循環器トライアルデータベース

PAD
Public Access Defibrillation

目的 院外心停止例において,心肺蘇生法(CPR)の訓練を受けた一般市民が自動体外式除細動器(AED)を使用した場合に生存率が改善するかを検討。
一次エンドポイントは明確な院外心停止後の生存退院者の数。二次エンドポイントは明確/不明確な院外心停止後の生存退院者の数。
コメント AEDを公共の場に配備し一般市民にその使用法を訓練することは,院外で発生した心停止例の生存率を高めるのに有効である。(井上
デザイン 無作為割付け,多施設(米国21,カナダの3つの研究施設の管轄下にある993のcommunity unit),intention-to-treat解析。
期間 試験期間は2000年7月~2003年9月(平均21.5か月)。
対象患者 北米24地域の993のcommunity施設:ボランティア救急隊を有し,心停止後3分以内にAEDの使用が可能なショッピングモール,レクリエーションセンター,ホテル,共同住宅などの施設。除細動までの時間が3~15分の標準的な救急医療システム(EMS)が可能なもの。
ボランティア救急隊19376人:救急医療を責務とする職種を経験してない一般市民で,現在のAHAガイドラインに定められた訓練を受けているもの。
対象患者は院外で心臓性の心停止をきたした8歳以上で,外傷,薬物の過剰摂取,その他の非心臓性院外心停止例は除外(安全性の評価には含める)。
治療法 CPR群(497施設,ボランティア8361人),CPR+AED群(496施設,ボランティア11015人),にランダム化。
各群は施設ごとに層別化し,各施設につき居住施設 vs 公共施設でさらに層別化。AEDはFDAの認可を受けた製品を使用。イベントは>2回の人工呼吸または>5回の胸部マッサージが行われた場合,ボランティア/EMS職員による除細動が行われた場合あるいは患者が死亡した場合に“presumed心停止”に分類した。ランダム化の情報が与えられていないイベント判定委員会によりdefinite(心室細動などの不整脈が確認されEMS職員による処置を受けた心臓性の心停止),probable(EMS職員によりCPRのみが行われ死亡),uncertain(EMS職員による処置が行われ,除細動の適応となる不整脈がなく生存),院外心停止以外のイベント,あるいは非心臓性の院外心停止のいずれかに分類。
結果 心停止の治療例は年齢(平均69.8歳),性別(男性67%),心停止場所(公共施設70%),目撃者の割合(72%)は両群で同様であった。不適切な処置が行われた例はなかった。
イベント発生はCPR+AED群2.02件/施設/年,CPR群1.81件/施設/年で,イベント例でのボランティアシステムの出動回数はCPR+AED群が多かった。CPR群で心停止は居住施設で多かった(p=0.004)。
presumed心停止例はCPR群266例,CPR+AED群260例で(p=0.59),到着時の死亡例(EMS非実施)はそれぞれ133例,98例(p=0.04)。
definiteな心停止例における生存退院数はCPR+AED群(30/128例)でCPR群(15/107例)より多かった(相対リスク2.0,95%信頼区間1.07~3.77,p=0.03)。居住施設におけるdefiniteな心停止例(CPR+AED群33例,CPR群37例)のうち生存は両群とも1例のみであった。
★結論★救急システムにおける早期の除細動のためボランティアを訓練し配備することにより,公共の場で発生した院外心停止例中の生存退院数を増加させることができる。訓練を受けた一般市民はAEDを安全かつ有効に使用することができる。
文献
  • [main]
  • The public access defibrillation trial investigators: Public-access defibrillation and survival after out-of-hospital cardiac arrest. N Engl J Med. 2004; 351: 637-46. PubMed

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EBM 提供:大日本住友製薬 「循環器トライアルデータベース
ライフサイエンス出版
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収載年月2004.10