循環器トライアルデータベース

Recombinant Activated Factor VII Intracerebral Hemorrhage Trial

目的 急性脳内出血患者において,遺伝子組換え活性型第VII因子(rFVIIa)が血腫増大の抑制に有効か,さらに転帰を改善するかを検討。
有効性の一次エンドポイントは24時間後の脳内出血量の変化。
コメント 遺伝子組換え活性型第VII因子製剤はわが国でもノボセブンrとしてインヒビターを持つ血友病患者の治療に用いられている。本試験が示すように非血友病症例でも脳内出血の急性期に注射することで血腫量を減少させて,死亡率を低下させることができれば新しい治療法として期待できるが,肺塞栓症の発生が多いことは注意する必要がある。 (桑島
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(20か国73施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は90日。登録期間は2002年8月~'04年3月。
対象患者 399例。18歳以上。発症から3時間以内にCTで突発性脳内出血が証明された患者。
除外基準:Glasgow Coma Scale 3~5点,入院後24時間以内の血腫除去術の予定,動脈瘤/動静脈奇形/外傷他に関連する二次的脳内出血,経口抗凝固薬使用,血小板減少症,凝固障害/急性敗血症/挫滅外傷/播種性血管内凝固症候群の既往,妊娠,既存の障害,脳内出血発症前30日以内の症候性の血栓/血管閉塞性疾患。
■患者背景:平均年齢66歳,男性61%,白人81%,Glasgow Coma Scaleスコア中央値14,National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)スコア平均14,被殻/淡蒼球出血52%,視床出血33%,脳葉内出血20%,脳内出血量平均24mL,発症からCTまでの平均時間114分,CTから治療開始までは54分,発症から治療開始までは167分。
治療法 rFVIIa 40μg/kg群(108例),80μg/kg群(92例),160μg/kg群(103例),プラセボ群(96例)にランダム化し,ベースライン時CT後1時間以内,発症から4時間以内に静注を開始。
治療開始から24,72時間後にCTを実施し,脳内出血,心室内出血,浮腫の容量を算出。Glasgow Coma ScaleとNIHSSにより神経学的欠損の程度,modified Rankin ScaleとExtended Glasgow Outcome Scale(E-GOS) により90日後の全般的転帰,Barthel Indexにより日常生活動作能力,NIHSSにより神経学的障害を評価。安全性の主要項目として90日後の血栓性の重篤な有害事象の頻度を評価した。
結果 24時間後の脳内出血量のベースライン時からの平均増加率はrFVIIa 40μg群16%(vs プラセボ群p=0.07),80μg群14%(p=0.05),160μg群11%(p=0.02),プラセボ群29%で,rFVIIa群で用量依存効果がみられ,rFVIIa群全体でプラセボ群に比べ有意に低下した(p=0.01)。
24時間後の脳内出血の増加量はプラセボ群の8.7mLよりも,
rFVIIa 40μg群で3.3mL(p=0.13),80μg群で4.5mL(p=0.04),160μg群で5.8mL(p=0.008)でそれぞれ小さく,rFVIIa群に用量依存効果がみられ(p=0.007),rFVIIa群全体ではプラセボ群に比べ有意に少なかった(p=0.01)。
90日後の死亡率はプラセボ群29% vs rFVIIa群18%であった(相対低下率38%,p=0.02)。死亡または重度の障害(modified Rankin Scale 4~6)はプラセボ群69%,rFVIIa 40μg群55%,80μg群49%,160μg群54%で,rFIIa群全体で53%であった(絶対低下率16%,95%信頼区間 5~27,p=0.004)。血栓塞栓性の重篤な有害事象の発生はプラセボ群2% vs rFVIIa群7%であった(p=0.12)。
★結論★脳内出血発症から4時間以内のrFVIIa治療は90日後の血腫増大および死亡を抑制し機能的転帰を改善するが,血栓塞栓性有害事象の頻度をわずかに増加させる。
文献
  • [main]
  • Mayer SA et al for the recombinant activated factor VII intracerebral hemorrhage trial investigators: Recombinant activated factor VII for acute intracerebral hemorrhage. N Engl J Med. 2005; 352: 777-85. PubMed

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EBM 提供:大日本住友製薬 「循環器トライアルデータベース
ライフサイエンス出版
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収載年月2005.06