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 AHA 2007 UP
第80回米国心臓協会学術集会 AHA2007 米国・オーランド 11/4〜7

第80回米国心臓協会学術集会(AHA)が開催されました。
ここではAHAで発表されたLate-Breaking Clinical Trialsの結果を掲載いたします。

掲載トライアル
AF-CHF(心房細動と心不全の合併例)/ BRIEF-PCI(PCI施行例)/ CORE64(冠動脈疾患が疑われる症例)/ CORONA(高齢虚血性収縮不全)Details/ Couma-Gen(経口抗凝固療法(INR 2〜3)適応)/ COURAGE(心筋灌流SPECT実施例)/ EVA-AMI(ST上昇型心筋梗塞)/ HIJ-CREATE(高血圧を合併した冠動脈疾患)Details/ ILLUMINATE(冠動脈疾患)Details/ MASCOT(心臓再同期療法を受ける心不全患者) / MASTER I(心筋梗塞既往のICD植込み例)/ PCI in the OAT(米国のPCI施行例)/ POISE(非心臓術例)/ PROVIDENCE(間欠性跛行)/RethinQ(QRS間隔の短い症例)/ TRITON TIMI-38(PCI施行予定の急性冠症候群)

Nov. 7
Late-Breaking Clinical Trials IV


POISE Perioperative Ischemic Evaluation TrialUP
非心臓術例において,β遮断薬metoprololにより心筋梗塞を含む心イベントは抑制されたものの死亡リスクが上昇。
無作為割付け,プラセボ対照,盲検,多施設(23ヵ国191施設),intention-to-treat解析8351例。45歳以上,次のうち1つが該当するもの:冠動脈疾患(CAD);末梢動脈疾患(PVD);脳卒中;うっ血性心不全(CHF)による入院;主要な血管術;あるいは7危険因子(高リスク術,CHF,糖尿病,腎機能障害,>70歳,一過性脳虚血発作,緊急手術)のうち3つが該当するもの患者背景:平均年齢69歳,女性(metoprolol群37.1%,プラセボ群36.1%),血圧(138.7/78.3mHg,138.7/78.5mHg),心拍数(77.6拍/分,78.1拍/分)。CAD(43.3%, 42.7%),PVD(41.5%,40.3%),脳卒中(14.9%,15.4%),CHFによる入院(2.7%,2.6%),主要血管術(35.7%,35.6%),3/7因子保有(18.3%,18.8%)。手術前の治療状況:aspirn(36.4%,35.8%),ACE阻害薬/ARB(44.3%,44.7%),スタチン系薬剤(32.0%,32.2%),Ca拮抗薬(21.6%,22.5%)。手術:血管術(42.2%,41.4%),腹腔内術(21.3%,22.2%),整形外科術(20.9%,21.0%),全身麻酔(47.1%,47.5%)metoprolol群(4174例):100mg。施術の2〜4時間前から投与を開始し,術後0〜6時間の血行動態により100mgを術後最初の経口投与とし,12時間後から200mg/日を30日間継続投与,プラセボ群(4177例)一次エンドポイント(30日後の心血管死+非致死的心筋梗塞[MI]+非致死的心停止)はmetoprolol群243例 vs プラセボ群290例とmetoprolol群で17%有意に抑制された(P=0.04)。非致死的MIも同群で有意に30%低下:151例 vs 215例(P=0.0007),うち無症候性が64%。しかし,心血管死は同群で30%増加した(75例 vs 58例,P=0.14)。二次エンドポイントである全死亡,脳卒中も同群でそれぞれ33%(P=0.03),117%増加(P=0.005)。
presenter: P.J. Devereaux, MD ( McMaster University, Canada )


