循環器トライアルデータベース

NASCET
North American Symptomatic Carotid Endarterectomy Trial

目的 頸動脈硬化による脳血管障害症状や,病変部と同側の頸動脈狭窄症状を有する患者において,頸動脈内膜除去術の脳卒中予防効果を検討。
コメント 高度の頸動脈硬化があり,脳血管障害症状を有する場合には,動脈内膜除去術群が脳卒中予防に極めて有用であることを示した。(
デザイン 無作為割り付け,多施設(50施設)。
期間 追跡期間は平均18か月。
対象患者 659例。平均年齢66歳。
治療法 薬物療法群331例と頸動脈内膜除去術施行群328群にランダム化。薬物療法群では通常の内科的治療として抗血小板薬aspirin1300mg/日,副作用を認める例ではより低用量を投与。頸動脈内膜除去術施行群では,通常の内科的治療に内膜除去術を追加。必要に応じて降圧薬,高脂血症用薬,糖尿病用薬を併用。
結果 病変部同側における脳虚血発作の2年間の累積危険率は,薬物療法群で26%,手術施行群で9%と外科治療により危険率は17%低下した(p<0.001)。重症または致死的な同側の虚血発作は,薬物療法群13.1%に対して手術施行群2.5%で絶対危険率の低下(10.6%)を認めた(p<0.001)。全脳血管障害と全死亡でみても,動脈内膜除去術群は薬物療法より予後を改善した。
文献
  • [main]
  • North American symptomatic carotid endarterectomy trial collaborators: Beneficial effect of carotid endarterectomy in symptomatic patients with high-grade carotid stenosis. N Engl J Med. 1991; 325: 445-53. PubMed
  • [substudy]
  • 頸動脈内膜除去術による有効性は75歳以上の男性および最後の虚血イベントから2週間以内にランダム化された例で最も大きく,イベントから施術が遅れるほど有効性は低下した。5年間で1件の同側性脳卒中のNTTは男性9人,女性18人,75歳以上5人,65歳未満18人:Lancet. 2004; 363: 915-24. PubMed
  • 75歳以上の患者では狭窄率50~99%の例で脳梗塞予防効果がより認められた:Lancet. 2001; 357: 1154-60. PubMed
  • 一過性の単眼失明例での脳卒中リスクと半球の一過性脳虚血発作例のリスクを比較:N Engl J Med. 2001; 345: 1084-90. PubMed
  • 無症候性頸動脈狭窄症例の脳卒中発症リスクは比較的低い(60~99%の頸動脈狭窄を有する例では5年で16.2%の脳卒中発症率である):N Engl J Med. 2000; 342: 1693-700. PubMed

▲pagetop
EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
ご不明の点はお問い合わせください
収載年月1999.09
更新年月2004.05