循環器トライアルデータベース

Framingham Offspring Study

目的 心血管のリスク因子を検討する長期community-basedの観察研究である。
デザイン 疫学。
期間 1971年に登録開始。
参加者 1948年に開始されたFramingham Heart Study登録患者の子供およびその配偶者が対象。
調査方法 4年ごとのサイクルで治療歴,身体・生化学検査を実施。
●検査内容,スケジュールは,Framingham Heart Studyのホームページ参照
http://www.nhlbi.nih.gov/about/framingham/index.html
結果

[主な結果]
  1. 中年において高めの血圧は糖尿病発症の危険因子か?(アフリカ系アメリカ人,白人)
    Framingham Offspring Study,ARIC,CARDIAの参加者;35~54歳のアフリカ系アメリカ人および白人10,893人(女性57%,アフリカ系アメリカ人23%)において,血圧と糖尿病発症リスクの関係を解析した結果(pooled analysis):追跡期間8.9年(中央値)で,アフリカ系アメリカ人の14.6%,白人の7.9%が糖尿病を発症。人種・性別内では血圧が高いほど年齢調整後の糖尿病発症率は上昇(アフリカ系アメリカ人の男性:傾向のp<0.05,その他の人種-性別:p<0.001)。アフリカ系アメリカ人の高血圧者では年齢,性別で調整後の糖尿病発症リスクとの有意な関連性(ハザード比[HR]1.95;95%信頼区間1.50~2.54)が,BMI,血糖値,HDL-C,トリグリセライドで調整後に消失したが,白人ではそれらの因子で調整後も前高血圧(1.32;1.09~1.61),高血圧(1.25;1.03~1.53)ともに有意に関連した。正常血圧の白人と比較したアフリカ系アメリカ人の糖尿病発症HRは,正常血圧者2.75,前高血圧者2.28,高血圧者2.36(p<0.001)(Wei GS et al: Blood pressure and the risk of developing diabetes in african americans and whites: ARIC, CARDIA, and the Framingham Heart Study. Diabetes Care. 2011; 34: 873-9.)。 PubMed
  2. 内頸動脈の最大内膜-中膜肥厚,Framinghamリスクスコア予測能を相加的に改善(追跡7.2年)。
    第6回(1995~’98年)検診参加者2,965人(平均58歳,女性55.3%)において,頸動脈内膜-中膜肥厚(IMT)の心血管リスク予測能を評価した結果:平均7.2年の追跡で心血管イベント初発は296例。Framinghamリスク因子に平均総頸IMTを加えたモデルでは,IMTが1SD増加するごとに心血管リスクは有意に上昇(ハザード比1.13;95%信頼区間1.02~1.24, p=0.02),リスク因子のみのモデルに比べC統計量は0.003非有意に増加(0.748→0.751, p=0.07)。内頸動脈の最大IMTの追加でもリスクは有意に増加し(1.21;1.13~1.29, p<0.001),C統計量も0.010有意に増加(→0.758, p=0.003)。net reclassification indexは最大内頸動脈IMTの追加で7.6%(p<0.001)と有意であったが,平均総頸動脈IMTの追加では変化なし(0.0%)。また,内頸動脈最大IMT>1.5mm(プラークあり)の追加でもnet reclassification indexは7.3%(p=0.01),C統計量は0.014増加(→0.762, p=0.02)(Polak JF, et al. Carotid-wall intima-media thickness and cardiovascular events. N Engl J Med. 2011; 365: 213-21.)。 PubMed
  3. 親,兄弟にAF発症者がいる人は,いない人に比べて8年以内のAF発症リスクが40%増大:JAMA. 2010; 304 2263-9. →詳しく
  4. 呼気中一酸化炭素濃度高値はその後4年間のMetS,CVD発症と関連:Circulation. 2010; 122: 1470-7. →詳しく
  5. 心機能の低下は心係数が正常域でも脳の老化を加速する可能性が:Circulation. 2010; 122: 690-7. →詳しく
  6. 加齢に伴う左室形態の変化(心リモデリング):Circulation. 2010; 122: 570-8. →詳しく
