エンドポイント] 平均頸動脈IMTの退縮:併用群146例(45.3%) vs simvastatin群142例(44.4%);p=0.92。新規プラーク形成(1.3mm以上のIMT):15例(4.7%) vs 9例(2.8%);p=0.20。最大頸動脈IMTの増加:0.0175mm vs 0.0103mm;p=0.27。総頸動脈,頸動脈球,内頸動脈,大腿動脈の変化においても両群間に有意差はみられなかった。 [有害事象] 両群同様であった:併用群122例(34.2%) vs 107例(29.5%);p=0.18。 有害イベントによる治療中止も同様:29例(8.1%) vs 34例(9.4%);p=0.56。 アラニンアミノトランスフェラーゼ,アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ,あるいは両方の異常(正常上限値の>3倍)による治療中止も10例(2.8%) vs 8例(2.2%)で差はなかった(p=0.62)。 ★結論★家族性高コレステロール血症患者において,ezetimibe+simvastatin併用群はsimvastatin単独群よりもLDL-C,CRPを有意に低下したにもかかわらず,内膜中膜肥厚の変化において両群間に有意差は認められなかった。 ClinicalTrials. gov No: NCT00552097 |
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- Kastelein JJ et al for the ENHANCE investigators: Simvastatin with or without ezetimibe in familial hypercholesterolemia. N Engl J Med 2008; 358: 1431-43. PubMed
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