循環器トライアルデータベース

DECREASE
Dutch Echocardiographic Cardiac Risk Evaluation Applying Stress Echocardiography

目的 心血管イベント高リスク患者において,腹部以下の大血管手術周術期のβ遮断薬投与による30日以内の心死亡および非致死性梗塞の抑制効果を検討。
コメント 本試験はその圧倒的な有意差のため,最初の中間解析の段階で安全委員会から中止の勧告が出された。本試験のポイントは,大血管手術前の高リスク患者の心血管イベントの予測にはdobutamin負荷試験が有用であることと,負荷試験陽性の症例には積極的なβ遮断薬投与が必要なことの2点である。β遮断薬の果たす役割については心筋酵素受給バランスの改善,冠動脈プラークの安定化,心室性不整脈の閾値上昇等が報告されているが,本研究では明らかにされなかった。(中野中村永井
デザイン 無作為,多施設。
期間 追跡期間は30日。
対象患者 112例(ドブタミン負荷心エコー図で陽性だったのは173例,うち61例を除外)。高リスク患者の定義:臨床上のリスク因子(>70歳。狭心症,心筋梗塞(MI)既往あるいは心電図上の異常Q波,代償性うっ血性心不全あるいはうっ血性心不全既往,治療中の心室不整脈,治療中の糖尿病,日常の普通の活動に支障をきたす低運動耐容能+ドブタミン負荷心エコー図で陽性のもの。
除外基準:広範壁運動異常(安静時壁運動指数>1.70),喘息,左主幹部病変あるいは重症3枝病変を示唆する負荷強陽性例,β遮断薬投与例。
治療法 標準の周術期治療群(53例),標準治療+β遮断薬 bisoprolol群(59例):bisoprololは術前1週間に経口投与を開始し,術後30日まで継続投与。bisoprololの投与開始量は5mg/日,心拍数が>60拍/分であったら投与開始から約1週間後に最大10mg/日まで増量。心拍数<50拍/日あるいは収縮期血圧<100mmHgの場合は,bisoprololの投与は中止した。
結果 心臓死はbisoprolol群で2例(3.4%),標準治療群9例(17%)であった(p=0.02)。非致死性MIは各0例 vs 9例(p<0.001)。梗塞中8例は術後に,1例は術前に発症。一次エンドポイント(心臓死+非致死性MI)はbisoprolol群で2例(3.4%),標準治療群で18例(34%)であった(p<0.001)。
★結論★主要な血管術施行高リスク例で,bisoprolol投与は周術期の心死亡および非致死性MIを抑制した。
文献
  • [main]
  • Poldermans D et al for the Dutch echocardiographic cardiac risk evaluation applying stress echocardiography study group: The effect of bisoprolol on perioperative mortality and myocardial infarction in high-risk patients undergoing vascular surgery. N Engl J Med. 1999; 341: 1789-94. PubMed
  • [substudy]
  • 患者背景,ドブタミン負荷心エコー図結果,β遮断薬投与の関連:JAMA. 2001; 285: 1865-73. PubMed

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収載年月2001.09