循環器トライアルデータベース

MRC in older adults
Medical Research Council Trial of Treatment of Hypertension in Older Adults

目的 老年者高血圧において,脳卒中,冠動脈疾患および死亡の発症に対する効果を利尿薬とβ遮断薬で比較検討。
コメント 老年者の軽~中等度の高血圧に降圧薬治療が有用であることを示しているが,特に利尿薬は脳卒中のみならず冠動脈疾患予防にも有効であるとしている点がMRCと異なる。β遮断薬では心血管イベント抑制効果は認められなかったというが,最近Messerliがβ遮断薬は老年者に無効であるとした根拠となっている。(桑島
デザイン 無作為,プラセボ対照,単盲検比較,多施設。
期間 追跡期間は平均5.8年。登録期間は1982年3月から’87年3月まで。
対象患者 4396例。65~74歳。平均SBP160~209mmHg,平均DBP<115mmHg。
治療法 β遮断薬atenolol群(50mg/日)とプラセボ群,利尿薬hydrochlorothiazide(25~50mg/日)+amiloride(2.5~5mg/日)群とプラセボ群に無作為化。6か月後に目標SBP(150~160mmHg)に達しない場合,100mg/日に増量投与し,さらに管理が必要な場合は他の試験薬を追加。その後,Ca拮抗薬nifedipineを最大量20mg/日追加投与。
結果 血圧の降下は,利尿薬,β遮断薬とも有効で,プラセボより低下。プラセボ群に比して実薬投与群では,脳卒中の発症率が25%,冠動脈疾患の発症率が19%,心血管イベントの発症率が17%低下した(p=0.04, p=0.08, p=0.03)。利尿薬群では,プラセボ群に比してこれらが有意に減少したが,β遮断薬群では有意な減少がみられなかった。年齢や血圧など基準の特徴の補正後,利尿薬群では脳卒中,冠動脈疾患,全心血管イベントの発症が有意に低下したが(各p=0.04, p=0.0009, p=0.0005),β遮断薬群ではいずれも有意な低下を認めなかった。脳卒中の発症率の低下は主に利尿薬群の非喫煙者にみられた。
文献
  • [main]
  • MRC working party: Medical research council trial of treatment of hypertension in older adults; principal results. BMJ. 1992; 304: 405-12. PubMed

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収載年月1999.09