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 AHA 2009 UP
第82回米国心臓協会学術集会 AHA2009 米国・オーランド 11/14〜18

第82回米国心臓協会学術集会(AHA 2009・11月14~18日)がオーランドで開催されました。
ここではAHA 2009で発表されたLate-Breaking Clinical Trials (LBCTs)の結果を掲載いたします。

掲載トライアル
[LBCTs I]POPular(待機的ステント,clopidogrel, aspirin・POC血小板機能検査)Comment(後藤信哉)/ CHAMPION PCI(PCI例・cangrelor,clopidogrel)/ CHAMPION PLATFORM(PCI例・cangrelor) / PLATO(ST上昇型心筋梗塞・ticagrelor,clopidogrel)
[LBCTs II]Outcomes following primary percutaneous coronary intervention(primary PCI・施設)/ ARBITER 6-HALTS(スタチン投与例・ニコチン酸,ezetimibe)/ TREAT(2型糖尿病,CKD,貧血例・darbepoetin alfa) / FOCUS(股関節骨折修復術例・輸血)
[LBCTs III]CASCADE(CABG例・clopidogrel,aspirin)/ Octopus study(オフポンプCABG,PCI)/ Bypassing the blues trial(CABG後・看護師の電話によるうつ病ケア) / POPE(心臓手術後・diclofenac)
[LBCTs IV]HEAAL(EFが低下したACE阻害薬不忍容の心不全・losartan)/ FAIR-HF(鉄欠乏性貧血を呈する慢性心不全・カルボキシマルトース鉄)/ J-CHF(安定慢性心不全・carvedilol)details/ HMII(進展した心不全・補助人工心臓)

Nov. 18
Late-Breaking Clinical Trials IV


FAIR-HF Ferric Carboxymaltose Assessment in Patients with Iron Deficiency and Chronic Heart Failure with and without AnemiaUP
ClinicalTrials.gov No: 00520780
鉄欠乏状態の症候性慢性心不全患者において,鉄欠乏性貧血治療薬ferric carboxymaltose*の静注は,貧血の有無にかかわらず,24週後の健康状態,身体機能,QOLを有意に改善。
* カルボキシマルトース鉄
無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(11ヵ国)459例。NYHA心機能分類II~III度,EF≦40%(NYHA II度),≦45%(III度),ヘモグロビン値95-135g/L,鉄欠乏(血清フェリチン濃度<100μg/L,またはトランスフェリン飽和度<20%の場合は<300μg/L)。除外基準:コントロール不良の高血圧,炎症(CRP値>20mg/L),重度の肝または腎機能低下患者背景:平均年齢(ferric carboxymaltose[FCM]群68歳,プラセボ群67歳),女性(52%,55%),虚血性(81%,79%),糖尿病(31%,24%),EF(32%,33%),血圧(126/77mmHg,126/76mmHg),NYHA III度(82.6%,81.3%),6分間歩行距離(274m,269m),ヘモグロビン値(ともに119g/L),平均赤血球容積(ともに92μm3),トランスフェリン飽和度(17.7%,16.7%),CRP(7.5mg/L,9.1mg/L),クレアチニン(ともに1.2mg/dL),eGFR(64mL/分/1.73m2,65mL/分/1.73m2)。治療背景:ACE阻害薬/ARB(92%,91%),β遮断薬(86%,83%),利尿薬(92%,90%)FCM群(304例):FCM 200mg週1回投与(補正期)→200mg 4週に1回投与(維持期),プラセボ群(155例):生食を投与追跡期間24週一次エンドポイント(患者評価による24週後のPatient Global Assessment [PGA]スコアおよびNYHA心機能分類)はFCM群でプラセボ群に比べ有意に改善した(PGAスコア:改善のオッズ比[OR]2.51,95%信頼区間1.75-3.61,P<0.0001;NYHA:I度改善のOR 2.40,1.55-3.71,P<0.0001。二次エンドポイントもFCM群で有意に改善した;6分間歩行距離の変化(群間差35m,P<0.001),QOL(European Quality of Life-5 Dimensionsスコア,Kansas City Cardiomyopathy questionnaireスコアともにP<0.001)。サブグループ:貧血の有無(ヘモグロビン値≦120g/L,>120g/L)による一次エンドポイントの差は認められず。安全性エンドポイント(死亡,初回入院,入院または死亡)に有意な両群間差は認められなかったが,心血管疾患による入院はFCM群で低い傾向がみられた(10.4例/100人・年 vs 20.0例/100人・年,P=0.08)。FCM群で発症率が高かった有害事象は心疾患(P=0.01),胃腸障害(P=0.06)で,重篤な過敏症反応は両群ともにみられなかった。→文献情報
presenter: Stefan D Anker, MD, PhD ( Charité Universitatsmedizin, Germany )


