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 ACC 2011  UP
ニューオリンズ

ACC2011がニューオリンズで開催されました。
ここでは,Late-Breaking Clinical Trials(LBCTs)の結果を掲載いたします。

掲載トライアル
[LBCTs I]PARTNER(高リスクの重度症候性大動脈弁狭窄患者/ 経カテーテル的大動脈弁留置術[TAVI])(コメント 星田四朗,後藤信哉),PARTNER(手術不適応の大動脈弁狭窄患者/ 費用対効果)(コメント 星田四朗)
[LBCTs II]PRECOMBAT(非保護左主幹部病変/ CABG,PCI)(コメント 木村 剛),EVEREST II(中等度~重度の僧帽弁閉鎖不全症/低侵襲修復術)(コメント 星田四朗),STICH(左室機能が低下したCABG適応冠動脈疾患/CABG,薬物療法)(コメント 星田四朗),RAPS(CABG/橈骨動脈・伏在静脈グラフト)
[LBCTs III]ISAR-CABG(伏在静脈グラフト狭窄例/ DES,BMS), RIVAL(急性冠症候群/冠動脈造影,PCI)(コメント 星田四朗), RESOLUTE US(血管径2.25-4mmの固有冠動脈新規病変/ zotarolimus溶出ステント)(コメント 木村 剛), PLATINUM(固有血管新規病変/ 新規everolimus溶出性ステント)(コメント 木村 剛), REMEDIAL II(造影剤腎症高リスクの慢性腎臓病/体液管理)(コメント 星田四朗)
[LBCTs IV]MAGELLAN(急性内科疾患による入院患者/rivaroxaban)(コメント 後藤信哉),OSCAR(ARB単剤では血圧コントロール不良の高リスク高齢高血圧患者/ olmesartan)コメント: 桑島 巌),NAGOYA HEART Study(糖尿病,耐糖能異常合併高血圧患者/ valsartan)コメント: 桑島 巌),PROTECTION AMI(primary PCI施行のSTMI/delcasertib)(コメント 星田四朗),EXCELLENT(DES植え込み後/抗血小板薬2剤併用投与)

April 3
Late-Breaking Clinical Trials I

PARTNER 
Placement of Aortic Transcatheter Valves
手術適応と判断された高リスクの重度症候性大動脈弁狭窄患者において,TAVI*の1年後の生存率は心臓外科手術(大動脈弁置換術)と同等であった。
次世代デバイスを使用するPARTNER IIの実施が決まる。

* transcatheter aortic valve implantation(経カテーテル的大動脈弁留置術。発表スライドではtranscatheter aortic valve replacement: TAVR)
背景・目的 PARTNER試験は,TAVIの安全性,有効性を検証するために,(1)手術不適応例,(2)手術リスクが高いにもかかわらず手術適応と判断された高リスク大動脈弁狭窄例の2つの患者群で実施された試験。手術不適応例の結果は,TAVIは標準治療よりも脳卒中および主要血管イベントのリスクが増大したものの,全死亡,全死亡+再入院,心症候を有意に抑制したと2010年に発表された。

症候性の重度大動脈弁狭窄患者のうち,加齢や左室機能障害,合併症のため開胸大動脈弁置換術のリスクが高い患者では大動脈弁置換術(AVR)が行われない。このような高リスク大動脈弁狭窄患者に対する低侵襲性の新治療法としてTAVIがある(本邦では2010年に高度医療として承認された)。

手術リスクが高いにもかかわらず手術適応と判断された高リスク大動脈弁狭窄患者において,TAVIの有効性をAVRと比較する。

[一次エンドポイント]1年後の全死亡。

コメント 高リスク大動脈弁狭窄(AS)症例であってもTAVIとAVRの1年後生存率が同等であったことはTAVIにとって朗報であろう。AVRの利点は,脳血管障害合併症がより少ないこと,術後のARの程度がより軽いこと,主要血管合併症リスクが少ないこと,TAVIが手技的にできない例でも施行可能なこと,があげられる。一方,TAVIの利点は,大出血の頻度が少ないこと,新規心房細動出現が少ないこ と,術後のAVAがより広いこと,AVRよりdrop outが少ないこと,女性やCABG既往例では予後が良い可能性があること,ラーニングカーブがあり術技の進歩が予後 改善につながりうること,があげられる。本研究はTAVI時代の確立につながるが,大規模ランダム化試験・長期予後の成果が期待される(コメント:星田四朗)。

昨今の内科治療の成果は外科的手技による長期予後の改善を困難にしている。重症大動脈弁狭窄症は予後の改善において内科医が外科医に頼らざるを得ない数少ない疾患である。経カテーテル治療法TAVIは長期予後を改善できる手技として注目されている。薬剤の試験は二重盲検にて施行すべきであるが,外科的手術の評価はオープンラベルで行わざるを得ない。TAVIの効果が急性期のみでなく,術後1年まで継続できることを示した本研究のインパクトは大きい。
冠動脈インターベンションは症状を改善できるが予後を改善できない。TAVIは症状,予後ともに改善できるとの意味で画期的治療法であろう(コメント:後藤信哉)。

デザイン ランダム化,多施設(26施設,うち1施設は0例),intention-to-treat解析。
対象 699例。手術リスクが高い*にもかかわらず手術適応と判断された高リスクの症候性**重症大動脈弁狭窄***患者。
除外基準:二尖または非石灰化大動脈弁,弁輪径<18mmあるいは>25mm,血行再建術を要する未治療冠動脈疾患,クレアチニン>3.0mg/dLあるいは透析例,1ヵ月以内の急性心筋梗塞など。
*手術による予測死亡リスク≧15%,Society of Thoracic Surgeons(STS)スコア≧10%(0~100%で高値ほど手術リスクが高い)
**NYHA心機能分類≧II度
***大動脈弁弁口面積(aortic-valve area:AVA)<0.8cm2(あるいはAVA index<0.5cm2/m2),平均大動脈弁圧較差(aortic-valve gradient:AVG)>40mmHg,最高大動脈弁通過血流速度>4.0m/秒