Couma-Gen A Double-Blind, Randomized Trial of Genotype-guided versus Standard Warfarin Dosing in Patients Initiated on Oral Anticoagulation.UP
warfarin投与におけるINRの目標範囲外への逸脱抑制において,遺伝子型による投与開始用量設定投与(PG-guided therapy)は標準的投与を凌げず。
無作為割付け,患者と臨床医/研究者を盲検化(投与量を決定した薬剤師などは非盲検),intention-to-treat解析200例。18歳以上,経口抗凝固療法(プロトロンビン時間国際標準化比:INR 2〜3)の適用。除外基準:妊娠,授乳,出産の可能性,3週間以内のrifampin投与,warfarin標準投与に影響する他疾患の併存(生理的年齢が高い,腎不全/クレアチニン>2.5mg/dL,肝不全,末期の疾患など)患者背景:平均年齢(PG-guided therapy群63.2歳,標準投与群58.9歳:P<0.02),男性(49.5%,56.6%),白人(94.1%,94.9%)追跡期間は3ヵ月PG-guided therapy群(101例: CYP2C9 *2,CYP2C9 *3,VKORC1 C1173Tの遺伝子型,年齢,性別,体重を考慮),標準投与群(99例:1日目と2日目に10mg→その後は5mg/日とし,INRにより調整),INRは0,3,5,8,21,60,90日後に測定。
一次エンドポイントであるINR目標範囲外(<1.8,>3.2)の比率に両群間差なし(PG-guided therapy群30.7% vs 標準投与群33.1%,P=0.47)。
二次エンドポイントであるINR目標範囲(1.8〜3.2)を超えるまでの日数,INR目標範囲の持続期間,5日目および8日目までにINRが目標範囲内へ達した患者の割合,有害事象(INR≧4を含む)発生率,重篤な有害事象の発生率に有意差なし。INR測定回数および用量調整の回数は,PG-guided therapy群は標準投与群にくらべ有意に減少(それぞれP=0.06,P=0.035)。文献情報
presenter: Jeffrey L. Anderson, MD, Ph.D ( University of Utah School of Medicine, US )


HIJ-CREATEMark: Japanese Heart Institute of Japan- Candesartan Randomized Trial for Evaluation in Coronary Artery DiseaseUP
高血圧を合併した日本人冠動脈疾患患者において,ARB candesartanをベースとした治療による有意な心血管リスクの抑制は認められず。
−腎機能障害症例での有効性が示される 。
詳細情報コメント:桑島 巌)文献情報
presenter: Hiroshi Kasanuki, MD ( Tokyo Women's Medical University, Japan )


PROVIDENCE Prospective Evaluation of Rifalazil Effect On Vascular Symptoms of Intermittent Claudication and Other ENdpoints in Chlamydia SEropositive PatientsUP
rifalazilによるChlamydia除菌が末梢動脈性疾患の進展を抑制するとの仮説を検証したが,間欠性跛行の改善はみられなかった。
無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設,intention-to-treat(ITT)・per-protocol解析297例。40〜80歳,Chlamydia感染,末梢動脈性疾患(PAD)による間欠性跛行患者背景:平均年齢(rifalazil群66.6歳,プラセボ群64.1歳),男性(118例,109例),白人(133例,126例),足関節-上腕血圧比(ともに0.63)rifalazil群(145例,ITT解析対象):rifalazil 25mgを1回/週,8週間投与,プラセボ群(138例)。2,3,6,12ヵ月後に全例に運動負荷試験を実施追跡期間12ヵ月。
一次エンドポイント(ITT解析)
6ヵ月後,最大歩行時間(PWT)は,rifalazil群で20%,プラセボ群で16%増加したが,両群間に有意差はみられなかった。
二次エンドポイント
跛行出現までの時間,PWTに関して,いずれの時点(60,90,180,360日後)でも両群間に有意差なし。6ヵ月後のQOLの検討でも(Walking Impairment Questionnaire:rifalazil群29.4→35.7,プラセボ群29.9→39.2,SF 36:47.5→51.5,50.8→51.9),群間に有意差はみられなかった。
presenter: Michael R. Jaff,MD ( Massachusetts General Hopital, USA )