HMII HeartMate II Destination Therapy Clinical TrialUP
ClinicalTrials.gov No: 00520780
定常流型補助人工心臓は拍動流型よりも2年後の脳卒中非合併生存率を有意に改善した。
人工心臓比較 (continuous flow: 定常流型 vs pulsatile flow: 拍動流型)
重量(定常流型390g vs拍動流型1250g),容量(63mL vs 450mL),noise(静か vs 可聴),可動部(1ヵ所 vs 複数),最大血液循環量(両デバイスとも10L/分 at 平均圧100mmHg),耐用年(推定>5年 vs 1.5年)
無作為割付け,多施設,intention-to-treat解析200例。EF≦25%,最大酸素摂取量<14mL/kg/分(あるいは年齢・性別予測量の50%),非心臓移植待機例,次のうちいずれかが該当するもの:薬物治療抵抗性(経口心不全治療薬の最大忍容量投与中で,登録前の60日のうち45日以上NYHA IIIb~IV度の症状を有する);14日以上強心薬静注例;7日以上の大動脈内バルーンパンピング(IABP)例。除外基準:不可逆性腎・肺・肝機能不全,感染例患者背景:平均年齢(CF LVAD群62歳,PF LVAD群63歳),女性(19%,8%;P=0.04),体表面積(2.0m2,2.1m2),虚血性(66%,68%),脳卒中既往(16%,17%),EF(17.0%,16.8%),心係数(2.0L/分/m2,2.1 L/分/m2)。治療状況:強心薬(77%,83%),心臓再同期治療(63%,59%),ICD(83%,79%),IABP(22%,23%)。移植禁忌理由:年齢(37%,36%),肥満(14%,8%),肺高血圧(10%,3%),糖尿病(9%,12%),腎機能不全(9%,6%)追跡期間は2年。2005年3月~2007年5月CF LVAD群(134例):定常流型補助人工心臓(心室補助装置)埋込み,PF LVAD群(66例):拍動流型補助人工心臓一次エンドポイント(介護を要する脳卒中[Rankin score>3]非発症の生存率,デバイス再埋込み・置換・修復の非実施)はCF LVAD群62例(46%)vs PF LVAD群7例(11%);ハザード比0.38(P<0.001)。デバイス再実施:10% vs 36%;0.18(P<0.001),死亡率:33% vs 41%;0.59(P=0.048),介護を要する脳卒中:11% vs 12%;0.78(P=0.56)。二次エンドポイント:actuarial 生存率:58% vs 24%,CF LVAD群では出血,不整脈,再入院などの有害イベントが少なく,PF LVAD群よりも運動能,心機能が早く改善,持続した。→文献情報
presenter: Joseph G Rogers, MD ( Duke University Medical Center, US )