■患者背景:平均年齢(TAVI群83.6歳, AVR群84.5歳 ; P=0.07), 男性(57.8%, 56.7%), STSスコア(11.8, 11.7), NYHA III-IV度(94.3%, 94.0%), 冠動脈疾患(74.9%, 76.9%), 心筋梗塞既往(26.8%, 30.0%), インターベンション既往(72.1%, 71.6%) : CABG既往(42.6%, 44.2%) ; PCI既往(34.0%, 32.5%) ; バルーン大動脈弁形成術(BAV)既往(13.4%, 10.2%), 脳血管疾患(29.3%, 27.4%), 末梢動脈疾患(43.0%, 41.6%), 心房細動(40.8%, 42.7%), 恒久的ペースメーカー(20.0%, 21.9%), 肺高血圧(42.4%, 36.4%), 衰弱(15.6%, 17.6%)。
心エコー背景 : AVA(0.7cm2, 0.6cm2), AVG(42.7mmHg, 43.5mmHg), EF(52.5%, 53.3%)。

期間 追跡期間は1年。
治療 経大腿アプローチ可能例(492例),経心尖アプローチ必要例(207例)を各々両 群にランダム化。
TAVI群(348例) : 経大腿アプローチ群(244例), 経心尖アプローチ群(104例)。
AVR群(351例) : 248例, 103例。
TAVI群 : ウシ心膜弁とバルーン拡張機能を備えたステンレス製フレームを用いたデバイスを使用。手技は,全身麻酔下で経食道エコーガイド下にて実施。標準的バルーン大動脈弁形成術により大動脈弁を拡張後,経大腿アプローチにて病変部に人工弁を留置した。手技中はheparin,手技後6か月間は aspirinとclopidogrelを投与。
N Engl J Med. 2010; 363: 1597-607
ランダム化された治療がうまくいかなかった場合のみクロスオーバー可。
結果 患者拒否などによる治療非実施例は42例:TAVI群4例,AVR群38例。
TAVI群からAVR群への変更は9例(大動脈弁血栓塞栓症が5例)
ランダム化から治療開始までの時間:TAVI群10.6日 vs AVR群15.6日(P<0.001)。
NYHA心機能分類,6分間歩行による症状は30日後はTAVI群のほうが良好,1年後は両群同等であった。

[一次エンドポイント(*二次エンドポイント)]
(1年後の全死亡)TAVI群84例(24.2%)vs AVR群89例(26.8%):ハザード比0.93;95%信頼区間(CI)0.71-1.22(P=0.62)。両群間差は-2.6%(片側95%CI上限3.0%):非劣性P=0.001。
・経大腿アプローチ群(492例) : 22.2% vs 26.4%:0.83 ; 0.60-1.15(P=0.25)。
*両群間差は-4.2%(片側95%CI上限2.3%) : 非劣性P=0.002。
・経心尖アプローチ群(207例) : 29.0% vs 27.9% : 1.22 ; 0.75-1.98(P=0.41)。
・サブグループ : 解釈には注意を要するものの女性, CABG非既往例でTAVI群のほうが有意な有効性がみられた。

[30日後,1年後の転帰,安全性]
・30日後の総死亡率:TAVI群12例(3.4%)vs AVR群22例(6.5%), P=0.07。
心臓死:30日後 ; 3.2% vs 3.0%→1年後 ; 14.3% vs 13.0%, 再入院 : 4.4% vs 3.7%→18.2%, 15.5%, 死亡あるいは再入院 : 7.2% vs 9.7%→34.6% vs 35.9%, 急性腎代替療法 : 2.9% vs 3.0%→5.4% vs 6.5%。
・重大な(modified Rankin Score≧2)脳卒中 : 3.8% vs 2.1%→5.1% vs 2.4%(P=0.07), 主要血管合併症リスク : 11.0% vs 3.2%(P<0.01)→11.3% vs 3.5%(P<0.01)。
・大出血 : 9.3% vs 19.5%(P<0.01)→14.7% vs 25.7%(P<0.01)。
・新規心房細動 : 8.6% vs 16.0%(P<0.01)→12.1% vs 17.1%(P=0.07)。

→文献情報

presenter: Craig R. Smith, MD ( Columbia University, US )
UP
PARTNER
手術不適応の大動脈弁狭窄患者において,TAVIは標準治療に比べて平均余命を有意に延長し,獲得生存年あたりの増分費用効果比は一般的な心血管治療の許容範囲内。

手術不適応例(355例;平均年齢83歳,女性54%)での試験結果(TAVIは標準治療に比べて12ヵ月後の生存率[70% vs 50%]を改善し,再入院[22% vs 44%]を有意に抑制)をうけて,米国の医療制度をもとにTAVIの費用対効果を短期(12ヵ月後),長期(生涯)で検討。
TAVI群の入院費用は$78,540(うち手技関連費用$42,806),12ヵ月の追跡費用はTAVI群のほうが標準治療群よりも$23,372有意に低かったものの,12ヵ月後の総費用はTAVI群のほうが高かった。
12ヵ月後の生存率から推定した長期生存率の解析では,平均余命はTAVI群のほうが1.59年長く,TAVIによる獲得生存年あたりの増分費用効果比は$50,212であった。
心血管以外の費用,デバイスの費用などを除いた感度分析で,結果への影響はわずかであった。

コメント 手術不適応のAS症例に対するTAVI治療は,1年生存を延ばす費用が約50,000ドルであり,費用対効果としては満足できるというのが今回の結果である。医療費のかかり方は米国と日本では異なり,獲得生存年と費用効果比のとらえ方もその治療法の身体への侵襲度などにより変わることが想定されるが,日本では市民権を得ている考えとはいまだ言いがたい。日本の風土にそぐわないかもしれないが,種々の医療費の効率性についての議論を正面切って行う時代が到来しつつある(コメント:星田四朗)。
presenter: Matthew R. Reynolds, M.D. M.Sc ( Harvard Clinical Research Institute, US )
UP