  7. 親が65歳未満で脳卒中を発症した子どもの脳卒中リスクはおよそ3倍に増大:Circulation. 2010; 121: 1304-12. →詳しく
  8. 収縮期血圧高値,BMI高値は左心房径拡大と関連-両値の適正レベル維持によるAF予防の可能性が:Circulation. 2010; 121: 667-74. →詳しく
  9. 大動脈スティフネスはCVD初発のリスクと関連:Circulation. 2010; 121: 505-11. →詳しく
  10. 血漿コレステロールエステル転送蛋白活性とCVDリスクは逆相関:Circulation. 2009; 120: 2414-20. →詳しく
  11. non-HDL-C高値,HDL-C低値は心筋梗塞とは独立して心不全リスクと関連:Circulation. 2009; 120: 2345-51. →詳しく
  12. 糖尿病患者と非糖尿病患者の危険因子の経時的変化の違い:Circulation. 2009; 120: 212-20. →詳しく
  13. 血圧高値,脂肪過多,喫煙,糖尿病は左室筋重量のトラッキングの因子:Circulation. 2009; 119: 3085-92. →詳しく
  14. CVD10年リスクの危険因子は30年リスクも予測:Circulation. 2009; 119: 3078-84. →詳しく
  15. 1950~2005年の全死亡,CVD死の傾向:Circulation. 2009; 119: 1728-35. →詳しく
  16. 内頸動脈内膜-中膜肥厚に認知機能障害マーカーの可能性:Stroke. 2009; 40: 1590-6. →詳しく
  17. 脳卒中に性差あり:Stroke. 2009; 40: 1032-7. →詳しく
  18. 心不全発症とレジスチン高値は関連したが,アディポネクチンとの関連は認められず:J Am Coll Cardiol. 2009; 53: 754-62. →詳しく
  19. 50歳時に危険因子を有していない場合のCVDの生涯リスクは低く,生存年数が長い:Circulation. 2006; 113: 791-8. →詳しく
  20. CVDの予測度の高い血圧値は?:Circulation. 2009; 119: 243-50. →詳しく
  21. 血管スティフネスとバイオマーカーとの関連:Circulation. 2009; 119: 37-43. →詳しく
  22. 2型糖尿病,インスリン抵抗性患者においてフォン・ヴィレブランド因子高値とCVDリスクは関連:Circulation. 2008; 118: 2533-9 →詳しく
  23. 1970~’99年の30年間で心筋梗塞初発後の心不全発症は増加したが,死亡率は低下:Circulation. 2008; 118: 2057-62. →詳しく
  24. 親が高血圧で正常血圧の子どもはCRP値が高い:Hypertension. 2008; 52: 381-6. →詳しく
  25. 高BMI,高収縮期血圧,高総コレステロール/HDL-C比,糖尿病の全因子がCAD初発を予測するが,うち糖尿病は脳血管疾患初発を予測せず:Circulation. 2008; 118: 124-30. →詳しく
  26. 禁煙にはネットワーク現象(network phenomena)が関連:N Engl J Med. 2008; 358: 2249-58. →詳しく
  27. プライマリケア医が高リスク患者を見極めるための一般的なリスク評価ツール:Circulation. 2008; 117: 743-53. →詳しく
  28. 心膜脂肪は肥満測定項目やCVD危険因子と相関するが,内臓脂肪のほうが代謝関連の危険因子とより強く関連:Circulation. 2008; 117: 605-13. →詳しく
  29. 高血圧患者ではビタミンD欠乏とCVD発症は関連:Circulation. 2008; 117: 503-11. →詳しく
  30. 正常血圧・非糖尿病例の高血圧発症予測リスクスコア:Ann Intern Med. 2008; 148: 102-10. →詳しく
  31. 女性では耐糖能障害はCAD発症リスク上昇と関連:J Am Coll Cardiol. 2008; 51: 264-70. →詳しく
  32. 耐糖能障害,耐糖能異常と慢性腎臓病の発症リスクに,CVDの危険因子が大きく関与:Diabetes Care. 2005; 28: 2436-40. →詳しく
  33. KCNH2遺伝子の一般的変異はQT間隔の延長の持続と関連:Circulation. 2007; 116: 1128-36. →詳しく
  34. 内臓脂肪と皮下脂肪は炎症,酸化ストレスと関連:Circulation. 2007; 116: 1234-41. →詳しく
