循環器トライアルデータベース

DEBATE II
Doppler Endpoints Balloon Angioplasty Trial Europe II

目的 primaryステントとDoppler血流速度のガイドによるバルーン血管形成術の費用対効果を比較する。有効性のエンドポイントは施行後12か月以内の有害心イベント:全死亡,非致死性心筋梗塞,標的血管の血行再建術。
コメント Doppler血流速度を測定して血管形成を行うことの有用性を検討したもので興味深いが,初めからステントを用いることに対する優越性は証明されなかった。(中村中野永井
デザイン 無作為割付け。
期間 追跡期間は1年。
対象患者 620例。安定・不安定狭心症(Braunwald分類III度を除く)で1枝病変血管形成術施行予定患者。標的病変長<25mm。
除外対象は明らかな冠動脈完全閉塞,入口部あるいは分岐部病変,バイパス歴,蛇行あるいは血栓を有する病変。
治療法 primary ステント群97例:現行のガイドワイヤーを使用。ステント施行前に前拡張を実施。Doppler血流速度のガイドによるバルーン群523例:バルーン施行中に定量的冠動脈造影およびDoppler血流速度による冠血流予備能(CFR)測定を実施。さらにバルーン群は,至適性(CFR>2.5,血管径狭窄度<36%)を検討するため,バルーン後に追加ステント群あるいは治療中止群にランダム化。
結果 バルーン群でbailoutステントが必要になったのは129例(25%),至適な結果を得た例は184例(35%)であった。1年後のイベントの非発生の生存率はステント群86.6%,バルーン群85.6%で両群間に有意差はみられなかった。1年後のコストはEUR 5885 vs EUR 6573でバルーン群で有意に高かった(p=0.014)。バルーン群における2回目の無作為化の結果においても,ステント群の方がバルーンよりも有効であった(イベント非発生の生存率は93.5% vs 84.1%,p=0.066)。
★結論★Doppler血流速度のガイドによるバルーンは1年後においてステントよりもコストがかかるが有効性は認められなかった。ステントの有効性はバルーン後の至適以下の患者に限られるものではない。
文献
  • [main]
  • Serruys PW et al on behalf of the doppler endpoints balloon angioplasty trial Europe (DEBATE) II study group: Randomized comparison of primary stenting and provisional balloon angioplasty guided by flow velocity measurement. Circulation. 2000; 102: 2930-7. PubMed
  • [substudy]
  • 施行後の冠血流速度予備能の低下は周術期の転帰の悪化と関係があるが,遠隔期には有意差はみられない:Circulation. 2002; 105: 1573-8. PubMed
  • ステント植込みはDoppler血流速度のガイドによるバルーンで至適な結果を得た後のCFRを上昇させる:J Am Coll Cardiol. 2002; 39: 1513-7. PubMed

▲pagetop
EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
ご不明の点はお問い合わせください
収載年月2001.04
更新年月2002.06