April 4
Late-Breaking Clinical Trials II

PRECOMBAT 
Premier of Randomized Comparison of Bypass Surgery versus Angioplasty Using Sirolimus-Eluting Stent in Patients with Left Main Coronary Artery Disease
非保護左主幹部疾患に対するPCI(sirolimus溶出性ステント)がCABGの代替治療になりうる可能性が示される。

600例・韓国のランダム化比較試験(PCI群300例 vs CABG群300例),一次エンドポイント:1年後の死亡+心筋梗塞+脳卒中+虚血による標的血管血行再建術の複合エンドポイント。→文献情報コメント 木村 剛)

presenter: Seung-Jung Park, MD, PhD ( Asan Medical Center, Korea )
UP
EVEREST II 
Endovascular Valve Edge-to-Edge Repair Study II
中等度~重度の僧帽弁閉鎖不全症患者において,カテーテルベースのMitraClip®*を用いた低侵襲修復術は開胸手術に比べて逆流改善効果は低かったが,手術よりも安全で臨床転帰は同等。

* 大腿静脈から心臓へ挿入し,弁尖をクリップで留める経皮的修復術

背景:僧帽弁閉鎖不全(MR)は55歳以上のおよそ20%でみられる疾患である。アメリカでは毎年25万人がMRの診断を受けるが,標準治療である開胸術による修復術あるいは置換術の実施率は20%に過ぎない。そしてこれらの手術のリスクは大きい。
ランダム化・多施設・intention-to-treat解析。
MitraClip群(184例)vs 手術群(95例)。2年後の解析例161例,83例。
一次エンドポイント:死亡,僧帽弁手術/再手術,3+,4+の僧帽弁閉鎖不全の回避。→文献情報コメント 星田四朗)

presenter: Ted Feldman, MD ( Evanston Northwestern Healthcare, US )
UP
STICH 
Surgical Treatment for Ischemic Heart Failure
左室機能が低下したCABG適応の冠動脈疾患患者において,CABG+薬物治療群と薬物治療群の全死亡リスクは同等。

1,212例:EF≦35%・22ヵ国99施設で行われたランダム化比較試験。追跡期間56ヵ月→文献情報コメント 星田四朗)

presenter: Eric J. Velazquez, MD ( Duke University, US )
心筋バイアビリティーの評価はCABGにより死亡リスクが低下する患者を同定できず。

Viability substudy:SPECT,ドブタミン負荷心エコーで評価した601例→文献情報コメント 星田四朗)

presenter: Robert O. Bonow, MD ( Northwestern University Medical School, US )
UP
RAPS 
Radial Artery Patency Study
3枝病変に対するCABG施行例において,5年後の開存性も橈骨動脈グラフトのほうが伏在静脈グラフトより高い。
背景・目的 1年後にみられた橈骨動脈グラフトの伏在静脈グラフトに対する開存性の高さは5年後も持続するか?
3枝病変に対するCABG施行例において,5年後の開存性を橈骨動脈グラフトと伏在静脈グラフトとで比較する。

[一次エンドポイント]5年後のfunctional グラフト閉塞

デザイン ランダム化,多施設(カナダ。転帰追跡は11施設;冠動脈造影[CAG]追跡は9施設),intention-to-treat解析。
対象 転帰追跡例は529例,CAG追跡は501例:3枝病変へのCABG施行例。

■CAG追跡解析例(269例)患者背景:平均年齢60.4歳(CAG非実施例61.8歳);>70歳(11.9%,18.4%),女性(15.2%,11.5%),緊急(34.6%,35.4%),CCS class:3(51.3%,43.1%);4(26.7%,27.7%),糖尿病(30.9%,25.0%),高血圧(45.0%,53.5%),血管疾患(6.0%,11.5%),クレアチニン(92.1μmol/L,93.6μmol/L)。

結果 [CAG結果]
・一次エンドポイント(5年後のfunctional グラフト閉塞:TIMI 0-2)
橈骨動脈グラフト群12.0%
vs伏在静脈グラフト群18.8%:オッズ比0.64;95%信頼区間0.41-0.98,絶対差6.8%(マクネマー検定P=0.05)。
・二次エンドポイント
5年後のグラフト閉塞(TIMI 0):8.9% vs 17.8%:0.50;0.32-0.80,8.9%(マクネマー検定P=0.004)。
TIMI 3グラフトの>25%狭窄:近位吻合部(9.8% vs 9.8%);グラフトbody(6.7% vs 15.2%:0.42;0.18-0.90,P=0.02);遠位吻合部(6.1% vs 6.7%)。
>25%グラフト狭窄あるいは閉塞:21.9% vs 33.8%:0.58;0.40-0.86,11.9%(マクネマー検定P=0.004)。

[転帰]
有害心イベント:30日以内;59例(10.5%)→31日-1年;9例(1.2%)→1年後以降;79例(14.9%)。
・死亡: 4例(0.7%)→4例(0.7%)→52例(10.0%)。
・心臓死:3例(0.5%)→2例(0.4%)→26例(4.9%)。
・非致死的心筋梗塞:55例(9.8%)→1例(0.2%)→8例(1.5%)。
・再CABG/PCI:0/0例→0/4例(0.7%)→2例(0.4%)/24例(4.5%)。

presenter: Stephen E. Fremes, MD ( Sunnybrook Health Sciences Centre, Canada )
UP


April 4
Late-Breaking Clinical Trials III

ISAR-CABG 
Randomized, Superiority Trial of Drug-Eluting-Stent and Bare Metal Stent in Saphenous Vein Graft Lesions
新規伏在静脈グラフト病変において,1年後の主要有害心イベント抑制効果は薬剤溶出性ステント(DES)がベアメタルステントよりも優る。DES群では再血行再建術がおよそ50%低下。
背景・目的 固有冠動脈病変ではDESはベアメタルステント(BMS)よりも主要有害心イベント(MACE)抑制効果に優れ,標的病変再血行再建術(TLR)も減少することが示されているが,伏在静脈グラフト(SVG)狭窄についてはデータが少ない。そこで,CABG後のSVG狭窄例において,DES(sirolimus溶出性ステント,paclitaxel溶出性ステント,sirolimus溶出生分解性ポリマーステント)のMACE抑制効果をBMSと比較する。