HEAAL Heart Failure Endpoint Evaluation with the Angiotensin II Antagonist LosartanUP
ClinicalTrials.gov No: 00090259
EFの低下したACE阻害薬不忍容の心不全患者において,ARB losartan 150mg/日投与は50mg/日に比べ,死亡,心不全による入院を有意に抑制。
ランダム割付け,二重盲検,多施設(30ヵ国255施設)3,834例。18歳以上,心不全(NYHA心機能分類II-IV度),EF≦40%,ACE阻害薬不忍容。除外基準:収縮期血圧<90mmHg;クレアチニン>2.75mg/dL,カリウム値>5.7mmol/Lまたは<3.5mmol/L;12週間以内の心筋梗塞,不安定狭心症,PTCAまたはCABG;12週間以内の脳血管疾患または一過性脳虚血発作患者背景:平均年齢(losartan 150mg群64.4歳,losartan 50mg群64.1歳),男性(69.7%,70.7%),心房細動(27.9%,28.0%),虚血性心疾患(63.6%,64.6%),高血圧(59.8%,59.7%),糖尿病(31.0%,31.6%),NYHA分類(II度:69%,70%;III度:両群とも 30%),EF(両群とも31.6%),血清クレアチニン(1.2mg/dL,1.1mg/dL)。治療背景:ARB(スクリーニング時77.2%,76.2%),β遮断薬(72.3%,71.9%),利尿薬(76.9%,75.6%),アルドステロン拮抗薬(37.9%,38.4%)追跡期間中央値4.7年ランダム化前にlosartan 12.5-25mg/日を2週間投与し,ランダム化後は両群ともに50mg/日より投与開始。losartan 150mg群(1,921例):1週間ごとに100mg/日→150mg/日に増量,losartan 50mg群(1,913例):50mg/日+プラセボ投与中止例(有害イベントによる投与中止例)は150mg群28.3%(7.7%),50mg群27.3%(7.0%)。NYHA:改善(150mg群33.7%,50mg群31%);不変(57.9%,58.5%);悪化(8.3%,10.5%)。 一次エンドポイント(死亡,心不全による入院の複合)は150mg群が50mg群に比べ有意に低下した(828例[11.1例/100人・年]vs 889例[12.4例/100人・年]:ハザード比[HR]0.90;95%信頼区間0.82-0.99,P=0.027)。サブグループ:高血圧例では群間差はみられず,非高血圧例では150mg群の方が低下した(P=0.01)。 二次エンドポイントのうち,150mg群で50mg群に比べ有意に低下したのは,心不全および心血管疾患による入院。有害事象は全般的に少なかったが,高カリウム血症,低血圧,腎障害は150mg群で有意に多かった。→文献情報
presenter: Marvin A. Konstam, MD ( Tufts University School of Medicine, US )


J-CHFJapanese Japanese Chronic Heart FailureUP
日本人心不全患者において,β遮断薬carvedilol 3用量の死亡,入院抑制効果に群間差は認められず。
解析364例の安定慢性心不全患者:平均年齢58歳,女性31%一次エンドポイントは全死亡,心血管疾患あるいは心不全による入院→詳細情報コメント:原田和昌・桑島 巌)
presenter: Masatsugu Hori, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disease, Japan


Nov. 17
Late-Breaking Clinical Trials III


Bypassing the Blues trial Telephone-Delivered Collaborative Care for Treating Post-CABG DepressionUP
CABG後,看護師の電話によるうつ病ケアの有効性が示される。
(目的)CABG施行後は,回復の遅れ,再入院や心血管イベントがmood symptoms(気分症状:うつ病)に影響する。うつ病に対するcollaborative careが健康関連QOL(SF-36 MCS[精神的健康感]),身体機能(SF-36 PCS[身体的健康感],Duke Activity Status Index[DASI]),気分症状(Hamilton Rating Scale of. Depression[HRS-D])を改善し,医療施設の使用(再入院),コストを下げるかを評価する。
無作為割付け302例。PRIME-MD Patient Health Questionnaire-9 (PHQ-9:こころとからだの質問票)≧10のもの患者背景:平均年齢(うつ病群64歳,対照群66歳;P=0.03),男性(59%,63%),白人(91%,81%;P=0.01),高血圧(84%,81%),糖尿病(42%,39%),慢性心不全(20%,21%)うつ病に対するcollaborative care群(150例):看護師が8ヵ月間一定間隔で電話による基本的心理教育を行い,治療選好を評価し,治療の反応を観察し修正の提案も行い,その評価を患者のかかりつけ医に報告する,うつ病に対する通常治療群(152例),対照群(151例):非うつ病通常治療に比べ看護師による電話でのcollaborative careは精神的健康観,身体機能,気分症状を改善した。男性ではSF-36 MCS,HRS-D,SF-36 PCS,DASIのすべてがcollaborative careにより改善した。
このトライアルの文献は Rollman BL et al: Telephone-delivered collaborative care for treating post-CABG depression: a randomized controlled trial. JAMA. 2009; 302: 2095-103. [PubMed
presenter: Bruce L Rollman, MD ( University of Pittsburgh School of Medicine, US )