Nov. 6
Late-Breaking Clinical Trials III


AF-CHF The Atrial Fibrillation and Congestive Heart Failure TrialUP
心房細動と心不全の合併例において,リズムコントロールの心血管イベント抑制効果はレートコントロールを上回らない。
無作為割付け,オープンラベル,10ヵ国123施設1,376例。うっ血性心不全(CHF)NYHA心機能分類II〜IV度, EF≦35%,6ヵ月以内にAF発作(6時間以上の持続,あるいは10分以上の持続で電気的除細動の既往)患者背景:平均年齢(リズム群66歳,レート群67歳),男性(78%,85%),冠動脈疾患(ともに48%),持続性心房細動(AF)(67%,70%),NYHA分類III〜IV度(32%,31%),EF(両群とも27%)リズム群(682例):amiodaroneを中心としたIII群抗不整脈薬によるリズムコントロール治療を実施(必要に応じて電気的除細動を追加)。レート群(694例):β遮断薬,digoxin,またはその両方によるレートコントロール治療を実施(必要に応じて洞房結節アブレーション,ペースメーカー治療を追加)。全例に抗凝固療法とCHFに対する至適治療を実施平均追跡期間37ヵ月一次エンドポイント(心血管死亡)は,リズム群(27%)とレート群(25%)で有意差なし(ハザード比1.058;95%信頼区間0.86〜1.30,P=0.594)。サブグループ解析においても有意差は認められなかった。主な二次エンドポイントに関しても,いずれも両群間に有意差はみられなかった(全死亡:31.8% vs 32.9%,脳卒中:2.6% vs 3.6%,CHFの悪化:27.6% vs 30.8%,心血管死亡+CHFの悪化+脳卒中:42.7% vs 45.8%)。文献情報
presenter: Denis Roy,MD ( University of Montreal, Canada )


MASCOT The Management of Atrial fibrillation Suppression in AF-HF COmorbidity TherapyUP
心臓再同期療法を受ける心不全患者において,オーバードライブ心房ペーシングアルゴリズムの追加効果を検討したが,一次エンドポイント(永続性心房細動発生)が少なく評価できず。
1年目の結果
無作為割付け,単盲検,10ヵ国34施設394例。うっ血性心不全(CHF);NYHA心機能分類III〜IV度;QRS幅≧130msecまたはmechanical interventricular delay>50msec)≦35%;左室拡張終期径≧55mm。除外基準:永続性心房細動(AF)患者背景:平均年齢(CRT+AOP*群68歳,対照群68歳),男性(79%,80%),EF(26%,25%),NYHA分類III 度(84%,88%),AF既往(19%,17%)心臓再同期療法(CRT)システムを植込んだ後,*CRT+AOP群(197例)のオーバードライブ心房ペーシング(AOP)アルゴリズムは有効にし,対照群(197例)のAOPアルゴリズムは無効にした。
・一次エンドポイント
永続性AF発生率は想定よりもかなり低く,全体で3.3%(CRT+AOP群7例,対照群6例,有意差なし)。
・二次エンドポイント
新規AF発症率は8%(14例,12例 [AF既往のない324例での検討]),死亡は9.6%(7.6%,11.7%,有意差なし)。EF,左室収縮終期径,QOLは両群ともに1年後に有意な改善が認められたが,いずれも両群間に有意差なし。1年後にNYHA分類が向上した症例の割合(67%,70%)も有意差なし。
presenter: Luigi Padeletti, MD ( University of Florence, Italy )


RethinQ Cardiac-Resynchronization Therapy in Patients with Heart Failure and Narrow QRSUP
QRS間隔の短い患者において心臓再同期療法はPeakVO2を改善しない。
無作為化割付け,二重盲検ICD(植え込み型除細動器)適応のNYHA心機能分類III度,EF≦35%,QRS間隔130msec未満の心不全症例のうち,心エコーにより同期不全が確認された172例において心臓再同期療法(CRT)の有効性を検討。一次エンドポイントは運動負荷試験下における最大酸素摂取量(PeakVO2)の1.0mL/kg/min以上の改善ICD+薬物療法+CRT群(CRT群)と,ICD+薬物療法群(対照群)にランダム化し,6ヵ月間追跡。解析対象はCRT群76例,対照群80例。平均QRS間隔はCRT群107msec,対照群106msec,平均EFは25%,26%で,両群ともにRA系薬剤,β遮断薬,利尿薬が多くの症例で投与されていた6ヵ月後のPeakVO2改善率はCRT群46%(35例),対照群41%(33例)で両群に有意差はなかった。NYHA分類についてはCRT群で有意な改善がみられたが,QOL,6分間歩行距離では両群間に差はみられなかった。QRS間隔120msec以上と未満で,PeakVO2の改善率を比較したサブグループ解析では,QRS間隔120msec以上ではCRT群が対照群に比して有意な改善を示したが(P=0.02),120msec未満では差はみられなかった。
presenter: John F. Beshai ( University of Cicago, USA )


