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中国において冠動脈心疾患(CHD)の予防ガイドライン作成のための科学的根拠を入手する。さらにCHDリスクの評価手段のない中国人コホートにおいて,Framingham Heart Studyの冠リスクの算定式が適用できるかを検証する。 |
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世界各国の動脈硬化に関するガイドラインは基本的にはFramingham Heart Study(FHS)のデータをもとに作成されている。しかし,わが国やアジア人のようにコレステロール値も低く冠動脈疾患(CHD)発症率も低い国では,FHSのデータをそのまま当てはめることには抵抗がある。本論文では中国におけるコホート研究においてFHSと同様のリスク評価をしたところ,絶対リスクでみると中国ではアメリカの約1/6と低いことが判明した。わが国では約1/4であり,アジア人ではリスクが低いことが確認された。しかし,相対リスクをみるとFHSとほとんど同様の結果が得られている。したがって,公衆衛生学的にはFHSで得られた留意事項をもとにしてCHD予防のためのガイドライン作成にも応用できるものと思われる。(寺本) |
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観察コホート研究。 |
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追跡期間は10年。1992年~2002年。 |
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30121例。35~64歳;11地方の16施設の27003例(1992~'93年)+北京の3118例(1996~'99年)。参加者の登録はmulti stage sampling methodを使用(非無作為に施設を選択:WHO MONICAのSino-MONICA projectの参加16施設[都会の12施設(参加者の80.3%),田舎の4施設]→ベースライン時の参加者背景検討のため,各施設を性別と10歳ごとの年齢で層別化:労働者34%,農民13%,知的職業44%,その他は主婦,セースルスマン。心筋梗塞あるいは狭心症の既往504例は除いた。 |
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中国(CMCS)コホート27003例に関しては,1992~'95年の各年末に面談による追跡調査で新規CHDイベントの発症を確認した。追跡率は94%。1996年以降,Sino-MONICA projectの終了に伴い6施設の追跡は中止した。残りの10施設16552例(1992~'93年コホート)および3118例('96~'99年コホート)は2002年末まで追跡。追跡率は86%(総コホートに対しては65.3%の追跡率)。 Framinghamのコホートは5251例:30~74歳。オリジナルコホートの第11回検診時2152例およびFramingham Offspring Studyのベースライン時(1971~'74年)の3099例。分析する主要6リスク因子は年齢,血圧,喫煙,糖尿病,総コレステロール(TC),HDL-C。 CHDイベントは急性心筋梗塞,突然死,その他の冠動脈死とした。 |
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参加者背景:喫煙率はCMCS・男性で高く,CMCS・女性で低い,高脂血症および高血圧は両コホート・男女で少なく,低HDL-CはCMCS・男性がFramingham・男性より少なく,女性は両コホートで同様,糖尿病は両コホート・男女で同様であった。 CHDイベントはCMCSコホートで191例,全死亡は625例,Framinghamコホートで273例,293例。年齢補正前の10年CHDイベント率はCMCS:男性1.5%,女性0.6%,Framingham:8.0%,2.8%。Cox回帰による両コホートのリスク因子の相対リスクは,次の点を除くと同様であった。年齢(CMCS・男性1.08,Framingham・男性1.05),総コレステロール200~239mg/dL(CMCS・男性1.08,Framingham・男性1.77),HDL-C<35mg/dL(CMCS・男性0.78,Framingham・男性1.84),喫煙(CMCS・女性0.39,Framingham・女性2.65)。 CMCSコホートでのFraminghamリスクスコアの予測能を評価するため,まず6リスク因子のCHDイベントの予測パワーをCMCSコホートで評価し,次いでリスク度の予測能をCMCSコホートに外挿して再検定した。 比較分析によると,Framinghamスコア使用の場合,AUROCs(感度・特異性カーブ下面積)は男性0.705,女性0.742,CMCSスコア使用の場合は0.736,0.759で両スコアは同様であった。再検定ではCHDの絶対リスクはFraminghamスコアでは過大に見積もられていた。例えば,リスクで10分位し男性の10番目のリスク群ではCHD死の予測率は20%であるが実際の発症率は3%。CMCSコホートのリスク因子の平均値および平均イベント率を使用して計算し直したFraminghamリスクスコアはCMCSコホートでの予測能を改善した。 ★結論★Framinghamの冠リスクの算定式を中国人コホートに適用すると,CHDリスク率を実際より高く予測してしまうが,中国のデータを加味したものにすると予測能は改善し中国人でも有用である。 [主な結果]- Liu J et al: Predictive value for the Chinese population of the Framingham CHD risk assessment tool compared with the Chinese multi-provincial cohort study. JAMA. 2004; 291: 2591-9. PubMed
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