POPE Post- operative Pericardial EffusionUP
ClinicalTrials.gov No: 00247052
心臓手術後の心タンポナーデ高リスク患者において,NSAID *diclofenacによる心外膜滲出液減少効果は認められず。
* 非ステロイド性抗炎症薬
ランダム割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(5施設),intention-to-treat解析196例。術後8-30日の心臓リハビリデーションセンター入院時の心エコーでグレード≧2の持続性心外膜滲出液が認められた心タンポナーデ高リスク例。除外基準:NSAIDs禁忌(アレルギー,腎不全,進行性胃十二指腸潰瘍など),心臓移植または先天性心奇形の修復患者背景:平均年齢(プラセボ群62.5歳,diclofenac群64.1歳),男性(78%,82%),手術から登録までの期間(ともに15.9日)。手術背景:CABG(57%,60%),大動脈弁置換(32%,35%),僧帽弁(20%,11%),大動脈起始部(8%,10%)。治療背景:経口抗凝固薬(43%,44%),INR(2.77,2.51),aspirin(75%,72%)。心エコーによる平均心外膜滲出液グレード(MPEG)(2.58,2.75),グレード2・3・4(55・29・14例,47・28・23例)diclofenac群(98例):50mg×2回/日投与,プラセボ群(98例)試験期間14日一次エンドポイント(14日後のMPEGの低下)には有意な両群間差は認められなかった(プラセボ群-1.08 vs diclofenac群-1.36,群間差0.28;95%信頼区間-0.63-0.06,P=0.11)。二次エンドポイント(心タンポナーデ非発生生存率,心エコー評価の1グレード以上の低下,echo free space幅の減少)も有意な両群間差はなし。サブグループ:CRP値≧30mg/L例,経口抗凝固薬投与例,per protocol解析においてMPEG低下の有意な群間差は認められなかった。
presenter: Philippe Meurin, MD ( Les Grands Prés, Villeneuve Saint Denis, France )


Octopus Study Long-term cardiac and neurocognitive outcomeUP
OPCAB*はBMS**と比べ安全性は同等,血行再建術のリスクが低下し認知能力が良好である。
* オフポンプCABG ** ベアメタルステント
PROBE(prospective, open, blinded-endpoint),多施設心転帰の検討280例[神経認知機能転帰の検討201例]。PCI適応;安定・不安定冠動脈疾患;収縮期能が保持された,あるいは中程度の低下症例心転帰[神経認知機能]結果の患者背景:平均年齢(PCI群60[59]歳,OPCAB群59[57]歳),男性(70[73]%,72[73]%),既往:脳卒中あるいは一過性脳虚血発作(6[5]%,7[5]%);心筋梗塞 (MI)(25[26]%,23[23]%);PCI(4%,5%),糖尿病(9[9]%,14[13]%),1枝病変(68[71]%,74[73]%),正常収縮機能(91[89]%,79[78]%)。手技背景:ステント本数(1.44,0.03),動脈グラフト本数(0.03,1.1),大動脈操作(100%,15%)追跡期間は7.5年PCI群(138[95]例):BMS植込み,OPCAB群(142[106]例):オフポンプCABG施行心転帰(追跡終了率99%):死亡(PCI群12例[8.7%]vs OPCAB群19例[13.4%]),脳卒中(両群とも1例[0.7%]),MI(11例[8.0%]vs 8例[5.6%]):死亡+脳卒中+MIの複合(24例[17.4%] vs 28例[19.7%])。血行再建術再施行(30例[21.7%]vs 16例[11.3%];P=0.02),うちPCIは26例(18.8%)vs 15例(10.6%)。 神経認知機能転帰(追跡終了率81%):overall mean of individual standardized test scores (verval memory, motor capacity, divided attention, reaction time, decision making, working memory, learning)はOPCAB群の方が有意に良好であった(P<0.01)。
presenter: Jakub Regieli, MD ( Leiden University Medical Center, Netherlands )


