循環器トライアルデータベース

CHARM
Candesartan in Heart Failure-Assessment of Reduction in Mortality and Morbidity

目的 CHARM-Overall programme:慢性心不全(CHF)患者において,AII受容体拮抗薬candesartanが死亡率および合併症の発症を抑制するかを検討。
一次エンドポイントは全死亡。
本programmeは次の3つの試験からなる:
1) CHARM-Added:EF≦40%例において,candesartanとACE阻害薬併用による臨床転帰改善効果を検討。一次エンドポイントは心血管死+CHF悪化による入院。
2) CHARM-Alternative:EF≦40%のACE阻害薬不忍容例において,candesartanが臨床転帰を改善するかを検討。一次エンドポイントは心血管死+CHF悪化による入院。
3 )CHARM-Preserved:EF>40%の患者においてcandesartanの有効性を検討。一次エンドポイントは心血管死+CHF悪化による入院。
コメント Lancet. 2003; 362: 759-81. へのコメント
CHARM試験はアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の慢性心不全に対する有用性を検討したユニークな試験研究である。従来,ARBの有用性に対して解決されていない疑問に答える試験デザインで実施されたからである。“ARB単独で有効か”の疑問に対しては,ACE阻害薬の有用性が確立された現在,倫理的にACE阻害薬を除いて治療することが許されなかったため,回答が得られていなかったが,本試験においてはACE阻害薬不耐性の症例を対象にACE阻害薬の代わりにカンデサルタンが投与され,ARB単独投与でもCHFに有効であることが確認されたわけである(CHARM-Alternative)。Val-HeFT試験でACE阻害薬の投与されていないグループでバルサルタンが有効であったとの成績が示されているが,あくまでもサブ解析結果であり,症例数も少なく結論できる成績ではなかった。その意味で本試験の意義は大きい。また,Val-HeFT試験で疑問の残った2事項,すなわち,1)ACE阻害薬とARBの併用でCHFの予後は改善しないのか,2)ACE阻害薬,β遮断薬,ARBの3者併用にてかえって予後を悪化させるのかについて,今回の試験(CHARM-Added)でACE阻害薬とARBの併用でCHFの悪化による入院の減少はもちろんのこと,予後の改善効果も明瞭に示された。また,ACE阻害薬+β遮断薬+ARBの3者併用で予後の改善が認められた(サブ解析)ことはこれまでの疑問に明確な回答を出したものと考えられる。CHARM-Preserved試験は拡張不全によるCHFに対するはじめての大規模試験であり,その結果にも大きな期待が寄せられていたが、予後の改善は認められなかった。CHFの悪化による入院はカンデサルタン投与で減少したが,期待したほど大きいものではなかった。(
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(26か国,618施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は37.7か月(中央値)(2003年3月31日に追跡終了)。
1)追跡期間は41か月(中央値)。登録期間は1999年3月~1999年11月。
2)追跡期間は33.7か月(中央値)。登録期間は1999年3月~2001年3月。
3)追跡期間は36.6か月(中央値)。登録期間1999年3月~2000年7月。
対象患者 7599例。18歳以上。4週間以上の症候性心不全(NYHAII~IV度)。
除外基準:血清クレアチニン値≧3.0mg/dL,血清カリウム値≧5.5mmol/L,両側腎動脈の狭窄,症候性低血圧,重篤な大動脈弁あるいは僧帽弁狭窄症,心筋梗塞(MI),脳卒中,2週間以内のAII受容体拮抗薬投与例など。
1)2548例。6か月以内のEF≦40%かつ一定量のACE阻害薬で30日以上治療中。
2)2028例。EF≦40%かつACE阻害薬不忍容。
3)3023例。EF>40%。
治療法 candesartan群(3803例)とプラセボ群(3796例)にランダム化。
candesartan 4mgあるいは8mg/日で投与を開始し,忍容性のある場合2週間ごとに投与量倍増,目標投与量を32mg/日とした。血圧,血清クレアチニン値,血清カリウム値のモニターを推奨。投与量安定後,4か月ごとに最短2年間通院。
心不全の従来治療薬;β遮断薬,利尿薬,digitalis,spironolactone,さらに適切であればACE阻害薬の投与を許可。