  35. プラスミノーゲンアクチベーター抑制因子1よびアルドステロン高値はMetSおよび長期にわたるMetS構成因子の変化と関連:Circulation. 2007; 116: 984-92. →詳しく
  36. apo B/apo A-1比のCAD予測能は従来の脂質比と差はなく,TC/HDL-C比への付加的有用性はない:JAMA. 2007; 298: 776-85. →詳しく
  37. 脂質異常症発症の生涯リスク(30年の観察結果):Am J Med. 2007; 120: 623-30. →詳しく
  38. 内臓脂肪組織は皮下脂肪よりもメタボリックの危険因子と強く関連:Circulation 2007; 116: 39-48. →詳しく
  39. 過体重,肥満は無症候性疾患と関連し,心血管疾患の症状顕在化のリスクが上昇:Circulation. 2007; 116: 375-84. →詳しく
  40. 中年(平均年齢52.9歳)においても,ソフトドリンクを飲む量はMetSおよび危険因子のリスクと関連:Circulation. 2007; 116: 480-8. →詳しく
  41. 肥満は社会的なつながり(social network)の中で広がる:N Engl J Med. 2007; 357: 370-9. →詳しく
  42. ナトリウム利尿ペプチド,アドレノメデュリン,ホモシステインは動脈スティフネスと部分相関し,相関には性差あり:Circulation. 2007; 115: 3079-85. →詳しく
  43. 血清リン値,カルシウム値とCVDリスク:Arch Intern Med. 2007; 167: 879-85 →詳しく
  44. 7年間追跡による2型糖尿病発症リスク予測:Arch Intern Med. 2007; 167: 1068-74. →詳しく
  45. 大動脈スティフネス異常とその関連因子:Circulation. 2007; 115: 2628-36. →詳しく
  46. 両親が85歳以上まで存命した参加者の危険因子:Arch Intern Med. 2007; 167: 438-44. →詳しく
  47. 高血圧発症にCRP,PAI-1,尿アルブミン/クレアチニン比が関連:Hypertension. 2007; 49: 432-8. →詳しく
  48. 左室筋重量:Hypertension. 2007; 49: 439-45 →詳しく
  49. 脈圧と新規AFの関連:JAMA. 2007; 297: 709-15. →詳しく
  50. 非脳卒中例の50年以上にわたる脳卒中の傾向:JAMA. 2006; 296: 2939-46. →詳しく
  51. 10のバイオマーカーのリスク同定能:N Engl J Med. 2006; 355: 2631-9. →詳しく
  52. 両親の心不全は子供の左室機能収縮不全の増加と横断的に関連し,心不全のリスク上昇と縦断的に関連:N Engl J Med. 2006; 355: 138-47. →詳しく
  53. 1970年代,'80年代,'90年代の2型糖尿病発症傾向:Circulation. 2006; 113: 2914-8. →詳しく
  54. n-6系の多価不飽和脂肪酸:Circulation. 2006; 13: 2062-70. →詳しく
  55. 上腕の血流依存性血管拡張反応はN-terminal心房性ナトリウム利尿ペプチドおよびレニンと正の関係,N-ANPと血流速度は負の相関:Circulation. 2006; 113: 938-45. →詳しく
  56. 非糖尿病患者における脳卒中の危険因子として,MetSは糖尿病よりも強く独立した因子:Arch Intern Med. 2006; 166: 106-11. →詳しく
  57. MetSではsmall LDL-C particleの数が多く,その数はMetS構成要素が多いほど増加:Circulation. 2006; 113: 20-9. →詳しく
  58. 中年(平均55歳)の非高血圧,非糖尿病例において,尿アルブミン排泄低値はCVDの予測因子:Circulation. 2005; 112: 969-75. →詳しく
  59. 冠動脈カルシウム:Circulation. 2005; 111: 3236-41 →詳しく
  60. 非糖尿病・高血圧例において,尿中アルブミンの排泄量は血圧(がより高くなる)進展の予測因子:Circulation. 2005; 111: 1370-6. →詳しく
  61. 心不全,MI既往のない例でのQRS時間と左室肥大の関連:J Am Coll Cardiol. 2005; 45: 685-9. →詳しく