CASCADE Clopidogrel After Surgery for Coronary Artery DiseaseUP
ClinicalTrials.gov No: 00228423
CABG施行例において,aspirinにclopidogrelを併用してもグラフト内膜の過形成,開存性に有効性は認められず。
無作為割付け,二重盲検,多施設113例。primary CABG施行例で>2本の伏在静脈グラフトを使用したもの患者背景:平均年齢(clopidogrel+aspirin群64.9歳,aspirin群68.1歳),男性(91.1%,87.7%),糖尿病(25.0%,33.3%),喫煙例(10.7%,15.8%),最近の心筋梗塞(17.9%,19.3%),心肺バイパス時間(91.5分,88.7分),オフポンプCABG(5.4%,1.8%),バイパス本数(3.6本,3.4本),左内胸動脈グラフト(100%,98.2%),ICU滞在日数(1.6日,1.3日),入院期間(9.2日,8.1日),手技後の薬物治療:スタチン系薬剤(91.1%,91.2%);β遮断薬(94.6%,91.2%)clopidogrel 75mg/日+aspirin 162mg/日群(56例),aspirin 162mg/日単独投与群(57例)。両群とも手技日に投与開始1年後のIVUS実施例はclopidogrel+aspirin群46例,aspirin群45例:一次エンドポイント(1年後のIVUSによる静脈グラフト内膜面積):clopidogrel+aspirin群4.1mm2 vs aspirin群4.9mm2で両群間に有意差は認められなかった(P=0.21)。二次エンドポイントである全関連グラフトの開存性も両群間差はなし。主要な有害心血管イベントも両群間に差はみられなかった(4例 vs 5例)。 出血:術後の胸腔ドレナージはclopidogrel+aspirin群の方が多かった(451mL vs 324mL,P=0.02)が,大出血(2例 vs 0例),小出血(両群とも3例)は両群間差はなかった。
presenter: Alexander Kulik, MD ( University of Ottawa Heart Institute, Canada )


Nov. 16
Late-Breaking Clinical Trials II


FOCUS Impact of Transfusion Triggers on Postoperative Myocardial Infarction or DeathUP
高齢の心血管疾患(CVD)を有する股関節骨折修復術例において,輸血トリガー(ヘモグロビン値)はCVDに影響しない。
ランダム割付け,オープン,多施設(米国,カナダの47施設)2,016例。股関節骨折修復術例,術後3日以内のヘモグロビン値(Hgb)<10g/dL,CVD(CAD,うっ血性心不全[CHF],末梢血管疾患[PAD],脳卒中,一過性脳虚血発作[TIA]),またはCVDの危険因子(糖尿病,高血圧,喫煙,高コレステロール血症,慢性腎不全)保有例。除外基準:30日以内の心筋梗塞 (MI),股関節骨折前に介助なしで10フィート(約3m)の歩行が困難,貧血による症状など患者背景:平均年齢(10g/dL群81.8歳,症候性輸血群81.5歳),女性(75.2%,75.8%),CVD(63.3%,62.5%),CAD(両群とも39.9%),CHF(18.3%,16.6%),PAD(11.6%,10.1%),脳卒中,TIA(24.7%,22.2%),糖尿病(25.4%,25.2%)10g/dL群(1,007例):Hgb>10g/dLを維持するよう輸血を実施,症候性輸血群(1,009例):有症状例(胸痛,CHF,起立性低血圧あるいは原因不明の頻脈)のみに輸血。Hgb<8g/dLの場合は輸血可輸血前のHgbは10g/dL群9.2g/dL,症状性輸血群7.9g/dL。輸血率は10g/dL群97%・総輸血単位1,866単位,症状性輸血群41.5%・652単位。

[入院中の心イベント]トロポニン上昇:10g/L群6.2% vs 症候性輸血群5.9%,MI:2.3% vs 3.8%;オッズ比0.60(99%信頼区間0.30-1.19),死亡:2.0% vs 1.4%;1.44(0.58-3.56),MI/死亡/不安定狭心症の複合:4.3% vs 5.2%;0.82(0.48-1.42)
presenter: Jeffrey L Carson, MD ( UMDNJ-Robert Wood Johnson Medical School, US )