1)candesartan群1276例とプラセボ群1272例にランダム化。
2)1013例,1015例にランダム化。
3)1514例,1509例にランダム化。
■患者背景:平均年齢66歳,平均EF38.8%,ACE阻害薬(candesartan群41.4%,プラセボ群40.9%);β遮断薬(55.3%, 55.3%);利尿薬(82.8%, 82.6%);spironolactone (16.9%, 16.6%);digoxin(42.7%, 43.0%);Ca拮抗薬(20.2%, 20.4%)。
結果 死亡はcandesartan群886例(23%),プラセボ群945例(25%)[調整後ハザード比(HR)0.90(95%信頼区間0.82-0.99), p=0.032];年間死亡率は8.1%, 8.8%。心血管死はcandesartan群で有意に少なく691例(18.2%) vs 769例(20.3%)[HR 0.87(0.78-0.96), p=0.006],CHFによる入院も同様に減少[757例(19.9%) vs 918例(24.2%);HR 0.77;0.70-0.84, p<0.0001]。がんによる死亡に群間差があったため(86例 vs 59例;p=0.038),心血管死を除く死亡例はcandesartan群でわずかに多かった(195例 vs 176例)。非致死的発癌率は同等。
candesartan群でプラセボ群に比較して腎機能,低血圧,高カリウム血症による投与中止が有意に多かった(すべてp<0.0001)。本programmeを構成する3試験に有意な不均一性はなかった。
★考察★candesartanは心血管死と心不全による入院を有意に抑制し,全般的に忍容性も良好であった。EFあるいはベースライン時の治療別でみてもこの効果は変わらなかった。

1) ■患者背景:平均年齢64歳,平均EF 28.0%,β遮断薬(candesartan群55.0%,プラセボ群55.9%);spironolactone(17.4%, 16.9%);利尿薬(90.0%, 90.1%);digoxin (57.6%, 59.2%);Ca拮抗薬(9.6%, 11.3%)。
主に使用されたACE阻害薬はenalapril, lisinopril, captopril, ramiprilであった(全体の74%)。試験終了までにβ遮断薬を投与したのは64% vs 68%。
一次エンドポイントはcandesartan群483例(37.9%),プラセボ群538例(42.3%)[HR 0.85(0.75-0.96), p=0.010]。心血管死302例(23.7%)vs 347例(27.3%)[HR 0.83(0.71-0.97), p=0.021],CHFによる入院は24.2% vs 28.0%[HR 0.83(0.71-0.97), p=0.018]と,いずれもcandesartan群で有意に低下。candesartan投与により,特にACE阻害薬+β遮断薬例および ACE阻害薬を推奨量で投与した例において,一次エンドポイント発生リスクが低下した。
クレアチニン値上昇,高カリウム血症などによる試験薬投与中止は24.2% vs 18.3%とcandesartan群で有意に多かった(p=0.0003)。
★考察★ACE阻害薬+他の薬剤で治療中かつEFが低下しているCHF例において,candesartan追加投与は心血管イベントの臨床上重要な低下につながる。

2)■患者背景:平均年齢(candesartan群66.3歳,プラセボ群66.8歳),平均EF 30%,利尿薬(85.3%, 85.6%);β遮断薬(54.6%, 54.5%);spironolactone(24.7%, 23.0%);digoxin(44.9%, 46.2%);Ca拮抗薬(17.6%, 15.1%)。ACE阻害薬不忍容の主な理由は咳(72%),症候性低血圧(13%),腎不全(12%)であった。
一次エンドポイントはcandesartan群334例(33.0%),プラセボ群406例(40.0%)[HR 0.70(0.60-0.81), p<0.0001]。心血管死21.6% vs 24.8%[HR 0.80(0.66-0.9), p=0.02],CHFによる入院20.4% vs 28.2%[HR 0.61(0.51-0.73), p<0.0001]。試験薬投与中止は30% vs 29%と同等。
★考察★ACE阻害薬に忍容性のないCHF患者へのcandesartan投与は,心血管死および合併症の発症率を抑制し,忍容性も良い。

3) ■患者背景:平均年齢67歳。平均EF54%。ACE阻害薬投与例(candesartan群19.6%,プラセボ群18.6%);β遮断薬(55.9%, 55.5%);利尿薬(75.2%, 74.3%);spironolactone(11.3%, 12.0%);digoxin(28.5%, 27.2%);Ca拮抗薬(30.8%, 31.6%)。
