循環器トライアルデータベース

A-COMET II
Azimilide-Cardioversion Maintenance Trial-II

目的 持続性心房細動(AF)患者において,電気的除細動後の洞調律維持に対するIII群抗不整脈薬azimilideの有効性をプラセボ,sotalolと比較する。

一次エンドポイントは試験薬投与4日目以降の初回の症候性/無症候性AF,心房粗動,発作性上室性頻拍(PSVT)イベント。
コメント AFの再発予防にIII群薬azimilideの効果が期待されたが,その効果はsotalol以上ではなかった。(井上
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(ロシア,ポーランド,ハンガリー,西ヨーロッパ),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は26週。
対象患者 658例。18~80歳。48時間を超え6か月未満の持続性症候性AFが12誘導ECG上で確認され,適切な抗凝固療法を受けており,電気的除細動が予定されているもの。
除外基準:電解質異常;甲状腺機能亢進症;心膜炎等の一過性の原因による不整脈;不整脈による狭心症や失神の既往;永久ペースメーカー非使用の2~3度の房室ブロック;torsade de pointes他の多形性心室頻拍(VT)の既往;最近発症した心筋梗塞,不安定狭心症,NYHA心機能分類IV度の心不全;QT延長症候群の家族歴あるいはQTc>440ms。
■患者背景:平均年齢(azimilide群62.1歳,プラセボ群62.7歳,sotalol群61.4歳),男性(55.5%, 66.1%, 66.4%),器質的心疾患*(73%, 72%, 74%),高血圧(66%, 71%, 65%),NYHA I~II度(47%, 46%, 48%),除細動既往(23%, 23%, 24%),AF持続>27日(73%, 75%, 71%),EF 40%以上(91%, 88%, 91.6%),amiodarone使用歴(2.7%, 2.7%, 2.6%),ACE阻害薬/AII受容体拮抗薬(65%, 69%, 65%),利尿薬(40%, 43%, 37%),digoxin(32%, 36%, 29%),Ca拮抗薬(17%, 17%, 20%)。
* 次のうち1つ以上の既往のあるもの;左脚ブロック,冠動脈疾患,陳旧性心筋梗塞,うっ血性心不全,弁疾患,心筋症を伴う高血圧,左室肥大を伴う高血圧。
治療法 I群,III群の抗不整脈薬,β遮断薬投与例は試験薬投与前に半減期の5倍以上の期間,amiodaroneは1か月以上投与を中止し,β遮断薬は試験期間中の投与は不可とした。
azimilide群(211例):125mg/日を経口投与,プラセボ群(224例),sotalol群(223例):160mg×2回/日を経口投与。
4日目に洞調律を回復した患者(自然回復),またはAFに対し直流除細動後1時間以内に洞調律を回復した患者を対象に,試験薬維持用量(azimilide群:125mg/日+プラセボ1錠,プラセボ群:1日2回,sotalol群:160mg×2回/日。適宜減量可)の投与を開始した。
結果 4日目の除細動の不成功により除外された患者はazimilide群15%,プラセボ群19%,sotalol群12%(p=0.116),26週の追跡期間を完了したものはそれぞれ19%, 15%, 33%であった(p<0.01)。
イベント再発までの時間(中央値)はazimilide群14日 vs プラセボ群12日(ハザード比[HR]1.291;95%信頼区間[CI]1.022~1.629, p=0.0320),sotalol群28日(vs azimilide群:HR 0.652;95%CI 0.523~0.814, p=0.0002)であった。24時間以上持続する症候性イベントはazimilide群23.2%,プラセボ群29%,sotalol群16.1%,無症候性イベントは各群12.3%, 15.6%, 10.3%,入院または直流除細動を要する不整脈再発は3.8%, 9.8%(p=0.033 vs azimilide群),3.1%であった。
有害事象はazimilide群51.7%,プラセボ群50.9%,sotalol群61.%と3群で同等であったが,有害事象による脱落はプラセボ群5.4%に比べ,azimilide群12.3%,sotalol群13.9%で有意に多かった(p<0.01)。QTc延長による中止はazimilide群7.6%,プラセボ群0.9%(p<0.01 vs azimilide群),sotalol群3.5%で,torsade de pointesがazimilide群5例(2.4%)で発生した。100人・年あたりの死亡率はプラセボ群(0)に比べ,azimilide群(9.22),sotalol群(6.35)で有意に高かった(p<0.01)。
★結論★持続性AF患者における不整脈再発の初発までの時間の延長効果は,azimilideはプラセボをわずかに上回るが,sotalolに比べ有意に劣っている。抗不整脈効果が小さく,torsade de pointesの発生率が高く,QTc延長が顕著であることによりAF治療におけるazimilide使用は制限される。
文献
  • [main]
  • Lombardi F et al for the A-COMET-II investigators: Azimilide vs. placebo and sotalol for persistent atrial fibrillation: the A-COMET-II (azimilide-cardioversion maintenance trial-II) trial. Eur Heart J. 2006; 27: 2224-31. PubMed

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収載年月2007.04