[一次エンドポイント]1年後の死亡+心筋梗塞(MI)+虚血によるTLRの複合エンドポイント。

デザイン ランダム化,多施設(ドイツ)。
対象 610例。虚血症状またはMIがあり,伏在静脈グラフトに≧50%の新規狭窄が認められるもの。
除外基準:心原性ショック,標的病変が動脈グラフトにある症例など。

■患者背景:平均年齢(DES群71.4歳,BMS群71.5歳),女性(13%,16%),高血圧(71%,73%),糖尿病(37%,35%),高脂血症(88%,86%),術後年数(13.8年,13.5年),MI既往(56%,55%),症状:安定狭心症(62%,60%);不安定狭心症(21%,27%);急性MI(17%,13%),多枝病変(98%,99%),多病変PCI(24%,22%),複数の治療SVG/患者(4.0%,3.6%),EF(49.2%,49.5%)。
血管造影所見:標的血管(左前下行枝:32.0%,31.0%,左回旋枝:35.0%,36.0%,右冠動脈/PDA:両群とも33.0%),血管径(3.36mm,3.38mm),総ステント長(26.8mm,27.5mm)。

期間 追跡期間は12ヵ月。
治療 DES群(303例):sirolimus溶出性ステント,paclitaxel溶出性ステント,またはsirolimus溶出生分解性ポリマーステントを使用。
BMS群(307例)。
手技中にclopidogrel 600mg,aspirin 500mgを投与。clopidogrelは退院まで75mg×2回/日,手技後6ヵ月以上75mgを投与。aspirinは無期限に200mg/日を投与。
結果 [手技成績]
PCI後,TIMI grade 3はDES群で75%→93%,BMS群で74%→90%に増加。

[一次エンドポイント]
DES群で有意に抑制された(15.4% vs 22.1%:相対リスク0.65;95%信頼区間0.45-0.96,P=0.03)。

[30日後の転帰,二次エンドポイント]
30日後:全死亡(DES群0.7% vs BMS群1.0%),心臓死(0.3% vs 0.6%)には差がなかったが,MI(2.0% vs 4.6%,P=0.07),MACE(2.6% vs 5.9%,P=0.05)はDES群のほうが少ない傾向が示された。
二次エンドポイント:TLR(7.2% vs 13.1%:0.52;0.30-0.90,P=0.02)はDES群で有意に減少したが,その他のイベントには有意な群間差はなかった。全死亡(5.2% vs 4.7%:1.09;0.52-2.25,P=0.82),MI(4.2% vs 6.0%:0.66;0.32-1.37,P=0.27),死亡+MI(8.5% vs 10.9%:0.75;0.45-1.26,P=0.27),definite/probableステント血栓症(両群ともに0.7%:1.01;0.14-7.18,P=0.99)。

presenter: Julinda Mehilli, MD ( Deustsches Herzzentrum Muenchen, Germany )
UP
RIVAL 
Radial vs Femoral Access for Coronary Intervention
ST上昇型/非ST上昇型急性冠症候群(ACS)患者の血管造影およびPCIにおいて,橈骨動脈アクセスと大腿動脈アクセスはいずれも安全かつ有効。ただし,血管合併症は橈骨動脈アクセスのほうが少なかった。

7,021例(CURRENT-OASIS 7の参加者を含む*)・橈骨動脈アクセス(3,507例) vs 大腿動脈アクセス(3,514例)。
一次エンドポイントは,30日後の死亡+心筋梗塞(MI)+脳卒中+CABG非関連大出血の複合エンドポイント。
施設ごとの橈骨動脈アクセスの実績,ST上昇型心筋梗塞 vs 非ST上昇型ACSのサブグループ解析も実施。
* 本試験は,CURRENT-OASIS 7(PCI施行予定のACS患者において,clopidogrelのローディングドーズおよび初期維持用量の2倍用量 vs 標準用量,aspirin高用量 vs 低用量を比較する2×2 factorial試験)からの登録例と,CURRENT-OASIS 7終了後の追加登録例を含む。→文献情報コメント 星田四朗)

presenter: Sanjit S. Jolly, MD ( McMaster University, Canda )
UP
RESOLUTE US 
血管径2.25~4mmの固有血管の新規病変を有する米国人コホートにおいて,薬剤を180日間放出する新世代のzotarolimus溶出ステントは1年後の再狭窄率も,死亡や心筋梗塞,ステント血栓症などのイベント発生率も低かった。

1,402例を対象に米国の116施設で行われた前向き観察研究。主解析は2.5~3.5mmのステント使用例(1,242例) vs 歴史対照(従来のzotarolimus溶出ステントの臨床試験データ)。
一次エンドポイントは12ヵ月後の標的病変不全(TLF)。→文献情報コメント 木村 剛)

presenter: Martin B Lenon, MD ( Columbia University Medical Center, US )
UP
PLATINUM 
A Prospective, Randomized, Investigation of a Novel Platinum Chromium Everolimus-Eluting Coronary Stent
固有血管新規病変における新規everolimus溶出性ステント(プラチナクロム合金PROMUS Element:PtCr-EES)のコバルトクロム合金XIENCE V/PROMUSステント(CoCr-EES)に対する非劣性が認められた。

1,530例1,694病変・PtCr-EES群762例 vs CoCr-EES群768例→文献情報コメント 木村 剛)

presenter: Gregg W. Stone, MD ( Columbia University Medical Center and the Cardiovascular Research Foundation, US )
UP
REMEDIAL II 
Renal Insufficiency Following Contrast Media Administration II Trial
慢性腎臓病患者の造影剤腎症の予防におけるRenalGuardシステム*を用いた生食+N-アセチルシステイン+furosemideによる体液管理の有用性が示される。