一次エンドポイントはcandesartan群333例(22.0%),プラセボ群366例(24.3%)[HR 0.86(0.74-1.00), p=0.05)]。心血管死は両群間で同等(共に170例:HR 0.95(p=0.635),CHFによる1回以上の入院はcandesartan群で少ない傾向にあった(241例 vs 276例,p=0.072,調整後p=0.047)。
一次エンドポイント+非致死的心筋梗塞+非致死的脳卒中は388例 vs 429例[HR 0.86(0.75-0.9), p=0.037]。
新規糖尿病発症はcandesartan群で40%低下(47例 vs 77例,p=0.005)。低血圧,クレアチニン値上昇,高カリウム血症などにより試験薬を中止したのは270例 vs 204例(p=0.001)。
★考察★EF>40%のCHF例において,candesartanはCHFによる入院を抑制する傾向を示した。
文献
  • [main]
  • Pfeffer MA et al for the CHARM investigators and committees: Effects of candesartan on mortality and morbidity in patients with chronic heart failure; the CHARM-Overall programme. Lancet. 2003; 362: 759-66. PubMed
  • 1) McMurray JJ et al for the CHARM investigators and committees: Effects of candesartan in patients with chronic heart failure and reduced left-ventricular systolic function taking angiotensin-converting-enzyme inhibitors; the CHARM-Added trial. Lancet. 2003; 362: 767-71. PubMed
  • 2) Granger CB et al for the CHARM investigators and committees: Effects of candesartan in patients with chronic heart failure and reduced left-ventricular systolic function intolerant to angiotensin-converting-enzyme inhibitors; the CHARM-Alternative trial. Lancet. 2003; 362: 772-6. PubMed
  • 3) Yusuf S et al for the CHARM investigators and committees: Effects of candesartan in patients with chronic heart failure and preserved left-ventricular ejection fraction; the CHARM-Preserved trial. Lancet. 2003; 362: 777-81. PubMed
  • [substudy]
  • HFpEFの30%がAF既往で,3.4年後の脳卒中発症率は6.1%(1.8%/年)。AF非既往例で,5つの変数による脳卒中リスク予測モデルが有用な可能性。
    心房細動(AF)の有無別に収縮機能の保たれた(EF≧45%)拡張性心不全(HFpEF)患者における脳卒中リスクを,CHARM-Preserved,I-PRESERVEの患者個人データを統合して検証し,AF非発症例における脳卒中リスク予測モデルを作成した。
    AF非既往例は4,676例(70%)で,既往例(2,025例[30%])より若く,冠動脈疾患,高血圧既往が多かった。また収縮期血圧がわずかに高いが血清クレアチニン,NT-pro BNPが低く,さらに抗血小板薬治療(69% vs 39%)が多く,抗凝固療法が少なかった(6% vs 57%)。
    AF既往例:追跡期間中央値3.4年で,脳卒中発症は124例(6.1%);1.80例/100人・年(1.8%/年)。カプラインマイヤー(KM)推定発症率は1年後1.5%,2年後3.5%,3年後5.5%。抗凝固療法例1.51%/年,非抗凝固療法例2.19%/年
    AF非既往例:3.5年で171例(3.7%);1.0%/年。1.0%, 2.0%, 3.0%。
