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日常診療を受けている患者において,sirolimus溶出ステント(SES)の安全性と有効性を従来のベアステントと比較。 一次エンドポイントは有害心イベント(MACE:死亡,非致死的心筋梗塞[MI],標的血管血行再建術)。 |
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single centerの治験ではあるが,これまでで最も除外項目の少ないsilolimus-eluting stent(SES)とbare metal stent(BMS)との比較試験である。よりcomplexでかつ対照血管径が小さいにも関わらず1年後のTLRがSIRIUS trialより少なかった(3.7% vs 4.9%)のは,過去の経験を生かして“bigger is better”ではなく,“longer is better”を実践したことも大きな要因と思われる。comlex lesionだけを対象に慢性期の確認造影を行ったsubstudy(Circulation. 2004; 109: 1366-70.)において,stent edgeの再狭窄率がSIRIUS trialを大きく下回る(1.6% vs 6.7%)ことがこれを裏付けている。また同substudyでは,入口部病変・糖尿病・ステント長・対照血管径が再狭窄の有意な予測因子となり,従来のBMSと類似の結果となった。一方RESEARCHもSIRIUSも1年後までの予後ではBMSとの有意差は認められておらず,SESが真の意味でPCIの歴史を変えていけるかどうか,今後の成績に注目していきたい。(中野・中村・永井) |
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前向き,単施設。 |
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平均追跡期間は405日。 |
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958例。新規病変に対するSESまたはベアステント(pre-SES)植込み例。 ■患者背景:平均年齢61歳,糖尿病(SES群18%,pre-SES群15 %),高脂血症(56%,55%),MI既往(30%,40%;p<0.01),多枝疾患(54%,48%;p=0.05),type C病変(43%,30%),bifurcationステント(16%,8%),ステント植込み病変数(2.0,1.8),植込みステント数(2.1本,1.9本),ステント長(38.7mm,30.1mm),ステント径≦2.5mmの使用(36%,23%),GPIIb/IIIa受容体拮抗薬の使用(19%,33%);すべてp<0.01,冠動脈造影成功97%。 |
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SES群(508例):登録後6か月以内にステント長8,18,33mm,ステント径2.25~3.00mmのSES(Cypher;Johnson & Johnson社)を植込み,バルーンによる後拡張も許可(ステント径3.00mmのSESを使用した患者の55%でこれより0.5mm大きいバルーンを使用)。pre-SES群(450例):ステント径2.25mm以上3.5mm以下のベアステントを植込み。冠動脈造影上,残存狭窄<30%,TIMI grade 3の灌流が目視できた例を成功と定義。術者の裁量により,周術期にGPIIb/IIIa受容体拮抗薬,抗血栓薬を使用し,aspirinの生涯投与を推奨。clopidogrel(75mg/日)をpre-SES群では1か月以上,SES群では次の条件(>3本のSES植込み,総ステント長>36mm,慢性完全閉塞,分岐部病変)の1つを有していなければ3か月以上投与,有している場合は6か月以上投与。 確認冠動脈造影は複雑病変(分岐部,左冠動脈主幹部,慢性完全閉塞,小血管,ステント長>36mm,急性心筋梗塞)では6~8か月後に施行し,それ以外では自覚症状出現時にのみ行った。 |
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1か月後の一次エンドポイント発生率は,SES群3.0% vs pre-SES群4.2%と両群間に有意差はなかった(p=0.3)が,1年後の累積リスクは9.7% vs 14.8%とSES群で有意に低かった[ハザード比(HR)0.62:95%信頼区間(CI )0.44-0.89,p=0.008)]。これは主として標的血管の再血行再建術が同群で少なかったことによる(5.1% vs 10.9%,HR 0.49:95%CI 0.29-0.82:p=0.007)もので,特に虚血徴候再発による再治療のリスクはSES群で顕著に低かった(3.7% vs 10.9%,HR 0.35:CI 0.21-0.57,p<0.001)。 ★結論★一般臨床現場における除外基準を設けないSES植込みは安全性も問題なし。ベアステント植込みと比べて,1年後のMACE発生率,特に再血行再建術の抑制に有効である。 |
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- [main]
- Lemos PA et al: Unrestricted utilization of sirolimus-eluting stents compared with conventional bare stent implantation in the “real world”: the rapamycin-eluting stent evaluated at Rotterdam cardiology hospital (RESEARCH) registry. Circulation. 2004; 109: 190-5. PubMed
- [substudy]
- 糖尿病患者においてPESはBMSよりも予後を改善する傾向。
T-SEARCHと合わせて検討。糖尿病患者708例:2002年4月~2003年2月はSESのみ(206例),2003年2月~2004年4月はPES(250例),2002年4月直前はBMS(250例)を植込んだ。
2年後のイベント非発症生存率:BMS群90.2% vs SES群86.7% vs PES群88.5%。標的血管血行再建術:19.5% vs 15.3% vs 9.7%(PES群 vs BMS群;p=0.0034)。主要有害心イベントはPES群(21.2%)はBMS群(29.7%)より抑制したが(p=0.04),SES群(28.9%)はしなかった。propensity analysis後は有意差のあるイベントはなかった。ステント血栓症は両DES群で多かった:Eur Heart J. 2007; 28: 26-32. PubMed
- T-SEARCH(Taxus-Stent Evaluated at Rotterdam Cardiology Hospital registry)と合わせて検討(2002年4月~2004年6月に左主幹部(LMCA)にPCIを施行した130例):distal LMCA病変(DLMD)は94例。587日(中央値)後,主要な有害心イベントはDLMD群で30%,非DLMD群で11%とDLMD群で有意に多かった(ハザード比3.42,p=0.007)。これは主に同群で標的血管血行再建術に違いによるものであった(13% vs 3%,p=0.02):J Am Coll Cardiol. 2006; 47: 1530-7. PubMed
- T-SEARCHと合わせて検討(2002年4月~2004年3月に左主幹部病変にPCIを施行した110例・追跡期間中央値660日):主要な有害心血管イベントはSES(25%)とpaclitaxel溶出ステント(29%)は同様で(ハザード比0.88,p=0.74),血管造影率(73% vs 77%),ステント内晩期損失も0.32mm vs 0.46mm(p=0.36)と両群間に有意差はなかった:J Am Coll Cardiol. 2006; 47: 507-14. PubMed
- T-SEARCHと合わせて検討(2001年4月~2003年12月に左主幹部病変にPCI施行した181例):薬剤溶出ステントはベアステントに比べ,累積心筋梗塞および標的血管血行再建術を有意に抑制:Circulation. 2005; 111: 1383-9. PubMed
- type D personality(ネガティブな感情を強め,こういった感情を社会の相互関係では現さない性格)は,有害事象の独立した予測因子である:J Am Coll Cardiol. 2004; 44: 997-1001. PubMed
- 複雑病変(急性心筋梗塞,ステント再狭窄,SES径>2.25mm,左主幹部病変,慢性完全閉塞,ステント長>36mm,分岐部病変)における6か月後の確認冠動脈造影の結果:再狭窄率は7.9%(ステント内6.3%,ステントエッジ;近位0.9%,遠位0.7%)。ステント再狭窄(p<0.01),入り口部病変(p<0.01),糖尿病(p=0.02),ステント長(10mm増加につき),参照血管(1.0mm増加につきp=0.03),左前下行枝(p<0.01)が再狭窄の独立した因子である:Circulation. 2004; 109: 1366-70. PubMed
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