循環器トライアルデータベース

RethinQ
Cardiac Resynchronization Therapy in Patients with Heart Failure and Narrow QRS Study

目的 植込み型除細動器の標準的な適応があり,QRS間隔が狭く,機械的同期不全を有する中等症心不全患者において,心臓再同期治療(CRT)の有効性を評価。
一次エンドポイントは6か月後の心肺運動負荷試験における最大酸素消費量が1.0mL/kg/分以上増加した患者の割合。
コメント 左室の機械的同期不全があっても,QRS幅<120msecの例ではCRTの効果は期待できないことが確認された。(井上
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設(34施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は6か月。登録期間は2005年8月~’07年1月。
対象患者 172例。EF≦35%,虚血性/非虚血性心筋症による中等症の慢性心不全(NYHA心機能分類III度),QRS間隔<130msec。
除外基準:心ペーシングの標準的な適応,CRT植込み例など。
◆患者背景:平均年齢(CRT群60歳,対照群58歳),男性(71%, 58%),NYHA心機能分類III度(100%, 99%),EF(25%, 26%),QRS間隔(107msec, 106msec),QRS間隔≧120msec(24%, 29%),虚血性心疾患(54%, 51%)。治療状況:ACE阻害薬/AII受容体拮抗薬/hydralazine(89%, 91%),β遮断薬(97%, 93%),利尿薬(84%, 87%)。
治療法 6分間歩行試験,心エコーによる機械的同期不全およびEFの評価後,CRTデバイス(Epic HF/Atlas+ HF, ST.Jude Medical社)を植込み(右房リード,右室除細動リード,左室リード),ランダム化。CRT群(87例):ICD+CRT+至適薬物治療,対照群(85例):ICD+至適薬物治療。
ランダム化は施設,心筋症の種類およびQRS間隔(120msec未満/以上)により層別化。
結果 6か月後の分析が可能であったCRT群76例,対照群80例のうち,一次エンドポイントはCRT群と対照群間に有意差はみられなかった(46% vs 41%, p=0.63)。
二次エンドポイントであるQOLスコアも両群間に有意差はなかった。NYHA心機能分類はCRT群で対照群に比べ有意に改善した(I度以上の改善54% vs 29%, p=0.006)。
6分間歩行試験,心エコー結果に両群間差はなかった。6か月後の累積生存率はCRT群94.2% vs 対照群98.8%(p=0.11),心不全悪化による累積死亡抑制率は97.7% vs 98.8%(p=0.58)であった。
事前に決めていたサブグループであるQRS間隔120msec以上の症例では,最大酸素消費量がCRT群で対照群に比べ有意に増加したが(p=0.02),120msec未満の症例では変化はみられなかった(p=0.45)。
静注による治療を要する心不全はCRT群で14例24件(16.1%),対照群で19例41件(22.3%)で,両群間に有意差はなかった。
★結論★中等度~重症心不全において,CRTによる最大酸素消費量の改善は認められず,QRS間隔の狭い症例におけるCRTは有用ではない可能性が示された。
ClinicalTrials. Gov No: NCT00132977
文献
  • [main]
  • Beshai JF et al for the RethinQ study investigators: Cardiac-resynchronization therapy in heart failure with narrow QRS complexes. N Engl J Med. 2007; 357: 2461-71. PubMed

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収載年月2008.04