循環器トライアルデータベース

SAVE
Survival and Ventricular Enlargement Trial

目的 急性心筋梗塞(AMI)後の左室機能不全患者において,発症早期からのACE阻害薬captopril投与が長期予後を改善するか,心機能の悪化を予防するかを検討。
コメント 心不全症状はないが左心機能不全を有するAMI症を対象に,急性期からのACE阻害薬治療が予後を改善することを示した大変重要な臨床試験である。心不全の悪化だけでなく再梗塞も抑制した点で注目された。CONSENSUS II試験ではACE阻害薬が有効ではなかったが,対象の病態,薬剤,投与開始時期,追跡期間が関与した可能性がある。(
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(アメリカとカナダの112施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は平均42か月。
対象患者 2231例。平均年齢59歳。発症後3~16日でEF≦40%の患者。
治療法 captopril群1115例とプラセボ群1116例にランダム化。captopril群は12.5mg/日(試験投与で血圧低下した例では6.25mg/日)より開始し可能な範囲で75mg/日を目標に漸増し,さらに問題がなければ最大150mg/日まで増量した。ACE阻害薬以外の心不全治療薬の併用は可能とした。
結果 captopril群の全死亡は228例(20%)で,プラセボ群の275例(25%)に対し19%のリスク低下を示した(p=0.019)。全死亡のうち84%は心血管死であったが,captopril群は心血管死を21%低下した(p=0.014)。重症心不全の発症(37%),入院を要するうっ血性心不全の発症(22%),AMIの再発(25%)と,非致死性心血管イベントに対しcaptopril群で有意なリスク低減を認めた。これらの効果は,年齢,性別,EF,心筋梗塞既往歴,血栓溶解療法,aspirinやβ遮断薬併用の有無にかかわらず認められた。
文献
  • [main]
  • Pfeffer MA et al on behalf of the SAVE investigators: Effect of captopril on mortality and morbidity in patients with left ventricular dysfunction after myocardial infarction; results of the survival and ventricular enlargement trial. N Engl J Med. 1992; 327: 669-77. PubMed
  • [substudy]
  • 慢性腎疾患はMI後の主要な心血管イベントリスクの上昇と関連した。特に糸球体濾過率が<45mL/分/1.73m2の例で高かった。captopril群ではベースライン時の腎機能にかかわらず心血管イベントが抑制された:Circulation. 2004; 110: 3667-73. PubMed
  • MI後の左室不全患者において,ベースライン時あるいはMI後のlight-to-moderate(1~10杯/週)の飲酒は心不全の進展に有意な関連はみられなかった:J Am Coll Cardiol. 2004; 43: 2015-21. PubMed
  • 梗塞後の左室リモデリングは心室性不整脈を誘発することが定量的心エコー評価で示された:Circulation. 2003; 107: 2577-82. PubMed
  • 糖尿病例においてはMI後の心不全増加は左室リモデリングとは関連しない:Circulation. 2002; 106: 1251-5. PubMed
  • 右室機能は死亡および心不全発症の独立した予測因子である:J Am Coll Cardiol. 2002; 39: 1450-5. PubMed

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EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
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収載年月1999.09
更新年月2005.01