    5つの変数(脳卒中既往,年齢,インスリン治療の糖尿病,BMI,NYHA心機能分類)による脳卒中予測モデル(本報のコホートによるHF-PEFモデルよりも統計量の高かった既報のHF-REFモデルを使用)におけるKM推定脳卒中発症率は,第2三分位群:1年後1.1%,2年後1.6%,3年後2.4%,第3三分位群:1.4%, 3.2%, 4.9%(第3群全体では1.60%人/年)。外部検証コホート(TOPCAT)でのAF非既往例のKM推定率は,第2群:1年後1.3, 1.3, 1.7,第3群:1.5, 1.7, 2.6(1.06%/年);c統計量0.86:Eur Heart J. 2017; 38: 742-50. PubMed
  • HF-pEF,HF-rEF患者の転帰と地域差-心不全による入院はHF-pEFでは北米が多く,東欧・ロシアが少なく,HF-rEFでは西欧が他より少ない傾向。死亡はEFを問わず地域差なし。
    I-PRESERVE/CHARM-Preserved(EF≧45%),CHARM-Added+Alternative/CORONA(EF<40%)を統合して,EFが保持された拡張性心不全(HF-pEF),EFが低下した収縮性心不全(HF-rEF)患者におけるイベントの地域差(北米,西欧,東欧・ロシア,中南米)を検討した結果:心不全による入院はHF-pEFがHF-rEFより多く,HF-pEFでの発生率は北米(I-PRESERVE 7.6/100人・年;CHARM-Preserved 8.8/100人・年),西欧(4.8;4.7/100人・年),東欧・ロシア(3.3;2.8/100人・年)の順で,北米は東欧・ロシアにくらべ有意にリスクが高かった(調整後ハザード比:1.34, p=0.04;1.85, p=0.01)。一方,HF-rEFでは,西欧が他よりわずかに低かった。全死亡または心血管死はHF-rEF,HF-pEFともに地域差はほとんどみられなかった:Circulation. 2015; 131: 43-53. PubMed
  • 若年成人心不全患者の特徴と転帰-心不全の徴候は少ないが,健康関連QOLは悪化,心不全による入院リスクは70歳以上と同等だが,3年死亡率は低い。
    若年成人心不全は臨床上重要であるが,病因,特徴,転帰に関する情報は少ない。5つの年齢グループ(20~39歳[120例],40~49歳[538例],50~59歳[1,527例],60~69歳[2,395例],≧70歳[3,019例])にわけ,高齢患者と比較し若年患者を包括的に評価した結果:最も若いグループは最も高齢のグループよりも,肥満(BMI≧35kg/m²例:23% vs 6%),黒人(18% vs 2%),特発性拡張型心筋症(62% vs 9%)が有意に多く(全p<0.0001),薬物治療のアドヒアランス不良が多く(24% vs 7%, p=0.001),塩分摂取過剰や食事療法の遵守不良も多かった(21% vs 9%, p=0.002)。心筋梗塞既往率は低く,狭心症,高血圧,糖尿病,左心房細動も少ない。EFは若年患者が最も低く,加齢とともに上昇。また収縮性心不全は若年患者に多く,心不全治療薬の投与率はより高いが,利尿薬は低い。
    若年患者は入院中の臨床・放射線診断による心不全の徴候が少なかったにもかかわらず,Minnesota Living with Heart Failureで評価した健康関連QOL(労作時呼吸困難,疲労感の増加など)は悪化。また,3年後の心不全による入院リスクは70歳以上の患者と同等(それぞれ24%, 15%, 15%, 22%, 28%;p<0.0001)。しかし,3年死亡率は最も低かった(それぞれ,12%, 13%, 13%, 19%, 31%)。対照群(60~69歳)とくらべると,多変量調整後も全死亡(ハザード比:0.60;95%信頼区間0.36~1.00, p=0.049),心血管死(0.71;0.42~1.18, p=0.186)は若いグループで低かった。:J Am Coll Cardiol. 2013; 62: 1845-54. PubMed
  • 尿中アルブミン/クレアチニン比の上昇は予後の独立した予測因子
    ベースライン時および追跡時に尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)を測定した北米の2310例(非糖尿病397例):正常UACR;1349例(58%),微量アルブミン尿;704例(30%),蛋白尿;257例(11%)。UACR上昇例は正常例に比べより高齢で,心血管疾患合併率が高く,腎機能が低下し,糖尿病例が多かった。
    ・心血管死,心不全による入院・全死亡のハザード比
