循環器トライアルデータベース

4E-Left Ventricular Hypertrophy Study

目的 左室肥大(LVH)を有する高血圧患者において,LVH退縮効果を選択的アルドステロン拮抗薬eplerenone,ACE阻害薬enalapril,あるいは併用で比較。

一次エンドポイントはMRIで評価した9か月後(または試験中止時)の左室重量。
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設(6か国:米国,ヨーロッパ)。
期間 追跡期間は9か月。
対象患者 202例。ECGまたは心エコー(ACE阻害薬,AII受容体拮抗薬以外で治療中の場合は12か月以内,これらの薬剤で治療中の場合は6か月以内の所見)によりLVHが診断され,高血圧[降圧薬治療中:坐位拡張期血圧(DBP)<110mmHg,坐位収縮期血圧(SBP)≦180mmHg,未治療:DBP90~114mmHg,SBP141~200mmHg]で,主に洞調律であるものとしたが,実際はプラセボによる観察期間の血圧が141~200/90~114mmHgの症例。
除外基準:起立性低血圧;30日以内のguanethidine, spironolactone, reserpineの使用;血清カリウム値<3.0または>5.0mEq/L;血清クレアチニン値>1.5mg/dL(男性),>1.3mg/dL(女性);MRIへの禁忌;心エコーによるEF<40%;NYHA心機能分類III~IV度のうっ血性心不全または不安定狭心症;6か月以内のQ波梗塞,脳卒中,一過性脳虚血発作,PTCA,CABG施行歴;二次性高血圧;1型またはコントロールされていない2型糖尿病など。
治療法 14日間の単盲検プラセボrun-in後,eplerenone群(64例):200mg/日+プラセボ,enalapril群(71例):40mg/日+プラセボ,併用群(67例):eplerenone 200mg/日+enalapril 10mg/日,にランダム化(用量は強制漸増法を用いた4週後のもの)。8週目で血圧のコントロールが不十分な患者(DBP≧90mmHgまたはSBP>180mmHg)にはhydrochlorothiazide 12.5~25mgおよび/またはamlodipine 10mgをオープンラベルで追加投与可とした。試験薬以外の降圧薬また利尿薬,血圧制御のためのβ遮断薬またはα遮断薬などは不許可。
試験薬投与開始後21日以内(ベースライン),9か月後または試験中止時にMRIで左室重量を測定。試験薬投与3か月未満のものはMRI非実施。
結果 一次エンドポイントなどの有効性はベースライン/終了時のMRI所見が得られた153例(eplerenone群50例,enalapril群54例,併用群49例)で評価。
一次エンドポイントである左室重量は平均-14.5g, -19.7g, -27.2gでいずれも有意に減少したが,eplerenone群 vs enalapril群(p=0.258)と,併用群 vs enalapril群(p=0.107)に有意差はみられなかったが,併用群 vs eplerenone単独群では併用群の変化の方が有意に大きかった(p=0.007)。
平均SBP/DBPは3群ともベースライン時に比較して有意に低下(-23.8/-11.9mmHg, -24.7/-13.4mmHg, -28.7/-14.4mmHg)。併用群でeplerenone群に比較してSBP低下が有意に大きかった(p=0.048)ことを除いて,治療群間に差はなかった。
有害事象発症率は3群とも同様(65.6%, 70.4%, 55.2%)で,重篤であったのは7例,5例,9例であった(ただし試験薬との関連が考えられるのは2例のみ)。eplerenone群に比較してenalapril群で咳の発症率が有意に高かった[2例 vs 10例(うち2例は投与中止),p=0.033]。eplerenone群ではカリウム値上昇(≧6mEq/L)の頻度が高かった。
★結論★eplerenoneのLVH退縮と降圧効果はenalaprilと同等である。単独投与よりもenalaprilとの併用投与の方が退縮効果がより大きかった。
文献
  • [main]
  • Pitt B et al: Effects of eplerenone, enalapril, and eplerenone/enalapril in patients with essential hypertension and left ventricular hypertrophy: the 4E-left ventricular hypertrophy study. Circulation. 2003; 108: 1831-8. PubMed

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収載年月2003.12