循環器トライアルデータベース

LIVE
Left Ventricular Hypertrophy Regression, Indapamide versus Enalapril

目的 左室肥大(LVH)を有する高血圧患者において,左室重量係数(LVMI)退縮効果を持続型利尿薬indapamideとACE阻害薬enalaprilとで比較する。
コメント 左室肥大の退縮作用が注目されている。DahlofのメタアナリシスではACE阻害薬が最も退縮作用が強いとされたが,ELVERA,PRESERVEなどの最近のトライアルではCa拮抗薬もACE阻害薬と同等の退縮作用があることを明らかにしている。またごく最近LIFE研究の結果が発表され,β遮断薬に比べてアンジオテンシンII受容体遮断薬losartanの退縮作用がより強力であることが発表されているがあくまで心電図上での左室肥大の評価であり,厳密性に欠ける。このLIVE試験は心肥大の退縮を心エコー図で評価しているが,専門家で構成される中央委員が画像の質や再現性などを厳密に評価して,バイアスが入ることのないようにしているのが特徴であり,対象数は多いとはいえないが信頼性は極めて高いといえよう。
本結果は降圧利尿薬であるindapamideがACE阻害薬の代表格であるenalaprilよりも左室肥大の退縮作用がもっと強いことを明らかにした。
利尿薬の退縮効果はTOMHSでもすでに示唆されていたが,利尿による左室拡張末期径の減少が見かけ上の退縮をもたらしたとの批評もあった。しかし,LIVEでは左室内径の減少がピークに達した6か月以降に左室の壁厚が減少することを明らかにしている点でより信頼性が高い。(桑島
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設(ベルギー,フランス,ドイツ,イタリア,オランダ,ロシア,スペイン,イギリスの93施設)。
期間 追跡期間は1年。
対象患者 505例。20歳以上。LVMI:男性は>120g/m²,女性は>100g/m²。
除外基準:心筋症,弁膜症,異常心筋運動,非対称性心室中隔肥大,左室拡張(拡張末期径>60mm),仰臥収縮期血圧(SBP)≧160mmHg,<210mmHgなど。
治療法 indapamide群(255例):indapamide SR 1.5mg/日,enalapril群(250例):20mg/日にランダム化。投与期間は48週間。
12週間後に降圧が得られなかった場合(SBPの低下<20mmHgおよび/あるいは拡張期血圧<10mmHg),速効型prazosin 5mg/日(イタリアではdoxazosin 2mg/日)をオープンラベルで試験終了まで追加投与。
心エコー図については中央専門委員会でその精度を評価。
結果 解析数は411例(indapamide群205例,enalapril群206例)。
LVMIはindapamide群で-8.4g/m²有意に低下したが(p<0.001),enalapril群の低下は-1.9g/m²で有意ではなかった。両群を比較してもindapamide群はenalapril群よりも有意に低下した(-6.5g/m²,90%信頼区間 -11.3--1.7,p=0.013)。ベースライン値で補正後は-4.3g/m²(p=0.049)。
両群は同様に有意に降圧した(p<0.001)が,LVMIの変化とは関連しなかった。
indapamideは追跡期間を通して壁厚を徐々に減少したが,6か月後にみられたenalaprilの効果は12か月は維持しなかった。
脱落はindapamide群70例(27%),enalapril群61例(24%)で,両群間に有意差は認められなかった。
★結論★LVHを有する高血圧例において,indapamideはenalaprilよりも有意にLVMIを低下させた。
文献
  • [main]
  • Gosse P et al on behalf of the LIVE investigators: Regression of left ventricular hypertrophy in hypertensive patients treated with indapamide SR 1.5 mg versus enalapril 20 mg; the LIVE study. J Hypertens. 2000; 18: 1465-75. PubMed

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収載年月2002.04