MASTER I The Microvolt T-Wave AlternanS TEsting for Risk Stratification of post MI patientsUP
心筋梗塞既往のあるICD植込み例において,µvoltT波交互脈検査は心室頻拍イベントリスクを反映しなかった。
前向き,多施設(アメリカ50施設)575例。18歳以上,心筋梗塞(MI)既往,EF≦30%,ICD適用(MADIT-II基準)患者背景:平均年齢65歳,男性84%,白人89%,EF 24%,QRS幅≧120msec例 50%全例にµvoltT波交互脈(MTWA)検査後,ICD植込みを実施。MTWAの検査結果に基づき,陰性群(214例)と非陰性群(陽性293例+中間68例)に分け,予後を比較追跡期間は2年以上。
ベースライン時の年齢(陰性群63歳,非陰性群66歳,P=0.006),白人(94%,86%,P=0.004),QRS幅≧120msec(44%,55%,P=0.01),β遮断薬使用(92%,86%,P=0.01)に関し両群間に有意差がみられた。
一次エンドポイントである致死性の心室頻脈性不整脈イベント(LTVTE:不整脈死,適切なICD作動)に両群間に有意な差は認められなかった(陰性群10%,非陰性群13%:ハザード比[HR]1.26;95%信頼区間0.76〜2.09,P=0.37)。
全死亡率は陰性群(6%)に比し,非陰性群(13%)で2倍となったが(2.04;1.10〜3.78,P=0.02),その差は非心臓死(23%,33%)によるものであった。
presenter: Theodore Chow,MD ( The Christ Hospital, USA )


Nov. 5
Late-Breaking Clinical Trials II


CORONA Controlled Rosuvastatin Multinational Trial in Heart FailureUP
高齢の虚血性心不全患者において,至適薬物治療へのHMG-CoA reductase阻害薬rosuvastatin追加投与による死亡抑制効果は認められなかったが,心血管イベントは低下。詳細情報コメント:寺本民生・コメント:堀 正二)
presenter: Åke Hjalmarson, MD, Ph.D ( Sahlgrenska University Hospital, Sweden )


ILLUMINATE Investigation of Lipid Level management to Understand its Impact IN Atherosclerotic EventsUP
冠動脈疾患あるいはそれに相当するリスクを有する患者15,067例において,HDL-Cを上昇させるコレステロールエステル転送蛋白(CETP)阻害薬torcetrapib+atorvastatin併用投与とatorvastatin単独投与の心血管疾患抑制効果を比較するILLUMINATEは,併用群での死亡,心血管リスク上昇のため2006年12月2日,追跡期間550日(中央値)で中止された。最終結果の発表。
torcetrapib+atorvastatin併用群:HDL-C 72.1%↑,LDL-C 24.9%↓,収縮期血圧5.4mmHg↑,カリウムが有意に↓,血清ナトリウム,重炭酸,アルドステロンが有意に↑,死亡のハザード比1.58(P=0.006),主要心血管疾患は1.25(P=0.001)。詳細情報コメント:寺本民生)文献情報
presenter: Philip J. Barter, MD. Ph.D ( Heart Research Institute, Australia )