    微量アルブミン尿(vs 正常アルブミン尿);1.43*(95%信頼区間1.21~1.69)・1.62*(1.32~1.99),蛋白尿(vs 正常アルブミン尿);1.75*(1.39~2.20)・1.76(1.32~2.35, p=0.0001)。* p<0.0001。
    candesartan群に尿アルブミン尿の進展抑制,予防効果はみられなかった:Lancet. 2009; 374: 543-50. PubMed
  • 血圧が低いと転帰が不良である。candesartanの有効性は血圧の高低にかかわらずみられた。
    収縮期血圧:≦100, 101~110, 111~120, 121~130, 131~140, ≧141mmHg,拡張期血圧:≦60, 61~70, 71~80, ≧81mmHgで検討。有害イベント(特に低血圧)による治療中止はベースライン時の最低血圧例で最も多かったが,ベースライン時に血圧が低かった例におけるcandesartan群のプラセボ群に比べた低血圧,腎機能障害,高カリウム血症による投与中止の相対リスクは上昇しなかった:J Am Coll Cardiol. 2008; 52: 2000-7. PubMed
  • CHARM-Overall:高カリウム血症の発症は全体で267例(3.5%):candesartan群197例(5.2%),プラセボ群70例(1.8%)でcandesartan群のオッズ比は2.9(95%信頼区間2.2~3.9, p<0.0001)。高カリウム血症のリスクは,75歳以上,男性,糖尿病,クレアチニン≧2.0mg/dL,K+≧5.0mmol/L,ACE阻害薬,spironolactoneと関連した。candesartan群の心血管死,心不全による入院抑制効果は,これらリスクと関連するサブグループでも同様にみられた:J Am Coll Cardiol. 2007; 50: 1959-66. PubMed
  • CHARM Programでの結果:BMI(kg/m²)<22.5(889例),22.5~24.9(1277例),25~29.9(3063例),30~34.9(1579例),≧35(791例)。収縮機能に関わらず非浮腫例において,BMIの低下は死亡率の上昇と関連した。BMIと心不全悪化による入院,全入院リスクに関連はなかった:Circulation. 2007; 116: 627-36. PubMed
  • 女性(2400例):EF≦0.40は1188例(50%),>0.40は1212例,男性(5199例):それぞれ3388例(65%),1811例。虚血性心不全例は女性1216例(51%),男性3465例(67%)。
    全死亡率は女性21.5%,男性25.3%(HR 0.77;95%信頼区間0.69~0.86, p<0.001)。心血管死,心不全による入院は30.4% vs 33.3%(0.83;0.76~0.91, p<0.001),突然死(0.70;0.58~0.85, p<0.001),心不全悪化による死亡(0.72;0.58~0.89, p=0.002),心血管疾患による入院(0.88;0.82~0.95, p=0.001);心不全による入院(0.87;0.78~0.97, p=0.012)のいずれも女性の方が少なかった:Circulation. 2007; 115: 3111-20. PubMed
  • red cell distribution width(赤血球分布幅:RDW)は慢性心不全患者の合併症,死亡の重要な予測因子である。
    北米の登録患者(North American CHARM)2679例で,追跡期間中央値34か月心血管死,心不全による入院は952例。RDWが大きい症例の合併症発症率,死亡率は有意に高い(1-SD増加ごとの調整ハザード比[HR]は1.17, p<0.001)。関連度はEFやNYHA心機能分類,腎機能などよりも強い。死亡例(625例)ではRDWと転帰の関連度は低くなったものの,独立した有意な予測因子であることに変わりはない(1-SD増加ごとのHRは1.12, p=0.006)。
    本結果を,Duke Databank for Cardiovascular Diseaseで再現してみたところ,CHARMと同様にRDWは全死亡と強く関連した(1-SD増加ごとのHRは1.29, p<0.001):J Am Coll Cardiol. 2007; 50: 40-7. PubMed
  • CHARM-Preservedの心エコーサブスタディ CHARMES(312例):平均年齢66歳,EF 50%,女性34%。追跡期間中央値18.7か月。ドプラー心エコー,N端末プロ脳ナトリウムペプチド(NT-proBNP)により拡張機能が分類できた293例の67%が拡張不全(diastlic dysfunction:DD)。中等度~重度のDDは44%で,正常および軽度DDに比べ転帰が不良であった(18% vs 5%, p<0.01)。DD,年齢,糖尿病,HF既往,心房細動は単変量解析では転帰の予測因子であるが,多変量解析後も独立した予測因子は中等度DD(ハザード比3.7;95%CI 1.2~11.1),重度DD(5.7;1.4~24.0)のみであった:J Am Coll Cardiol. 2007; 49: 687-94. PubMed