Primary PCI in Massachusetts Outcomes Following Primary Percutaneous Coronary Intervention: A Comparison Between Hospitals with and without Cardiac Surgery On-SiteUP
ST上昇型心筋梗塞において,primary PCI施行から30日後,1年後の死亡率にPCI施設と非PCI施設に差はないが,虚血性イベントには差がみられた。
登録研究3018例。2005年1月1日~'07年9月30日にST上昇型心筋梗塞でprimary PCIを施行された米国・マサチューセッツ州(1997年に非PCI施設でのprimay PCI施行のパイロット試験を認可)の住民で1年の追跡を終了したもの。PCI施設(cardiac surgery on-site: SOS)に搬送されなかったものは32.3%患者背景(背景の相違を補正後;No SOS群781例,SOS群1562例):平均年齢(No SOS群62.7歳,SOS群63.0歳),女性(30.57%,29.65%),白人(91.72%,91.14%),糖尿病(19.73%,19.48%),高血圧(58.59%,59.11%),喫煙例(37.76%,35.77%),既往:心筋梗塞 (MI)(15.59%,17.17%);PCI(13.89%,14.17%);CABG(3.65%,4.24%)。発症から<6時間(85.87%,86.27%),CHF(4.39%,5.06%),脳血管疾患(6.70%,6.93%),末梢血管疾患(9.14%,9.30%),腎機能障害(3.17%,3.37%),ショック(5.24%,5.68%)。血管造影・手技背景:3枝病変(24.24%,23.91%),左主幹部病変(3.65%,4.74%),標的病変:左前下行枝(38.61%,37.58%),伏在静脈グラフト(2.44%,2.31%)No SOS群,SOS群死亡率:30日後;No SOS群4.48% vs SOS群5.70%(P=0.22),1年後;8.58% vs 9.41%(P=0.51)。MI:30日後;4.35% vs 2.82%(P=0.05),1年後:6.66% vs 5.06%(P=0.11)。血行再建術:30日後;標的血管(TVR)4.99%[血行再建術再施行(RR)14.85%]vs 6.27%; P=0.21[7.55%; P<0.0001],1年後:9.73%[21.0%]vs 10.88%; P=0.39[14.72%; P<0.0001]。
1年後のハザード比(No SOS群 vs SOS群):死亡0.9(95%信頼区間0.7-1.2,P=0.51),MI 1.4(0.9-2.0,P=0.11),RR 1.6(1.3-2.0,P<0.0001),TVR 0.9(0.7-1.2,P=0.39)。
presenter: Ather Anis, MD ( Boston University Medicine Center, US )


TREAT Trial to Reduce Cardiovascular Events with Aranesp TherapyUP
CKDを合併した2型糖尿病患者で貧血を有する症例において,ダルベポエチンα(darbepoetin alfa)を用いた貧血治療による心血管および腎イベントのリスク低下は認められず。
無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(24ヵ国623施設,intention-to-treat解析)4,038例。2型糖尿病,CKD(eGFR: 20~60mL/1.73m2),貧血(ヘモグロビン値≦11.0g/dL),トランスフェリン飽和度≧15%。除外基準:12週間以内の臨床イベント発生例,ESA(赤血球造血刺激因子)投与例など患者背景:年齢中央値(両群とも68歳),女性(darbepoetin alfa 群58.5%,プラセボ群56.0%),BMI(30.5kg/m2,30.1kg/m2),心血管疾患既往:CAD(43.2%,45.5%);心不全(31.5%,35.2%);心筋梗塞(18.4%,18.3%);脳卒中(11.5%,10.7%);末梢血管疾患(21.2%,20.8%),血圧(136/71mmHg,135/70mmHg),LDL-C(84mg/dL,85mg/dL)darbepoetin alfa群(2,012例):ヘモグロビン値13g/dLを維持するよう投与,プラセボ群(2,026例:ヘモグロビン値<9.0g/dLとなった時のみdarbepoetin alfaを投与し,≧9.0g/dLとなったらプラセボ投与を再開)平均投与量;終了時のヘモグロビン値(中央値):darbepoetin alfa群225μg;12.5g/dL,プラセボ群5μg;10.6g/dL。赤血球輸血は24.5% vs 14.8%:ハザード比(HR)0.56とdarbepoetin alfa群が有意に多かった(P<0.001)。
一次エンドポイント([1]心血管合併症(死亡,心筋梗塞,心筋虚血,うっ血性心不全,脳卒中の複合):darbepoetin alfa群31.4% vs プラセボ群29.7%:HR 1.05;95%信頼区間0.94-1.17(P=0.41)[2]腎合併症(死亡,末期腎疾患の複合):32.4% vs 30.5%:HR 1.06;0.95-1.19(P=0.29)に両群間差はなかった。
本トライアルの文献はPfeffer MA et al: A Trial of Darbepoetin Alfa in Type 2 Diabetes and Chronic Kidney Disease. N Engl J Med. 2009. [PubMed
初期の赤血球造血反応不良は,死亡,心血管イベントのリスク増大と関連:N Engl J Med. 2010; 363: 1146-55. [PubMed
presenter: Marc A Pfeffer, MD ( Brigham and Women's Hospital, US )


