循環器トライアルデータベース

ESTEEM
Efficacy and Safety of the Oral Direct Thrombin Inhibitor Ximelagatran in Patients with Recent Myocardial Damage

目的 最近発症した心筋梗塞(MI)患者において,経口直接トロンビン拮抗薬ximelagatran+aspirinの有効性と安全性を検討。一次エンドポイントは治療期間6か月中の全死亡+非致死的心筋梗塞(MI)+重篤な虚血再発。
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(18か国191施設),intention-to-treat解析,phase II。
期間 追跡期間は6か月。ランダム化期間は2001年1月~2002年9月。
対象患者 1883例。14日以内の虚血性胸痛症状;心筋障害の生体マーカー上昇(トロポニンT,トロポニンI,クレアチンフォスフォキナーゼ-MB値が正常値上限超,心臓特異的マーカー値が得られない場合はクレアチンキナーゼが正常値上限超);新規虚血による心電図変化[ST上昇,ST低下(>0.05mV)および/または急性のT波逆転(>0.1mV)]。さらに次のリスクが1つ以上:65歳以上,糖尿病,MI既往,多枝疾患,脳梗塞既往,末梢動脈閉塞性疾患,症候性のうっ血性心不全,EF<40%,新規左脚ブロックの疑い,対象イベントに伴うST低下≧0.1mV,高血圧既往。
除外基準:4か月以内のPCI(percutaneous coronary intervention)既往あるいは60日以内にPCIの施行予定;血小板数100,000/μLなどの出血リスク上昇;最近の脳卒中;収縮期血圧≧180mmHgまたは拡張期血圧≧100mmHgなど。
■患者背景:aspirin投与99%,heparin投与90%。登録時イベントがST上昇を伴うMI:66%(うち血栓溶解療法51%)。
治療法 ximelagatran 4群[1245例;24mg×2回/日(307例),36mg×2回/日(303例),48mg×2回/日(311例),60mg×2回/日(324例)]とプラセボ群(638例)に6か月間ランダム化。試験薬は未分画heparin投与終了6時間後あるいは低分子量heparin終了12時間後より速やかに投与開始。次の場合は試験薬を中止;脳卒中,PCIまたはCABGの必要,アラニントランスアミナーゼ高値。
全例にaspirin 160mg/日を投与(aspirinによる有害事象がある場合は最大75mgまで減量)。
結果 一次エンドポイントはプラセボ群に比較してximelagatran群(全体)で有意に抑制された(154例 vs 102例;ハザード比(HR)0.76;95%信頼区間(CI)0.59-0.98,p=0.036]。ximelagatranの4群間に差はなかった(24mg群;12%,36mg群;14%,48mg群;12%,60mg群;13%)。
大出血はまれ[23例(1.8%) vs 6例(0.9%),HR 1.97;95%CI 0.80-4.84]で,全出血はximelagatran群で高かった(22% vs 13%,HR 1.76;95%CI 1.38-2.25)。アラニントランスアミナーゼ正常値上限3~5倍は53例(4%) vs 4例(1%);>5倍は86例(7%) vs 4例(1%)であり,ximelagatran群で有意に高かった(p<0.0001)。黄疸はximelagatran 60mgで4例,36mgで1例に認められたが,投与中止後に1例(膵臓癌による死亡)を除いて回復し,恒久的な肝障害の徴候もなかった。
★考察★ximelagatran+aspirinは,aspirin単独と比較して6か月間の重大な心血管イベント抑制効果が高い。
文献
  • [main]
  • Wallentin L et al for the ESTEEM investigators: Oral ximelagatran for secondary prophylaxis after myocardial infarction: the ESTEEM randomised controlled trial. Lancet. 2003; 362: 789-97. PubMed

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収載年月2003.11