CORE64Mark: Japanese Coronary Artery Evaluation Using 64-Row Multidetector Computed Tomography AngiographyUP
64列マルチスライスCT*と冠動脈造影を比較した初の前向き,多施設共同試験。冠動脈病変の診断において,64列マルチスライスCTの高い診断能が認められた。
日本を含む7ヵ国9施設291例(868血管)。>40歳,冠動脈疾患の疑いで,心カテーテル検査のため専門病院に紹介,Caスコア<600患者背景:年齢中央値59歳,男性74%,BMI中央値27kg/m2,糖尿病23%全例に64列マルチスライス CT(MDCT)を実施後,定量的冠動脈造影(QCA)を実施。64列MDCTの冠動脈病変診断能について,QCA(≧50%狭窄)をスタンダードとして検討。
QCAで冠動脈病変(≧50%狭窄)と診断された患者は56%。QCAによる診断を基準とし,MDCTによる冠動脈病変の診断能(一次エンドポイント)を患者単位のROC解析により評価した結果,ROC面積0.93,感度0.85,特異度0.90,陽性的中率0.91,陰性的中率0.83となり,MDCTの高い診断能が確認された。血管単位の検討(二次エンドポイント)でも,MDCTの高い診断能が認められた(ROC面積0.91,感度0.76,特異度0.93,陽性的中率0.82,陰性的中率0.89)。患者単位と血管単位の診断能を比較すると,わずかではあるが患者単位のほうが診断能に優れていた(ROC 面積の差0.00014〜0.044[95%CI])。
血行再建予測能(二次エンドポイント)に関しても,MDCTとQCAで有意差はみられなかった(患者単位解析でのROC面積:MDCT 0.84,QCA 0.82,P=0.36)。文献情報
presenter: Julie M. Miller, MD ( Johns Hopkins Hospital, US )
Note

*64列マルチスライスCT について

検出器の多列化・高速化により優れた時間・空間分解能を実現し,さらに心電同期システムの併用で心拍動の影響を低減して,冠動脈狭窄やプラークの評価が可能となった。その他,心機能やバイアビリティーの評価,冠動脈以外の心血管系の描出に応用されている。64列では空間分解能が0.5〜0.625mm にまで向上し,50%狭窄以上の冠動脈病変に対する感度90%以上,特異度95%以上で,陰性的中率は98% 以上と報告されている。課題としては,石灰化病変や中等度冠動脈病変の評価,(頻脈性)心房細動での画像再構築などがあげられる(中野)。



PCI in the OAT PCI in the Occluded Artery TrialUP
米国におけるルーチンPCIの2年間の費用対効果は至適薬物治療に比べて低い。
PCI+至適薬物治療,至適薬物治療の費用対効果およびQOLを検討するEconomics and Quality of Life in OAT Study (EQOL OAT)の米国での結果。
●QOL substudy
Duke Activity Status Index:ベースライン時(PCI+至適薬物治療群36.3,薬物治療群37.3;薬物治療群との差−1.0,P=0.50)→4ヵ月後(36.8,33.3;3.5,P=0.007)→12ヵ月後(37.0,36.0;1.0,P=0.36)→24ヵ月後(37.1,35.4;1.7,P=0.029)。
WHO Rose Angina Questionnaireによる労作性狭心症:ベースライン時(26%,27%;P=0.83)→4ヵ月後(10%,17%;P=0.01)→12ヵ月後(10%,13%;P=0.36),24ヵ月後(7%,12%;P=0.03)。PCI群の身体機能への有意な有効性は4ヵ月後にみられたが,1年以降の追跡ではそのベネフィットは消失した。この他にフルタイム労働,パートタイム労働,心の健康(SF-36,Mental Health Inventory[MHI-5])で評価したが両群間に差はみられなかった。
●Economic substudy
医療コストは入院から0〜30日後(PCI+至適薬物治療群[236例]22,859アメリカドル,薬物治療群[233例]12,683ドル;10,176ドル)→31日〜12ヵ月後(3,413ドル,5,290ドル;−1,877ドル)→12〜24ヵ月後(1,560ドル,2,809ドル;−1,249ドル)。2年間のPCI+至適薬物治療群の純コストは7,050ドル。
presenter: Daniel B. Mark, MD, MPH ( Duke University, US )
 
本試験の結果(N Engl J Med. 2006; 355: 2395-407.
 