* リアルタイムで尿量を測定しながら排出された尿と同量の輸液を投与することで,血液量を一定に保ち,体液量過剰もしくは不足のリスクを抑える閉ループの輸液システム。

コメント 尿量を高く保った状態で造影剤を用いることにより腎症発現を抑制しうるシステムであるが,NACなしでも効果があるのか,尿量が確保できない症例に対しては高用量のfurosemideを用いてよいのか,試験48時間後のクレアチニンやシスタチンCの効果が臨床的にどの程度意味のあることなのか,などの疑問は残る (コメント:星田四朗)。
造影剤腎症高リスクの慢性腎臓病患者292例を対象に,イタリアの4施設で行われたランダム化比較試験。
RenalGuard群(146例):RenalGuardを用いて生理食塩水+N-アセチルシステイン(NAC)+低用量furosemideのハイドレーションを実施。尿流量が300mL/時に到達してから造影を実施。
対照群(146例):NAC+炭酸水素ナトリウムによる通常のハイドレーションを実施。
一次エンドポイント:造影剤腎症発症率。
RenalGuard群では対照群に比べて造影剤腎症のリスクが有意に低下した(11% vs 20.5%:オッズ比0.47;95%信頼区間0.24-0.92,P=0.025)。
presenter: Carlo Briguori, MD, PhD ( Clinica Mediterranea, Italy )
UP

April 5
Late-Breaking Clinical Trials IV

MAGELLAN 
Rivaroxaban Compared with Enoxaparin for the Prevention of Venous Thromboembolism in Acutely Ill Medical Patients
急性内科疾患による入院患者において,経口直接作用型第Xa因子阻害薬リバーロキサバン(rivaroxaban)*の静脈血栓塞栓症予防効果は低分子量ヘパリン(enoxaparin)**と同等。出血発生率は両群とも低かったが,rivaroxaban群でリスクが増大。

*10日間経口投与,**10日間皮下投与

背景・目的 急性内科疾患は静脈血栓塞栓症のリスクを上昇させるため予防療法が推奨されているが,至適治療期間は不明である。
rivaroxabanは経口直接作用型第Xa因子阻害薬で,整形外科手術後の静脈血栓塞栓症(VTE)予防療法としてすでに多くの国で承認を受けている。
本試験では急性内科疾患患者において,rivaroxaban 経口投与(10日間)をenoxaparin皮下投与(10日間)と比較する。また延長投与(35日間)とenoxaparin10日間後プラセボ投与との比較も行う。

[有効性の一次エンドポイント]超音波検査により検出された無症候性近位部深部静脈血栓症(DVT),症候性DVT,症候性非致死的肺塞栓症,VTE関連死の複合エンドポイント。

[安全性の一次エンドポイント]二重盲検薬最終投与から2日後までの大出血,臨床的に重大な非大出血の複合エンドポイント。

コメント 入院,安静は深部静脈血栓症のリスク因子とされる。整形外科領域における股関節置換術などでは安静に加えて,血管壁の損傷も起こるので血栓リスクは著しく高い。本試験では,内科疾患であれば超音波検査にて丁寧に血栓を探しても低分子へパリン,経口抗Xa薬リバーロキサバン服用いずれにおいても血栓の合併率は極めて低いことが示された。超音波にて探索された深部静脈血栓の1%が症候性肺血栓塞栓症を惹起するとしても,この発症率は低過ぎて,一般的な内科疾患では抗血栓介入は一般的に不要であるという日本の現状を変えることはないであろう (コメント: 後藤信哉)。
デザイン ランダム化,二重盲検,多施設[52ヵ国556施設*(日本32施設を含む*)]。
10日後における有効性の一次エンドポイントの非劣性比較はper protocol解析(非劣性のリスク比マージン1.5),35日後における有効性の一次エンドポイントの優越性比較はmodified intention-to-treat(mITT)解析。 安全性の一次エンドポイントの解析はランダム化全例を対象とした。
*556施設,日本32施設:J Thromb Thrombolysis. 2011 Feb 27. PubMed
対象 8,101例。40歳以上,可動性(モビリティ)の低下をともなう急性内科疾患により入院した患者。

■患者背景:年齢(中央値)71.0歳,男性(rivaroxaban群55.6%,enoxaparin群52.6%),BMI(両群とも28.2kg/m2),クレアチニンクリアランス:<30mL/分(両群とも2%);30~<50 mL/分(両群とも20%);50~<80 mL/分(37%,38%);>80 mL/分(39%,38%),白人(両群とも69%);アジア系(両群とも20%)。病状:急性感染症(46%,45%),心不全(32%,33%),急性呼吸不全(27%,29%),急性脳梗塞(両群とも17%),活動性癌(両群とも7%),急性炎症性/リウマチ性疾患(両群とも4%),複数の病状を有する(30%,31%)。

期間 追跡期間は90日。
治療 rivaroxaban群(4,050例):rivaroxaban 10mg,1日1日,35±4日間経口投与+プラセボ10±4日間皮下投与。
enoxaparin群(4,051例):enoxaparin 40mg,1日1回,10±4日間皮下投与+プラセボ35±4日間経口投与。
結果 [有効性の一次エンドポイント]
・10日後のper protocol解析(5,932例)
rivaroxaban群78例(2.7%)vs enoxaparin群82例(2.7%):相対リスク0.968;95%信頼区間0.713-1.334(非劣性のP=0.0025)
・35日後のmITT解析(6,024例):
31例(4.4%)vs 175例(5.7%):0.771;0.618-0.962(優越性のP=0.0211)。

[安全性の一次エンドポイント]
・10日後:111例(2.8%)vs 49例(1.2%):2.3(P<0.0001)。
大出血:24例(0.6%)vs 11例(0.3%):2.2(P=0.0318)。
致死的大出血:5例(0.1%)vs 1例(<0.1%)
・35日後:164例(4.1%)vs 67例(1.7%):2.5(P<0.0001)。
大出血:43例(1.1%)vs 15例(0.4%):2.9(P=0.0004)。
致死的大出血:7例(0.2%)vs 1例(0.1%)。