ARBITER 6-HALTSUP
ClinicalTrials.gov No: 00397657
スタチン長期投与例の頸動脈内膜-中膜肥厚退縮効果は,ニコチン酸徐放剤 (niacin) 追加投与が小腸コレステロールトランスポーター阻害薬ezetimibe追加投与より大きい。
PROBE208例患者背景:平均年齢65歳,男性80%。スタチン治療:投与量42mg/日,投与期間6±5年,95%がsimvastatin あるいは atorvastatin。TC 147mg/dL,LDL-C 82.1mg/dL,HDL-C 42.4mg/dL,TG 134mg/dL,頸動脈内膜-中膜肥厚(CIMT):平均0.8977mm,最大1.0179mm一次エンドポイント(14ヵ月後のCIMTの変化)→文献情報コメント:寺本民生)
presenter: Allen J Taylor, MD ( Washington Hospital Center, US )


Nov. 15
Late-Breaking Clinical Trials I


POPular Do Point-of-care Platelet Function Assays Predict Clinical Outcomes in clopidogrel pretreated patients undergoing elective PCIUP
ClinicalTrials.gov No: 00352014
clopidogrelを前投与した待機的ステント例における1年後のアテローム血栓性イベント予測能が高いpoint-of-care(POC)血小板機能検査は,アデノシン二リン酸(ADP)刺激による血小板凝集能検査。
心血管イベントの発症と関連する血小板の役割には不明の点が多い。血小板の活性化は採血,抗凝固処理などによっても大きく影響を受けるため,これらのPoint of Care Deviceの意義は基礎科学的には極めて疑問が多い。計測すれば数値は出てくるので,多数例にて多彩な検査を施行すれば,本研究のような研究は遂行可能であるが,われわれのような血小板科学を重視する立場からみれば,ノイズにノイズを重ねた研究としか見えない。クロピドグレルの薬理作用は血小板表面のADP受容体P2Y12の機能阻害である。P2Y12分子が血小板上に何分子あるのか?そのうち,何分子阻害される時に抗血栓性が発揮されるのか?何分子以上阻害されると出血イベントが増加するのか?などの基本的研究の遂行を先行させるべきであり,本研究自体には意味は乏しいと考える。(コメント:後藤信哉)
観察研究1,069例。clopidogrelを前投与した待機的ステント例患者背景:平均年齢64歳,BMI 27.2kg/m2,男性73.9%,糖尿病18.7%,高コレステロール血症80.4%,高血圧77.1%,冠動脈疾患家族歴61.2%,心筋梗塞(MI)既往45.6%,PCI施行歴32.5%,CABG施行歴11.2%,ステント:ベアメタル(BMS)のみ36.3%,薬剤溶出ステント(DES)のみ57.2%,BMS+DES 6.5%,左前下行枝48.1%追跡期間は1年POC血小板機能検査5種(8群)*を用いて治療下での血小板反応性を同時測定測定値と一次エンドポイント(死亡,MI,ステント血栓,脳卒中の複合)との関連性が認められたのは,比濁法(5μmol/L[P=0.0002],20μmol/L[P=0.0003]),VerifyNow®(P=0.0002),およびPlateletworks®(P=0.054)。ずり応力に基づく検査(IMPACT-R™,PFA-100®)では関連は認められず。各POC検査のROC曲線からカットオフ値を決定し,測定値がカットオフ値よりも高い症例(high-on treatment platelet reactivity:HPR)と低い症例(non-HPR)とで1年後の一次エンドポイント非発生の生存率を比較すると,有意差が認められたのは比濁法5μmol/L,20μmol/L,VerifyNow®(いずれもP<0.0001),Plateletworks®(P=0.002)。ずり応力に基づく検査では有意差なし。PFA-100®(ADP/PGE1塩化Ca刺激)では有意差が認められたが(P=0.001),検出力が低かった。安全性の一次エンドポイント(TIMI基準による大出血および小出血)については,いずれの検査法も高リスク症例を特定できなかった。
* 血小板凝集能検査3種:比濁法(ADP刺激:5μmol/L,20μmol/L),VerifyNow® P2Y12 test,Plateletworks®。
ずり応力に基づく血小板機能検査2種:IMPACT-R™(ADP刺激あり,なし),PFA-100®(コラーゲン/ADP刺激,ADP/PGE1/塩化Ca刺激)
presenter: Nicoline J Breet, MD ( St.Antonius Hospital, Netherlands )


