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院外心停止例において,その場に居合わせた目撃者が換気(口うつし呼吸)なしの心臓マッサージのみを行った場合と,通常の心肺蘇生法(CPR)とを比較する。 一次エンドポイントは,心停止から30日以内の神経学的予後*。 * 5段階からなるGlasgow-Pittsburgh脳機能分類:1(脳機能良好)または2(中等度の障害)が予後良好,3~5(重度障害から死まで)が予後不良。 |
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AHAやILCORのガイドラインでは,心臓マッサージと口うつし換気を心肺蘇生法として推奨しているが,ガイドラインは早急に改訂されるべきである。本研究で示されたように,口うつし換気なしの心臓マッサージのみでよいので,目撃者による心肺蘇生法が広く行われることが期待される。(井上) |
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前向き観察研究,多施設(日本の58の救急医療施設)。 |
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追跡期間は30日。登録期間は2002年9月1日~2003年12月31日。 |
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4068例。居合わせた人により目撃され救急隊により搬送された院外心停止例。 除外基準:18歳未満;救急隊員到着後に再び心停止した症例;末期疾患の記録のあるもの;蘇生の拒否;居合わせた人による心臓マッサージなしの蘇生処置。 ■患者背景:居合わせた目撃者による蘇生術実施群と非実施群の比較:平均年齢68歳,男性(68%,69%),心原性心停止*(70%,63%),心停止現場*:家庭あるいはその他の住居(53%,62%);公共の場所:インドア(36%,22%);アウトドア(11%,16%),最初の心調律*:心室細動・脈の触れない心室頻拍(29%,19%);脈なし電気活動(21%,26%);心室静止(51%,55%),治療:除細動*(38%,29%);気管挿管(97%,96%);血管収縮薬epinephrine投与(91%,92%),所要時間:虚脱から通報まで(両群とも3分);通報から初回の自動体外式除細動器(AED)使用まで(両群とも10分); AEDの初回使用から病院搬送まで(両群とも14分);虚脱現場から病院到着までの搬送時間(両群とも10分)。* p<0.0001 心臓マッサージのみの蘇生群と通常のCPR群の比較:平均年齢(69歳,68歳),男性(72%,65%),心原性心停止(69%,70%),心停止現場(p=0.0063):家庭あるいはその他の住居(59%,49%);公共の場所:インドア(31%,40%);アウトドア(10%,12%),最初の心調律:心室細動・脈の触れない心室頻拍(28%,29%);脈なし電気活動(21%,20%);心室静止(50%,51%),治療:除細動(39%,38%);気管挿管(97%,98%);epinephrine投与(90%,91%),目撃者(p<0.0001):勤務外医療従事者(22%,49%);CPRの訓練を受けた市民(16%,18%);救急隊の支援を受けた市民(32%,19%);訓練,支援なしの市民(30%,14%),所要時間:虚脱から居合わせた人による初回の蘇生術まで(両群とも4分);居合わせた人による初回の蘇生術からAED初回使用まで(両群とも9分);AED初回使用から病院搬送まで(両群とも14分);現場から病院到着までの搬送時間(両群とも10分)。 |
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現場に到着した救急隊員が居合わせた目撃者から,救命手当の方法や発症時刻について聞き取り調査しUtstein方式に基づいて記録した。 |
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現場に居合わせた人による蘇生術を受けたのは1151例(28%),うち439人(11%)は心臓マッサージのみ,712人(18%)は通常のCPR,残りの2917人(72%)は居合わせた人による蘇生術なしであった。 蘇生術実施群のほうが非実施群に比べ,神経学的予後が良好だった患者が有意に多かった(5.0% vs 2.2%,p<0.0001)。 無呼吸患者や,shockable rhythm(心室細動・頻拍),心停止から4分以内に蘇生処置を行った患者においては心臓マッサージのみ群の方がCPR群より神経学的予後が良好な患者が多かった(無呼吸:胸部圧迫のみ群6.2% vs CRP群3.1%;p=0.0195 ,心室細動・頻拍:19.4% vs 11.2%;p=0.041,4分以内に蘇生処置を行った患者:10.1% vs 5.1%;p=0.0221)。 いずれのサブグループでも口うつし呼吸を加えることの有効性を示す結果はみられなかった。 通常のCRPに比べ心臓マッサージのみの神経学的予後良好の調整オッズ比は2.2(95%信頼区間1.2~4.2)であった。 二次エンドポイントである30日の時点の生存率には,有意差はなかった。 ★考察★居合わせた人による心臓マッサージのみの蘇生術は,院外心停止例,特に無呼吸症例,心室細動・頻拍,心停止からの時間が短い症例に対するより有効な処置である。 [主な結果]- SOS-KANTO study group: Cardiopulmonary resuscitation by bystanders with chest compression only (SOS-KANTO): an observational study. Lancet. 2007; 369: 920-6. PubMed
- 1年後の神経学的予後が良好な生存率
長時間(>15分)心停止例を除外すると,居合わせた人による心臓のみの蘇生術は,居合わせた人による蘇生術がなかった場合よりも神経学的予後が良好な生存率が高かった。長時間心停止例において,神経学的予後が良好な生存率は通常のCPR例で高かったが,CRPのやり方を問わず生存率そのものが低かった:Circulation. 2007; 116: 2900-7. PubMed
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