35日後の正味の臨床ベネフィット:9.4% vs 7.8%。

[有害事象]
肝機能,心血管イベントに両群間差はみられなかった。

presenter: Alexander Cohen ( Bayer HealthCare AG, Leverkusen, Germany )
UP
OSCAR 
Olmesartan and Calcium Antagonists Randomized Study
ARB単剤では血圧コントロール不良の高リスク高齢高血圧患者において,高用量ARB群とARB+Ca拮抗薬群の心血管イベント/非心血管死予防効果に差はみられなかった。
背景・目的 標準用量のARB単剤で血圧コントロール不良の高齢の日本人高リスク高血圧患者において,高用量のARB単剤療法(olmesartan medxomil 40mg/日)とARB(olmesartan medxomil 20mg/日)+Ca拮抗薬(CCB;amlodipine,azelnidipine)併用療法の心血管イベント予防効果を比較する。

[一次エンドポイント]致死的・非致死的心血管イベント(脳血管疾患,冠動脈疾患,心不全,その他の動脈硬化性疾患,糖尿病性細小血管障害,腎機能不全)+非心血管死の複合エンドポイント。

コメント 高齢者の高リスク症例に対してARBの増量とARBとCa拮抗薬の併用の長期的有用性を比較した試験である。結果は腎障害や糖尿病性細小血管障害などさまざまなエンドポイントを含んだ複合エンドポイントでさえも,どちらの有用性も示すことができなかった。これは,発症症例数が少ないためであろう。そもそも高齢者に対してARBを最初に使用するというプロトコール自体にバイアスがある。高齢者ではARBでは十分な降圧効果が得られないことは本試験での血圧値の差をみても明らかであり,高齢者高血圧ではまず降圧効果が確かなCa拮抗薬から開始するべきである。二次エンドポイントの心血管疾患の既往のある例ではCa拮抗薬を併用してより積極的な降圧が必要であるというのは理解できる結果といえる(コメント: 桑島 巌)。
デザイン PROBE(prospective, randomized, open, blinded-endpoint),多施設(日本の134施設),intention-to-treat解析。
対象 1,164例。65-84歳,run-in期間中のolmesartan 20mg/日単剤投与下で収縮期血圧(SBP)≧140mmHgかつ/または拡張期血圧(DBP)≧90mmHg,心血管危険因子(脳血管障害,心疾患,血管障害,腎機能障害,2型糖尿病)のうち1つ以上を保有する外来患者。

■患者背景:平均年齢73.6歳,男性(高用量ARB群43.9%,ARB+CCB群44.5%),BMI(24.3kg/m2,23.8kg/m2),血圧(158.2/85.2mmHg,157.2/84.6mmHg),心拍数(73.9拍/分,72.9拍/分),推算糸球体濾過量(eGFR;66.5,67.9mL/分/1.73m2),現喫煙(10.8%,9.0%),現飲酒(31.0%,33.0%),既往:心血管疾患(70.1%,69.5%);脳卒中(19.2%,16.4%);心筋梗塞(2.8%,3.6%);心不全(7.1%,8.2%),2型糖尿病(53.5%,54.4%)。

期間 追跡期間は3年。
登録期間は2005年6月~2007年5月。
治療 高用量ARB群(578例):olmesartan 40mg/日。
ARB+CCB群(586例):olmesartan 20mg/日+azelnidipineまたはamlodipine。
結果 [降圧]
血圧はARB+CCB群(133.4/73.1mmHg)で高用量ARB群(136/74.6mmHg)に比べて有意に大きく低下した(平均血圧差:SBP -2.4mmHg[P=0.0315],DBP -1.7mmHg[P=0.0240])。

[一次エンドポイント]
高用量ARB群とARB+CCB群に有意な群間差なし(58 vs 48イベント:ハザード比1.31;95%信頼区間0.89-1.92,P=0.1717)。 致死的・非致死的心血管イベント(49 vs 37イベント:1.44;0.94-2.21,P=0.0910),非心血管死(9 vs 11イベント:0.85;0.35-2.06,P=0.7203)も両群で同等であった。

[二次エンドポイント]下記いずれの項目についても有意な群間差を認めず。
(脳血管疾患)24 vs 15イベント:1.75;0.92-3.35,P=0.0848。 (冠動脈疾患)6 vs 7イベント:0.92;0.31-2.75,P=0.8842。 (心不全)12 vs 8イベント:1.56;0.64-3.83,P=0.3251。 (その他の動脈硬化性疾患)3 vs 2イベント:1.88;0.31-11.25,P=0.4842。 (糖尿病合併症)2 vs 4イベント:0.54;0.10-2.94,P=0.4657。 (腎機能不全)2 vs 1イベント:2.39;0.21-26.71,P=0.4653。

[サブグループ]
一次エンドポイントの発生率は,心血管疾患合併患者では高用量ARB群のほうが有意に高かったが(51イベント vs 34イベント:1.63;1.06~2.52,P=0.0261),2型糖尿病のみを合併した患者では高用量ARB群のほうが低い傾向が示され(7イベント vs 14イベント:0.52;0.21-1.28,P=0.1445),治療とサブグループの有意な交互作用が認められた(P=0.0241)。

presenter: Hisao Ogawa, MD, PhD ( Kumamoto University Graduate School of Medical Science, Japan )
UP
NAGOYA HEART Study 
Comparison between Valsartan and Amlodipine Regarding Cardiovascular Morbidity and Mortality in Hypertensive Patients with Glucose Intolerance
糖尿病または耐糖能異常合併高血圧患者において,ARB valsartanの心血管イベント予防効果はCa拮抗薬amlodipineと変わらなかった。
背景・目的 日本人の糖尿病または耐糖能異常(IGT)合併高血圧患者において, valsartanとamlodipineの心血管イベント予防効果を比較する。