CHAMPION PCIUP
ClinicalTrials.gov No: 00305162
PCI施行例における死亡,虚血性イベント抑制において,新規抗血小板薬cangrelor*の手技前〜手技後静注のclopidogrelに対する優越性を示せず。
ランダム化,二重盲検,多施設8,877例一次エンドポイント(PCI後48時間の全死亡,心筋梗塞,虚血による血行再建術再施行)→文献情報コメント:後藤信哉)
presenter: Robert A. Harrington, MD ( Duke Clinical Research Institute, US )

CHANMPION PLATFORMUP
ClinicalTrials.gov No: 00385138
PCI施行例において,周術期の新規抗血小板薬cangrelor*静注の死亡,虚血性イベント抑制効果は認められず。
ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,多施設5,301例一次エンドポイント(PCI後48時間の全死亡,心筋梗塞,虚血による血行再建術再施行)→文献情報コメント:後藤信哉)
presenter: Deepak L. Bhatt, MD ( VA Boston Healthcare System and Brigham and Women's Hospital, US )

* P2Y12に直接拮抗するticagrelorと同クラスの新規抗血小板薬。静注のため,経口プロドラッグのclopidogrelよりも急速かつほぼ完全に血小板凝集を阻害する。半減期が3~6分と短く,可逆性のため投与中止後30〜60分で血小板機能が完全回復する。
CHANPION PCIおよびPLATFORMで十分な有効性が認められなかったため,その特徴を活かして,経口薬が使用できない場合や,半減期の短い薬剤が必要な場合(心臓手術のためclopidogrelの休薬を要する患者における安全な「ブリッジング」など)を適応としての承認を目指す。



PLATO Platelet Inhibition and Patient OutcomesUP
ClinicalTrials.gov No: 00385138
Primary PCIが予定されているST上昇型心筋梗塞患者において,新規抗血小板薬ticagrelor*は1年後の心血管イベントをclopidogrelよりも有意に抑制。
(predefined analysis)
ST上昇型心筋梗塞患者(STEMI)は8,430/18,758例(45%):ticagrelor群4,201例,clopidogrel群4,229例。発症から24時間以内のST上昇型急性冠症候群(ST上昇が持続しprimary PCIが予定されている場合;左脚ブロックの新規発症あるいは新規発症と思われprimary PCIが予定されている場合;最終診断がSTEMIの場合)による入院例患者背景:年齢中央値59歳,女性(ticagrelor群24.1%,clopidogrel群23.5%)発症から試験薬投与までの時間は5.6時間,5.8時間。1年後の結果:一次エンドポイント(心血管死,心筋梗塞,脳卒中の複合)はticagrelor群9.3% vs clopidogrel群11.0%:ハザード比(HR)0.85;95%信頼区間0.74-0.97(P=0.02)。一次エンドポイント1例を予防するためのNNTは59。ステント血栓症はdefinite(1.6% vs 2.5%:HR 0.61[P=0.01]),probableあるいはdefinite(2.5% vs 3.6%:HR 0.69[P=0.01]),possible,probable,definite(3.2% vs 4.4%:HR 0.73[P=0.02])。大出血性合併症に両群間差はみられなかった(9.0% vs 9.3%:HR 0.96;0.83-1.12,P=0.63)。呼吸困難がticagrelor群で増加(12.9% vs 8.3%,P<0.0001)したが,投与中止は0.5% vs 0.1%(P=0.0003)。徐脈:4.6% vs 4.9%。
presenter: PG Steg, MD ( Hôpital Bichat, France )
 
本試験の結果(N Engl J Med. 2009; 361: 1045-57.
 
新規抗血小板薬ticagrelor*の有効性が示される。
無作為割付け,二重盲検,多施設(862施設)非ST上昇型急性冠症候群(ACS)またはPCI施行予定のST上昇型心筋梗塞患者18,624例を対象に,ticagrelor群(9,333例)における心血管イベント抑制効果をclopidogrel群(9,291例)と比較。一次エンドポイント(血管死,心筋梗塞,脳卒中の複合)の1年後までの累積発生率は,ticagrelor群がclopidogrel群に比べ有意に低かった(9.8% vs 11.7%;P<0.001)。安全性の一次エンドポイント(大出血)の1年後までの累積発生率に有意な群間差なし(P=0.43)。
* 非チエノピリジン系のADP受容体P2Y12阻害薬。可逆的阻害薬のため投与を中止すると抗血小板効果が速やかに消失する経口薬文献情報
 


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