循環器トライアルデータベース

DECREASE-HF
Device Evaluation of CONTAK RENEWAL 2 and EASYTRAK2: Assessment of Safety and Effectiveness in Heart Failure Trial

目的 QRS間隔延長を有する進展した収縮不全患者に対する心臓再同期治療(CRT)について,両室同時ペーシング(simultaneous BiV),両室順次ペーシング(sequential BiV),左室(LV)ペーシングの有効性を比較する。
一次エンドポイントは最大酸素摂取量(peak VO2)+LV収縮末期径(LVESD)。
二次エンドポイントは心エコーによる心室径,収縮および拡張機能,同期不全の評価。
コメント 心臓再同期療法がQRS幅の広い重症心不全例の治療に有効であることは,多くの試験で明らかにされている。プログラムの必要のない同時BiVペーシングはプログラムの複雑な順次BiVペーシングと同等な効果を持つことが示され,心臓再同期療法の実施にあたり複雑な手間が省けて好都合である。(井上
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設。
期間 追跡期間は6か月。登録期間は2003年3月~'04年4月。
対象患者 306例。18歳以上。NYHA心機能分類III~IV度の心不全,EF≦35%,QRS間隔≧150msで,生存の見込みが6か月を超え,安定した用量のACE阻害薬,β遮断薬治療を30日以上受けたもの。
除外基準:CRT既往,徐脈によるペーシング適応,90日未満のβ遮断薬治療,右脚ブロック。
■患者背景:平均年齢(LVペーシング群67.4歳,順次BiV群66.6歳,同時BiV群66.2歳),男性(65%, 67%, 68%),NYHA心機能分類III度(97%, 96%, 100%),EF(22.6%, 22.4%, 23.2%),ACE阻害薬/AII受容体拮抗薬(87%, 85%, 90%),β遮断薬(83%, 81%, 81%),digoxin(47%, 53%, 46%),利尿薬(88%, 89%, 81%),ループ系利尿薬(86%, 88%, 79%),アルドステロン受容体拮抗薬(40%, 36%, 40%),虚血性(66%, 67%, 57%),左脚ブロック(93%, 92%, 96%)。
治療法 CONTAK RENEWAL 2/4/4HE/EASYTRAK 2 CRT除細動器を植込み,心房同期心室ペーシング(VDD)モードにプログラム。植込み2週後にLVペーシング群(101例),順次BiV群(104例),同時BiV群(101例)にランダム化。
ランダム化時,3,6か月後に心エコーを実施し,LV内径,LV容量,EF,1回拍出量,心拍出量,僧帽弁逆流(MR)dP/dt, myocardial performance index(Tei インデックス),LV拡張機能を評価。
結果 [二次エンドポイントの結果]
二次エンドポイントの心エコー評価の結果,6か月後のLV拡張末期径(LVEDD),LVESD,LV収縮末期容積(LVESV)は3群で有意に減少し,LV拡張末期容積(LVEDV)は順次BiV群および同時BiV群で有意に減少した。LVESDの縮小は同時BiV群で順次BiV群,LVペーシング群に比べ有意に大きく(p=0.007),LVESVの著明な(25%以上)減少は同時BiV群で順次BiV群,LVペーシング群に比べ有意に多かった(それぞれ40%, 24%, 20%;p=0.001)。
6か月後の1回拍出量,EFは3群で有意に改善し(p<0.001),EFの著明な(実数で10%以上)増大は同時BiV群で順次BiV群,LVペーシング群に比べ有意に多く認められた(それぞれ42%, 33%, 25%;p=0.05),6か月後のMR重症度は順次BiV群および同時BiV群で有意に改善し(各p<0.001),悪化はLVペーシング群で順次BiV群および同時BiV群に比べ有意に多かった(18%, 3%, 5%;p=0.004)。
★結論★同時BiVペーシングは,LVペーシングに比べLVサイズが改善する傾向がみられたが,順次BiVペーシングとの差はほとんどなかった。
文献
  • [main]
  • Rao RK et al: Reduced ventricular volumes and improved systolic function with cardiac resynchronization therapy: a randomized trial comparing simultaneous biventricular pacing, sequential biventricular pacing, and left ventricular pacing.. Circulation. 2007; 115: 2136-44. PubMed

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収載年月2008.03