循環器トライアルデータベース

1+1 Trial

目的 遅い単形性心室頻拍(VT)を有し二腔ペーシングが第一適応ではない患者において,頻拍検出インターバル(TDI)の長い二腔検出アルゴリズムの有効性を,単腔植込み型除細動器(ICD)と比較。一次エンドポイントはTDIより長い周期のVT,治療が遅延(>2分)したVT,不適切作動。
コメント 周期の長いVTを検出するためにTDIを長くするとICDの不適切作動の頻度が増す恐れがあるが,二腔ICDを用いると不適切作動を抑制することができる。(井上
デザイン 無作為割付け,多施設(ドイツ),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は1年(第1期間:ランダム化後6か月,第2期間:クロスオーバー後6か月)。
対象患者 102例。単形性VT(自然発作あるいは誘発されたもの)を有し,VT周期長≧300msの患者。
除外基準:ペーシング適応class I~II,慢性心房細動,遅い多形性VT。
■患者背景:冠動脈疾患(単腔ICD群84%,二腔ICD群80%),NYHA心機能分類II度(62%,56%),EF(38%,37%)。
治療法 現行のガイドラインに従い二腔ICD(Defender IIIまたはIV,ELA Medical社)を植込み,次の2群にランダム化。単腔ICD(SCH)群(52例):周期変動および心拍数増加を識別基準とし,記録されたVTの最も長い周期に安全域30~60msを加えたTDIによる単腔モード,二腔ICD(DCH)群(50例):自然発作のVT周期にかかわらずTDI≧469msの二腔モード(Parad,ELA Medical社)。両群ともバックアップペーシング40拍/分。6か月後にクロスオーバー。3か月ごとに来院し,ICDに蓄積された全VT,ICDによる合併症について記録。
結果 プログラムされたTDIは,第1期間はSCH群422ms,DCH群496ms,第2期間はそれぞれ435ms,512msと延長。平均追跡期間は,第1期間がSCH群184日,DCH群196日,第2期間が181日,202日と,いずれの期間もDCH群で長い傾向があり,SCD群に優位に働いた可能性がある。TDIより長い周期のVTおよび治療の遅延はDCH群で有意に低く(Mann-Whitney estimator=0.6647,95%CI 0.5347~0.7946,p=0.0175),一次エンドポイントの発生はDCH群で有意に低かった(Mann-Whitney estimator=0.6661,95%CI 0.5565~0.7758,p=0.0040)。感度はSCH群0.82,DCH群0.94(Mann-Whitney estimator=0.6524,95%CI 0.4798~0.8249,p=0.1345),特異度はそれぞれ0.81,0.93。
死亡は6例で,うち5例が非心臓性であった。ショックの発生は両群間に有意差なし。頻拍(VT以外のものも含む)検出数はSCH群27260例,DCH群80204回とDCH群で頻拍負荷が>3倍。
★結論★TDIの長い二腔ICDはVTの検出を改善し,頻拍負荷に相当の増大がみられたにもかかわらず,不適切作動は増加しなかった。
文献
  • [main]
  • Bansch D et al: The 1+1 trial; a prospective trial of a dual- versus a single-chamber implantable defibrillator in patients with slow ventricular tachycardias. Circulation. 2004; 110: 1022-9. PubMed

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収載年月2005.01