[一次エンドポイント]複合心血管イベント(急性心筋梗塞+脳卒中+血行再建術[PCIまたはCABG]+心不全による入院+心臓突然死)。

コメント valsartanを非ARBあるいはamlodipineと比較したJikei Heart study,KYOTO HEART study,VARTにつづく日本の大規模臨床試験である。結果はJikei Heart studyやKYOTO HEART studyと異なり実臨床と解離のない常識的な結果といえよう。ただし心不全に対する有用性を強調したいようであるが,“心不全による入院”という主治医の判断が作用しやすいエンドポイントは,PROBE法では避けるべきであり,試験薬サイドに配慮した典型的なspin*である(コメント: 桑島 巌)。

* 都合のよい結果と解釈。「回転させる」から転じて,臨床試験においては,主要なエンドポイントに関して統計学的には有意でなかったにもかかわらず,試験薬あるいは機器機材による治療が有効であったかのように印象づける,あるいは有意でなかったことから注意を逸らせるような報告方法-桑島 巌.“spin”(都合のよい結果と解釈)に注意-臨床試験を正しく読み解くコツ. 日本医事新報No.4530(2011年2月19日)より。

デザイン PROBE(prospective, randomized, open, blinded-endpoint),多施設(名古屋および近郊の日本循環器学会認定施設46施設)。
対象 1,150例。30-75歳の2型糖尿病またはIGT合併高血圧患者。 除外基準:過去6ヵ月以内の心血管疾患,EF<40%,血清クレアチニン≧2.5mg/dLなど。

■患者背景:平均年齢63歳,BMI 25kg/m2,現喫煙18%,2型糖尿病82%,IGT 18%,女性(valsartan群34%,amlodipine群35%),脂質異常症(43%,44%),心血管疾患既往(26%,27%),脳血管障害既往(4%,5%),血圧(145/82mmHg,144/81mmHg),心拍数(70拍/分,71拍/分),HbA1c(7.0%,6.9%[NGSP値])。
薬物治療背景:ARB(30%,29%),ACE阻害薬(9%,8%),Ca拮抗薬(45%,48%),β遮断薬(22%,26%),スルホニル尿素薬(25%,23%),インスリン(7%,6%),その他の血糖降下薬(両群とも34%),aspirin(27%,28%),スタチン系薬剤(40%,38%)。

期間 追跡期間は3.2年(中央値)。
試験期間は2004年10月~2010年7月31日。
治療 目標血圧を<130/80mmHgに設定。 valsartan群(575例):80mg/日→4週後160mg/日→8週後160mg/日+他の降圧薬*。 amlodipine群(575例):5mg/日→10mg/日→10mg/日+他の降圧薬**

* ACE阻害薬/valsartan以外のARB,Ca拮抗薬を除く。 ** ACE阻害薬/ARB,amlodipine以外のCa拮抗薬を除く。

結果 [血圧およびHbA1cの変化]
54ヵ月間で,血圧はvalsartan群で131/73mmHg,amlodipine群で132/74mmHgに低下し,HbA1cは両群ともに6.7%まで低下した。

[一次エンドポイント]
有意な群間差なし:valsartan群54例(9.4%)vs amlodipine群56例(9.7%);ハザード比0.97,95%信頼区間0.66~1.40(P=0.85)。
一次エンドポイントの各イベントについては,うっ血性心不全による入院はvalsartan群のほうが有意に少なかったが(3例[0.5%]vs 15例[2.6%];0.20,0.06~0.69;P=0.01),その他のイベントには有意な群間差なし。

[二次エンドポイント(全死亡)]
有意な群間差なし:22例(3.8%)vs 16例(2.8%)。

[有害事象]
有意な群間差はなかった(106例 vs 112例)。おもな有害事象は固形癌(22例 vs 23例),浮動性めまい(14例 vs 10例),肝機能障害(4例,5例)など。

Toyoaki Murohara, MD, PhD ( Department of Cardiology, Nagoya University Graduate School of Medicine, Japan )
UP
PROTECTION AMI 
Inhibition of Delta-PROTEin kinase C for the reducTION of infarct size in Acute Myocardial Infarction
Primary PCIを施行したST上昇型心筋梗塞(MI)患者において,新規δプロテインキナーゼC(PKC)阻害薬delcasertib*の梗塞サイズ縮小効果は示されず(第IIb相試験)。

* PKCは虚血により活性化され,再灌流時にミトコンドリアへ移動して細胞壊死およびアポトーシスを誘導する。delcasertibは活性化δPKCとその受容体との結合を選択的に阻害することにより,PCI後の再灌流障害を抑制し,梗塞サイズを縮小することが期待されている静注薬。

コメント この静注薬は開始5-30分で血中レベルが定常化すると考えられ,本研究では試験薬開始からPCIまで平均14-17分である。ヒトと動物では心筋組織での再灌流の病態が異なるので,試験薬が再灌流時に心筋細胞の中へ十分に移行できているのかが問題かもしれない (コメント: 星田四朗)。
1,176例(前壁MI患者1,010例,下壁MI患者166例)を対象に,18ヵ国114施設で実施されたランダム化・プラセボ対照・二重盲検比較試験。
delcasertib 50mg/時群 vs 150mg/時群 vs 450mg/時群 vs プラセボ群。
一次エンドポイント:クレアチンキナーゼMB分画(CK-MB)曲線下面積(AUC)。
CK-MB AUCは,前壁MI患者ではdelcasertib 50mg/時群5,917ng-hr/mL vs 150mg/時群5,650 ng-hr/mL vs 450mg/時群6,204 ng-hr/mLvs プラセボ群6,471 ng-hr/mL(P=0.337),下壁MI患者ではdelcasertib 450mg/時群4,944 ng-hr/mL vs プラセボ群5,071 ng-hr/mL(P=0.845)。
presenter: A. Michael Lincoff, MD ( Cleveland Clinic, Cleveland, US )
UP
EXCELLENT 
Efficacy of Xience/Promus versus Cypher to rEduce Late Loss In StENT
薬剤溶出性ステント植込み後の抗血小板薬2剤併用6ヵ月投与の標的血管不全*抑制効果は12ヵ月投与と同等。 * 一次エンドポイント参照