急性心筋梗塞発症から3〜28日後に梗塞責任血管が完全閉塞(TIMI grade 0〜1)した安定症例で高リスク(EF<50%,近位閉塞)の2166例において,至適薬物治療にPCIを併用した際の冠動脈イベント抑制効果を検討。閉塞血管に対するPCIによる心血管イベント(死亡/再梗塞/NYHA IV度の心不全)の抑制効果は認められない:PCI+至適薬物治療群17.2%vs 薬物治療群15.6%。文献情報
 


Nov. 4
Late-Breaking Clinical Trials I


TRITON TIMI-38 Trial to Assess Improvement in Therapeutic Outcomes by Optimizing Platelet Inhibition with Prasugrel - Thrombolysis in Myocardial InfarctionUP
PCIを施行する急性冠症候群患者において,抗血小板薬のaspirinとの併用は新規thienopyridine系薬剤であるprasugrelがclopidogrelに比べ有意にイベントを抑制したが,出血リスクが上昇。
無作為割り付け,二重盲検,intention-to-treat解析PCI施行予定の中等度から高リスクの急性冠症候群患者13,608例全例にaspirinを投与。clopidogrel群:負荷用量300mg / 維持用量75mg,prasugrel群:負荷用量60mg / 維持用量10mg治療期間6〜15ヵ月(中央値:12ヵ月)一次エンドポイント(心血管死亡+心筋梗塞+脳卒中)は, prasugrel群(9.9%)でclopidogrel群(12.1%)に比して有意に減少(ハザード比0.81;95%信頼区間0.73〜0.90,P=0.0004)。NNTは46。 一方,大出血はprasugrel群(2.4%)がclopidogrel群(1.8%)に比して有意に多かった(1.32;1.03〜1.68,P=0.03),NNTは167。 層別解析:75歳以上では両群間に差はみられないが,75歳未満ではprasugrel群で有意に,体重別では60kg未満では差はなかったが60kg以上で有意に同群で出血リスクが少なかった。一方,脳卒中/一過性脳虚血発作の既往例では,clopidogrel群で,既往のない例ではprasugrel群で有意に出血リスクが少なかった。文献情報
presenter: Elliott M. Antman, MD ( Brigham and Women's Hospital, Boston, US )


COURAGE Clinical Outcome Utilizing Revascularization & Aggressive Guideline-Driven Drug EvaluationUP
至適薬物治療へのPCI追加により心筋虚血が有意に減少。虚血残存率は死亡,心筋梗塞発症リスクと相関。
心筋灌流SPECTサブ解析
(治療前および割付け6〜18ヵ月 [平均374日] 後に心筋灌流SPECT [心筋虚血の範囲と重症度を定量化] を実施した症例314例での検討:PCI+至適薬物治療群 [PCI群] 159例,至適薬物治療群 [薬物治療群] 155例)

虚血心筋はPCI群で2.7%(8.2→5.5%),薬物治療群では0.5%(8.6%→8.1%)減少した(P<0.0001)。
一次エンドポイントである心筋虚血の減少(≧5%)が認められたのは,PCI群33.3%,薬物治療群19.8%で,PCI群で有意に多かった(P=0.004)。特に中等症〜重症(治療前の虚血心筋≧10%)では,治療ベネフィットが大きかった(78%,52%,P=0.007)。
虚血心筋の減少(≧5%)は死亡,心筋梗塞(MI)発症リスク低下と関連していた(相対リスク0.47,P=0.037)。
虚血心筋残存率が高いほど,死亡,MI発症率も高かった(心筋虚血残存率0%で発症率0%,1〜4.9%で15.6%,5〜9.9%で22.3%,10%≦で39.3%)。
presenter: Leslee J. Shaw ( Emory University School of Medicine )
 
本試験の結果(N Engl J Med. 2007; 356: 1503-16.
 
無作為割付け,50施設安定冠動脈疾患患者2287例(PCI+至適薬物治療群 [PCI群1149例],至適薬物治療群[薬物治療群1138例])を対象に,至適薬物治療にPCIを併用した際の冠動脈イベント抑制効果を検討。一次エンドポイント(全死亡+非致死的心筋梗塞 [MI])はPCI群211例(19.0%),薬物治療群202例(18.5%)で両群同等(P=0.62)。二次エンドポイントである死亡+MI+脳卒中(P=0.62),急性冠動脈疾患による入院(P=0.56)でも両群間に有意差なし。至適薬物治療にPCIを併用しても,死亡,MI,その他の主要な心血管イベントのリスクは低下しなかった。文献情報
 