  62. 血流依存性血管拡張と炎症マーカー:Circulation. 2004; 110: 3604-9. →詳しく
  63. 1950~'95年の早期(1950~'66年)の糖尿病例のCVD:JAMA. 2004; 292: 2495-9. →詳しく
  64. 無症候性の男性:Circulation. 2004; 110: 1920-5. →詳しく
  65. 1950~'99年の心臓突然死とそれ以外の冠動脈(nonsudden CAD)死の経時的傾向:Circulation. 2004; 110: 522-7. →詳しく
  66. CRPの上昇とインスリン抵抗性MetS因子との相関は女性で顕著:Circulation. 2004; 110: 380-5. →詳しく
  67. 非高血圧例において,アルドステロン濃度の上昇により血圧上昇および高血圧のリスクが増大:N Engl J Med. 2004; 351: 33-41. →詳しく
  68. 両親のいずれかがAFの既往例のAFリスクは4.5例/1000人・年:JAMA. 2004; 291: 2851-5. →詳しく
  69. 運動負荷試験中の心室性期外収縮:Circulation. 2004; 109: 2417-22. →詳しく
  70. 両親の早期(父親<55歳,母親<65歳)CVD発症は平均年齢44歳の男女におけるイベントの独立した予測因子:JAMA. 2004; 291: 2204-11. →詳しく
  71. 男性で怒りや憎しみはAFの発症と関連:Circulation. 2004; 109: 1267-71. →詳しく
  72. 糖尿病の罹患期間が10年長くなるごとにCADリスクは1.38倍,CAD死のリスクは1.86倍:Diabetes Care. 2004; 27: 704-8. →詳しく
  73. 上腕血流依存性血管拡張:Circulation. 2004; 109: 613-9. →詳しく
  74. 炭水化物摂取,インスリン抵抗性とMetS罹患率との関連:Diabetes Care. 2004; 27: 538-46. →詳しく
  75. 心血管疾患の危険因子は腎臓病新規発症と関連:JAMA. 2004; 291: 844-50. →詳しく
  76. 無症候例でナトリウム利尿ペプチドはCVDリスクの予測因子:N Engl J Med. 2004; 350: 655-63. →詳しく
  77. エストロゲン受容体α(ESR1 c. 454-397T>C)の遺伝多型と心疾患リスク:JAMA. 2003; 290: 2263-70. →詳しく
  78. 頸動脈内膜-中膜厚は親(60歳前発症)のCADと関連:Circulation. 2003; 108: 572-6. →詳しく
  79. MetSの罹患状況:Diabetes. 2003; 52: 2160-7. →詳しく
  80. AFにおける脳卒中,死亡の予測リスクスコア:JAMA. 2003; 290: 1049-56. →詳しく
  81. 低アルブミン値とCAD:Circulation. 2002; 106: 2919-24. →詳しく
  82. 糖尿病の定義によるリスク差:Diabetes Care. 2002; 25: 1845-50. →詳しく
  83. 非高血圧例での左室容積,左室筋重量:J Am Coll Cardiol. 2002; 39: 1055-60. →詳しく
  84. アルコール摂取:Circulation. 2001; 104: 1367-73. →詳しく
  85. 高フィブリノーゲン値:Circulation. 2001; 104: 140-4. →詳しく
  86. 男性の総血漿ビリルビン高値:Am J Cardiol. 2001; 87: 1196-200. →詳しく
  87. AFと止血因子の関係:Am J Cardiol. 2001; 87: 168-71. →詳しく
  88. フィブリノーゲンは従来の心血管リスク因子と関連:Circulation. 2000; 102: 1634-8. →詳しく
  89. 血圧と線溶解能の関連:Circulation. 2000; 101: 264-9. →詳しく
  90. 軽度の腎機能障害症例は多く,CVDの高罹患率と相関:Kidney Int. 1999; 56: 2214-9. →詳しく

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EBM 提供:大日本住友製薬 「循環器トライアルデータベース
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収載年月1999.09
更新年月2011.08