EXCELLENT試験は,(1) everolimus溶出性ステント(EES)とsirolimus溶出性ステント(SES)の比較,(2)抗血小板薬2剤併用療法(DAT)実施期間(6ヵ月,12ヵ月)を比較する2×2 factorial試験。(1)については,一次エンドポイント(9ヵ月後のセグメント内損失径)におけるEESのSESに対する非劣性をTCT2010で発表,今回の発表は(2)の結果。

背景・目的 現行ガイドラインでは薬剤溶出性ステント(DES)植込み後のDATは12ヵ月以上の実施を推奨しているが,これは前向きランダム化比較試験の結果に基づくものではない。aspirinにclopidogrelを追加するDATの長期実施は,コストおよび出血リスクの増大につながる可能性がある。
DES後の6ヵ月間のDATと12ヵ月間のDATの有効性と安全性を比較する。

[一次エンドポイント]12ヵ月後の標的血管不全(TVF):心臓死+心筋梗塞(MI)+標的血管血行再建術の複合エンドポイント。

デザイン ランダム化,オープン,多施設(韓国の19施設),intention-to-treat解析。
対象 1,443例。目視で>50%の狭窄;心筋虚血の証拠を有するもの;固有冠動脈病変;参照血管径2.25-4.25mm。除外基準:3ヵ月以内に上部消化管出血あるいは出血性胃潰瘍発症例;ヘモグロビン<10g/dL,血小板数<100×103/μL;12ヵ月以内に待機的手術が予定されているもの;有意な左主幹部病変;ベアメタルステントあるいはDESステント再狭窄;慢性完全閉塞病変など。

■患者背景:平均年齢(6ヵ月群63.0歳,12ヵ月群62.4歳),男性(65.1%,63.9%),無症候性虚血/安定狭心症(48.9%,48.0%);不安定狭心症,非ST上昇型MI(48.5%,48.4%);ST上昇型MI(2.6%,3.6%),糖尿病(37.7%,38.6%),高血圧(72.7%,73.8%),脂質異常症(75.2%,76.3%),喫煙率(27.4%,25.8%),MI既往(6.5%,3.7%;P=0.017),PCI既往(9.3%,8.6%),脳血管疾患(6.5%,6.7%)。
病変背景:左前下行枝(49.1%,47.4%),ACC/AHA B2/C(52.8%,53.7%),長い(≧20mm)病変(40.2%,41.2%),分岐部病変(24.7%,28.0%),石灰化病変(20.2%,20.6%)。

期間 追跡期間は12ヵ月。
治療 6ヵ月DAT群(722例),12ヵ月DAT群(721例)。
結果 [薬物治療]
1年後のaspirin投与率:6ヵ月DAT群99.9%,12ヵ月DAT群99.3%,clopidogrel投与期間(190日,375日)。clopidogrelのdue timeは6ヵ月群が120-240日,12ヵ月群が300-420日:投与期間がdue time以下(69.4%,61.3%),>due time(26.6%,30.4%),1年以内のclopidogrel再投与(4.7%,3.1%)。
退院時の治療:aspirin(99.4%,99.0%),clopidogrel(98.7%,99.6%),スタチン(85.0%,81.9%),ACE阻害薬(31.5%,34.2%),ARB(34.3%,32.5%),β遮断薬(60.1%,62.6%),Ca拮抗薬(33.5%,35.0%)。

12ヵ月後のイベント解析例はDAT 6ヵ月群716例,12ヵ月群712例。
[一次エンドポイント:12ヵ月後のTVF]
DAT 6ヵ月群4.7% vs 12ヵ月群4.4%:ハザード比(HR)1.17;95%信頼区間(CI)0.73-1.89(P=0.507)。
群間差97.5%CI(片側)の上限は3.6%で,事前に設定した非劣性マージン4.0%から,DAT 6ヵ月群の12ヵ月群に対する非劣性が認められた(P=0.0031)。
・6ヵ月後のDAT 6ヵ月群の12ヵ月群と比べたHRは1.25;0.59-2.67(P=0.563),6ヵ月以降は1.13;0.61-2.07(P=0.699)。 (per-protocol解析):DAT 6ヵ月群 12ヵ月追跡例497例(68.8%),12ヵ月群12ヵ月追跡例439例(60.9%)。
3.2% vs 2.1%:1.66;0.76-3.59(P=0.203)。
群間差97.5%CI(片側)の上限は3.6%で,事前に設定した非劣性マージン4.0%から,DAT 6ヵ月群の12ヵ月群に対する非劣性が認められた(P=0.0093)。

[安全性エンドポイント:死亡,MI,ステント血栓症,脳血管疾患,TIMI大出血]
3.4% vs 3.1%:1.13;0.64-1.99(P=0.678)。
・心臓死(0.3% vs 0.4%):HR 0.58;0.10-3.23(P=0.533),MI(1.8% vs 1.1%):1.62;0.67-3.93(P=0.280),ステント血栓症(0.8% vs 0.4%):1.68;0.47-6.06(P=0.426),TIMI大出血(0.3% vs 0.6%):0.50;0.09-2.71(P=0.419)。

[主要有害心血管イベント:死亡,MI,脳血管疾患,再血行再建術]
7.5% vs 8.4%:0.98;0.68-1.40(P=0.896)。

[サブグループ]
糖尿病例(544例):8.9% vs 2.9%(P=0.003),非糖尿病例(884例):2.2% vs 5.3%(P=0.018)で,有意な交互作用がみられた(P for interaction=0.001)。
EES植込み例でDAT 6ヵ月群の12ヵ月群に対する非劣性が示された(P=0.0029)。

presenter: Hyeon-Cheol Gwon, MD, PhD ( Samsung Medical Center, Sungkyunkwan University School of Medicine, South Korea )
UP

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