循環器トライアルデータベース

QUIET
Quinapril Ischemic Event Trial

目的 左室収縮機能が保持されている冠動脈疾患患者において,ACE阻害薬quinaprilが虚血イベントおよび血管造影上の冠動脈疾患の進展を抑制するかどうかを検証する。

一次エンドポイントは,心イベント(心臓死,心停止からの蘇生,非致死的心筋梗塞[MI],CABG,冠動脈[血管]形成術,狭心症による入院)の初発。
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,多施設(北米,欧州の38施設),intention-to-treat解析。
期間 平均追跡期間は27か月。
対象患者 1,750例。18~75歳,血管形成術またはアテレクトミーに成功し,機械的血行再建術を受けていない冠動脈病変が1枝以上ある患者。
除外基準:LDL-C>165mg/dL,CABG,収縮期血圧<100mmHgまたは>160mmHgかつ/または拡張期血圧>100mmHg,EF<40%,過去7日以内のMI,3か月以内の血管形成術,脂質低下薬・ACE阻害薬・Ca拮抗薬投与例。
■患者背景:平均年齢58歳,白人94%,EF 59%,血圧123/74mmHg,多枝閉塞49%,LDL-C 124mg/dL,HDL-C 37mg/dL,トリグリセライド167mg/dL,男性(quinapril群82%,プラセボ群81%),心拍数(70拍/分,71拍/分),既往(MI:47%, 52%;狭心症:両群とも92%;高血圧48%, 47%;2型糖尿病:14%, 16%),現喫煙(21%, 23%),服薬状況(β遮断薬:27%, 25%;硝酸薬:42%, 41%;aspirin:74%, 71%),クレアチニン(両群とも1.3mg/dL)。
治療法 血管形成術成功後12~72時間以内に下記2群にランダム化。
quinapril群(878例):初日10 mg/日,2日目から20mg/日を投与。
プラセボ群(872例)。
結果 [一次エンドポイント]
虚血イベントの発生率は両群で同等であった(quinapril群338例[38.5%]vs プラセボ群329例[37.7%]:相対リスク1.04;95%信頼区間0.89~1.22, p=0.6)。
追跡期間中の血管形成術の実施には差はなかったが(290例 vs 312例),新規病変の血管形成術はquinapril群のほうが少なかった(79例 vs 114例,p=0.018)。
[二次エンドポイント:主要心イベント,6か月後まで/7~36か月後の心イベント]
主要心イベント(心臓死,心停止からの蘇生,非致死的MI)の発生率にも両群間差は認められなかった(5.5% vs 6.2%:0.87;0.59~1.29, p=0.49)。
6か月後まで(1.06;0.87~1.29)と7~36か月後(0.95;0.78~1.16)の心イベント発生率にも有意な両群間差を認めなかった。
[有害事象]
咳による試験中止例はquinapril群のほうが多かった(3.8% vs 0.2%)。
★結論★quinaprilはアテローム性動脈硬化の進展に有意な影響を及ぼさなかった。
文献
  • [main]
  • Pitt B et al for the QUIET study group: The QUinapril Ischemic Event Trial (QUIET): evaluation of chronic ACE inhibitor therapy in patients with ischemic heart disease and preserved left ventricular function. Am J Cardiol. 2001; 87: 1058-63. PubMed
  • [substudy]
  • 定量的冠動脈造影(QCA)サブスタディ:477例(quinapril群234例,プラセボ群243例)において病変の進展を追跡;病変の進展率はquinapril群47%,プラセボ群49%(p=NS)。最小内腔径指数の変化および新規狭窄発生率も両群間で有意差なし。劇的かつ重要な変化は2か月後の総コレステロール,LDL-C,HDL-Cの上昇: Am J Cardiol. 1999; 83: 43-7. PubMed

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EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
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収載年月1999.09
更新年月2012.04