循環器トライアルデータベース

RACE
Rate Control versus Electrical Cardioversion for Persistent Atrial Fibrillation

目的 rate control(心拍コントロール)は心房細動(AF)治療としてrhythm control(洞調律維持)に劣らないことを確認する。一次エンドポイントは心血管死+心不全+血栓塞栓症合併+出血+ペースメーカーの植込み+薬剤による重篤な有害事象。
コメント AFFIRMと同様に,心拍数コントロールは心房細動の治療法として洞調律維持に劣らない治療であることが示された。(井上
デザイン 無作為割付け,多施設(オランダの31施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は2年以上3年以内(平均追跡期間は2.3年)。実施期間は1998年6月1日~2001年7月1日。
対象患者 522例。平均年齢68歳。過去2年間の電気的除細動(2回以内)後にAFが持続あるいは心房粗動が再発した例。
除外基準:1年以上持続するAFや粗動,NYHA心機能分類IV度の心不全,amiodaroneあるいはペースメーカー治療中あるいはその既往のある例。
治療法 rate control群(256例):投与薬はdigitalis,非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬,β遮断薬。目標心拍数は<100拍/分。薬剤で効果が得られない場合は除細動,アブレーション,ペースメーカー植え込みを実施した。
rhythm control群(266例):抗不整脈薬を投与せずに除細動を実施し,その後,sotalol 160~320mg/日(体重,腎機能に応じて調節)を投与。6か月以内に再発した場合は,除細動を再度行い薬剤をflecainide(200~300mg/日)あるいはpropafenone(450~900mg/日)に変更。さらに6か月後に再度発症した際は,amiodarone(600mg/日を4週間投与)で投与を開始し,除細動を行った。その後amiodaroneの用量は200mg/日に減量した。
除細動4週間前から除細動後4週間,全例に抗凝固薬(acenocoumarolあるいはfenprocoumon)を投与(INR 2.5~3.5)。洞調律が1か月維持できた場合は,抗凝固療法は中止するかaspirin(80~100mg/日)に変更。aspirin投与はrate control群の<65歳で,心血管疾患のないAF例でも可とした。
結果 rate control群の90%,rhythm control群の91%が脳卒中のリスク因子を1つ以上有していた。高血圧例はrhythm control群の方が多かった(55% vs 43%, p=0.007)。
追跡終了時に洞調律であったものはrate control群10%,rhythm control群39%であった。
一次エンドポイントは44例(17.2%) vs 60例(22.6%)でrate control群の方が少なく,一次エンドポイントの絶対差の90%信頼区間(両側)の上限は0.4%(事前に規定した,劣っていないことの規準は10%以下)。一次エンドポイントを構成するそれぞれの事故の割合は両群で同様であった。
★結論★rate controlは心血管死および心血管合併症の予防において,rhythm controlに劣るということはなく,除細動後に再発する持続性AFの適切な治療法といえるであろう。
文献
  • [main]
  • Van Gelder IC et al for the rate control versus electrical cardioversion for persistent atrial fibrillation study group: A comparison of rate control and rhythm control in patients with recurrent atrial fibrillation. N Engl J Med. 2002; 347: 1834-40. PubMed
  • [substudy]
  • 女性の持続性AFにおいて,rhythm control治療により心血管合併症および死亡が増加し,男性に比べQOLが有意に低い:J Am Coll Cardiol. 2005; 46: 1298-306. PubMed
  • ベースライン時および1年後にQOLに関する質問票に患者自身で回答,年齢の合致する健康な対照群と比較した結果,対照群に比べAF患者のQOLは低く,rate control,rhythm controlはQOLに影響を与えなかった。しかしAFに関連する愁訴を有する患者では洞調律が維持されればrhythm controlがQOLに寄与する可能性がある:J Am Coll Cardiol. 2004; 43: 241-7. PubMed

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収載年月2002.12
更新年月2006.01