EVA-AMI Eptifibatide Versus Abciximab in Primary PCI for Acute ST Elevation Myocardial InfarctionUP
ST上昇型心筋梗塞患者において,primary PCIに併用投与する血小板GP II/IIIa受容体拮抗薬eptifibatideによる心筋再灌流はabciximabと同等。
無作為割付け,オープン,多施設(フランス,ドイツ),per-protocol・intention-to-treat解析429例。19歳以上;発症から12時間以内のST上昇型急性心筋梗塞でprimary PCI施行予定でaspirin,clopidogrel,未分画heparinあるいはenoxaparin投与例。除外基準:左脚ブロック,24時間以内の血栓溶解治療,INR>2の経口抗凝固薬投与例など追跡期間は6ヵ月eptifibatide群(226例):ボーラス2回投与+24時間静注,abciximab群(203例):ボーラス投与+12時間静注にランダム化後,primary PCIを施行TIMI III度の開存例はPCI前:eptifibatide群38.0%,abciximab群31.6%,PCI後はそれぞれ82.4%,84.3%。一次エンドポイント(PCIから1時間後のST変化の完全消失[>70%])の解析(per-protocol)例は220例(eptifibatide群111例,abciximab群109例)で,eptifibatide群63.1% vs abciximab群59.6%。部分消失は31.5% vs 25.7%,消失なしは5.4% vs 14.7%(P=0.021)。intention-to-treat解析(425例:eptifibatide群225例,abciximab群200例)では,それぞれ50.2% vs 47.5%,22.2% vs 24.5%,28.0% vs 27.6%(いずれも有意差なし)。入院中のイベント(調整前):死亡(両群それぞれ3.5%);再梗塞(0% vs 1.5%);心不全(6.4% vs 8.5%);標的血管血行再建術(2.7% vs 4.0%),CABG(0.9% vs 0.5%);脳卒中(0% vs 0.5%);大出血(1.8% vs 0%);小出血(4.1% vs 4.5%)で,いずれも両群間に差はみられなかった。
presenter: Uwe Zeymer, MD ( Institut fur Herzinfarktforschung Ludwigshafen, Germany )


BRIEF-PCI Brief Infusion of Eptifibatide Following Successful Percutaneous Coronary InterventionUP
待機的PCI施行後のeptifibatide投与は2時間未満に短縮しても安全である。
無作為割付け,プラセボ対照,二重盲験624例。発症から48時間を超えるST上昇型急性冠症候群(ACS)または安定狭心症。手技前に目視できる血栓を有さず,待機的uncomplicated PCI(ステント)とeptifibatideを併用患者背景:平均年齢(Brief群62歳,標準治療群63歳),男性(80%,84%),糖尿病治療例(12%,15%),安定狭心症(47%,51%),ACS(39%,35%),ST上昇型心筋梗塞(15%,14%)Brief群(312例):eptifibatideを2時間未満静注,標準治療群(312例):18時間静注。clopidogrel前投与例ではeptifibatideの投与を中止しランダム化。clopidogrel非前投与例または十分でない投与例にはclopidogrel 600mgを投与し,2時間後にeptifibatideの投与を中止しランダム化出血により試験を中止したのはBrief群20例,標準治療群19例。一次エンドポイント(手技後24時間以内の筋壊死:トロポニンIの>0.26μg/Lの上昇,あるいはベースライン時トロポニンIが高値の場合,CK-MBが上限値の>3倍)は,Brief群30.1%,標準治療群28.3%で両群間差は1.8% (p<0.012,非劣性解析)。
30日後の二次エンドポイント(死亡+心筋梗塞+標的血管血行再建術)はBrief群4.8%,標準治療群4.5%で両群間差はみられなかった。構成イベントも両群同様であった。
30日後の死亡+心筋梗塞+標的血管血行再建術+入院中の大出血はBrief群で低下:1.0% vs 4.2%(P=0.02)。小出血は両群間差なし:17.6% vs 21.2%。30日後のこの4イベントを合わせた発症率は5.4% vs 8.7%。
presenter: Anthony Fung, MB, BS ( University of British Columbia, Canada )


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