  • ベースライン時の心房細動(AF)合併率はEF低下例で670例(17%),左室機能が保たれている例(preserved left ventricular ejection fraction: PEF)で478例(19%),新規AF発症は392例,うちEF低下例263例,PEF 129例であったが,いずれの例でもAFは心血管リスクの上昇と相関した。candesartanの有効性はベースライン時の心調律にかかわらずみられた:J Am Coll Cardiol. 2006; 47: 1997-2004. PubMed
  • ヘモグロビン値を測定した2653例での検討:貧血はEFにかかわらず共通してみられ,ヘモグロビン低値はEFの増加と関連し死亡率および有害転帰と相関した。candesartanの有効性はヘモグロビン値とは独立したものである:Circulation. 2006; 113: 986-94. PubMed
  • 左室機能が保たれている例,低下している例の両方において,腎機能障害は死亡,心血管死,心不全による入院の増加と独立して関連。candsartanの有効性はベースライン時の推定糸球体ろ過率に影響されなかった:Circulation. 2006; 113: 671-8. PubMed
  • EFの中央値は36%。EFの高い例は高齢で女性が多く,高血圧既往が多く,ベースライン時の拡張期血圧が高かった。EFが低いカテゴリーに入るものの大半はNYHA III度で,高いカテゴリーに入るものはII度であった。EFが高くなるにつれ利尿薬,ACE阻害薬,spironolactone,特にdigitalisの使用が減り,逆にCa拮抗薬の使用が増えた。死亡リスクはEFが45%になるまでEFの増加とともに低下したが,この傾向は心血管死,致死的脳卒中を除く心血管死を構成する突然死,CHF死,致死的心筋梗塞(MI),その他の心血管死および手技関連死にもみられた。非心血管死はEFによる違いはみられなかった。心不全による入院はEFが45%に至るまではEFの上昇につれ有意に低下し,この傾向は致死的・非致死的MIでもみられたが,致死的・非致死的脳卒中にはEFによる有意な違いはみられなかった。全死亡はEFが45%まではEFが10%低下するごとに39%上昇した:Circulation. 2005; 112: 3738-44. PubMed
  • 心血管死+非致死的心筋梗塞をcandesartanは有意に抑制した(ハザード比0.86;95%CI 0.75~0.97, p=0.004),NNTは40:JAMA. 2005; 294: 1794-8. PubMed
  • ベースライン時の非糖尿病例は5436例(candesartan群2715例,プラセボ群2721例)。糖尿病の新規発症はcandesartan群163例(6.0%),プラセボ群202例(7.4%)であった(ハザード比[HR]0.78, p=0.020)。死亡+糖尿病はそれぞれ692例(25.2%),779例(28.6%)でHR 0.86(p=0.004):Circulation. 2005; 112: 48-53. PubMed
  • CHARM-Overall programme:candesartanは突然死(ハザード比0.85, p=0.036),心不全悪化による死亡(0.78, p=0.008)を抑制。この効果は収縮期不全例で顕著であった:Circulation. 2004; 110: 2180-3. PubMed
  • CHARM-Added+HARM-Alternative:EF≦40%のCHFにおいて,標準治療にcandesratanを追加すると,全死亡,心血管死,心不全による入院を有意に抑制した:Circulation. 2004; 110: 2618-26. PubMed
  • CHARM-Overall programme:“last visit carried forward”解析でcandesartan群はプラセボ群より有意にNYHA心機能分類を改善し,“worst rank carried forward”解析でも同群が改善した:Eur Heart J. 2004; 25: 1920-6. PubMed

▲pagetop
EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
ご不明の点はお問い合わせください
収載年月2000.09
更新年月2017.05