循環器トライアルデータベース

J-MIND
Japan Multicenter Investigation of Antihypertensive Treatment for Nephropathy in Diabetes Study

目的 高血圧に2型糖尿病を合併している例において,Ca拮抗薬nifedipineの腎症の伸展抑制効果および安全性をACE阻害薬enalaprilと比較。一次エンドポイントは,糖尿病性腎症(マクロアルブミン尿≧300mg/日)の発症および進展。
コメント 2型糖尿病における腎障害と糖尿(病)の進展抑制効果をCa拮抗薬とACE阻害薬で比較したトライアルである。症例数が十分でないことや追跡期間が2年間と短いことが,2種類の薬剤の有用性が同等であるという結論を導いた可能性も否定できない。(桑島
デザイン 無作為割付け,オープンラベル,多施設(日本),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は24か月。
対象患者 436例。75歳未満。2型糖尿病を有する外来患者。血清クレアチニン値≦2.5mg/dLまたはクレアチニンクリアランス≧30mL/分。正常アルブミン尿[24時間尿中アルブミン排泄率(AER)<30mg/日]または微量アルブミン尿(<300mg/日)。試験参加時(降圧薬使用中止)に収縮期血圧(SBP)≧140mmHg,拡張期血圧(DBP)≧90mmHg。1か月以上の食事療法および/または薬物療法により血糖コントロールが良好であるもの(HbA1c≦12%)。
除外基準:血糖コントロール不良例(HbA1c>12%),悪性高血圧,腎動脈狭窄,顕性蛋白尿。
◆平均AER:nifedipine群45mg/日,enalapril群42mg/日。
治療法 nifedipine群(228例):20mg/日またはenalapril群(208例):5mg/日にランダム化。4週後に目標血圧値(<140/90mmHg)または降圧度(20/10mmHg)が達成されない場合は,試験薬を増量(nifedipine最大60mg/日,enalapril最大20mg/日)。それでも降圧しない場合は十分な血圧コントロールが得られるまで,furosemideまたはα遮断薬を順次追加。サイアザイド系利尿薬,β遮断薬,その他の血圧に影響する薬剤の投与は避けた。
試験開始時のAERにより,正常アルブミン尿(<30mg),微量アルブミン尿(30mg以上300mg未満),マクロアルブミン尿(≧300mg)に層別化。
結果 両剤とも降圧に有効であったが,enarapril群で6か月後および12か月後のSBP(各p<0.01,p<0.05),6か月後および24か月後のDBP(各p<0.01,p<0.05)が有意に高かった。脈拍,空腹時血糖値,HbA1cに群間で有意差はなかった。24か月後の平均AERは,nifedipine群で64mg/日,enalapril群で74mg/日まで有意に上昇したが,群間で有意差はなかった。
正常アルブミン尿例では,12~24か月後のAERが両群とも有意に上昇したが,微量アルブミン尿例ではこのような変化はみられなかった。正常アルブミン尿から微量アルブミン尿,微量アルブミン尿から顕性アルブミン尿への進展予防効果,微量アルブミン尿から正常アルブミン尿への改善効果において,両群間に差はなかった。
心血管イベントの発生率は両群で同等であった(nifedipine群2.2% vs enalapril群3.8%,p=0.182)。
★結論★高血圧の顕性蛋白尿を有していない2型糖尿病において,nifedipineとenalaprilの腎症抑制効果は同等である。
文献
  • [main]
  • Baba S for the J-MIND study group: Nifedipine and enalapril equally reduce the progression of nephropathy in hypertensive type 2 diabetics. Diabetes Res Clin Pract. 2001; 54: 191-201. PubMed

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収載年月2002.02