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 ACC 2010  UP
アトランタ Photo by Todd Buchanan

第59回米国心臓病学会(ACC2010・3月14〜16日)がアトランタで開催されました。
ここではACC2010で発表されたLate-Breaking Clinical Trials (LBCTs) から,『循環器トライアルデータベース』の編集委員と抗血栓療法のエキスパートでもある後藤信哉先生が選ばれたトライアルを順次掲載いたします。

掲載トライアル
[LBCTs I (general cardiology)]ACCORD Lipid(2型糖尿病・血糖コントロール+脂質コントロール)寺本先生選択 / ACCORD BP(2型糖尿病・血糖コントロール+血圧コントロール)桑島先生選択 / NAVIGATOR(耐糖能異常,CVD既往,危険因子を有するもの・生活習慣の修正+nateglinide,valsartan)桑島先生選択
[LBCTs II (cardiac arrhythmias)]RACE II(永続性心房細動・心拍コントロール)井上先生選択
[LBCTs III (interventional cardiology)]SORT OUT III(DES; zotarolimus vs sirolimus溶出ステント)木村先生選択 / ISAR-TEST-2(ポリマー使用zotarolimus vs sirolimus溶出ステント vs 非使用Dual-drug溶出ステント)永井先生選択 Comment(中野明彦)
[LBCTs IV]MM-WES(warfarin・遺伝子型)後藤先生選択 / ASPIRE(左室機能障害を有する心筋梗塞・aliskiren)堀先生選択 Comment(堀 正二)

March. 16
Late-Breaking Clinical Trials IV


●NEW MM-WES Medco-Mayo Warfarin Effectiveness StudyUP
プライマリケアにおいて,CYP2C9/VKORC1*の遺伝子多型を考慮したwarfarin投与量決定により,入院および出血/血栓塞栓症のリスクが30%低下。
*VKORC1:ビタミンKエポキシド還元酵素複合体1。ビタミンKエポキシドからビタミンKヒドロキノンへの還元を触媒する。warfarinはこのVKORC1を阻害することで血液凝固に必要なビタミンKヒドロキノンの生成を抑制する。
背景:warfarinの代謝酵素CYP2C9および標的分子VKORC1遺伝子多型はwarfarinの代謝を妨げ,有害事象を増加させる可能性がある。これらの遺伝子検査を用いてwarfarin感受性を確認することで,warfarinによる出血または血栓塞栓症リスクを低下することができる。
前向きコホート研究民間医療保険に加入している40〜75歳の新規warfarin投与患者896例,歴史対照2,688例背景:平均年齢65.2歳,男性60.5%,高血圧(対照群47.0%,介入群54.2%,P<0.001),心房細動(40.4%,41.1%),深部静脈塞栓症(24.6%,25.8%),糖尿病(15.3%,11.6%,P=0.007),入院歴(すべて:54.4%,52.8%;出血/血栓塞栓症:23.6%,24.8%)介入:CYP2C9/VKORC1の遺伝子多型検査結果に基づきwarfarinの投与量を決定追跡期間は6ヵ月一次エンドポイント(投与開始後6ヵ月の出血または血栓塞栓症による入院)および全入院は介入群で対照群に比べて有意に減少した(一次エンドポイント:ハザード比0.72;0.53〜0.97,P=0.029,全入院:0.69;0.58〜0.82,P<0.001)。
presenter: Robert S. Epstein, MD ( Medco Research Institute, US )


●NEW ASPIRE Aliskiren study in Post-MI Patients to Reduce RemodelingUP
急性心筋梗塞後の至適治療に直接レニン阻害薬aliskirenを上乗せしても,左室リモデリング抑制効果はみられず。
ACE阻害薬とβ遮断薬を含む標準的な治療にレニン阻害薬アリスキレンを上乗せする治療が急性心筋梗塞後の左室リモデリングを抑制するか否かを検討した二重盲検試験であるが,アリスキレン投与の有用性は見出せなかった。症例数(n=820)の規模から生命予後を検証するにはパワー不足のため,代替エンドポイント(心エコーによる左室リモデリング)で評価したが,心血管死がアリスキレン群で多く(統計学的に有意差なし),少なくとも抑制傾向はみられていない。血圧もアリスキレン群で2mmHg 程度低かったにもかかわらず,脳卒中が多かったことも,今後の注意が必要である。腎機能の低下(クレアチニン,BUN の上昇),血清K 値の上昇,低血圧などの有害事象はRAS抑制効果として予測された通りであった。今回の対象では,ACE阻害薬とARBの併用は除外されているが,ACE阻害薬とβ遮断薬は高率に投与されており,強力な神経体液性因子の抑制下では,もはやレニン阻害薬の上乗せ効果が期待できないことを示唆している。サブ解析で,糖尿病患者にアリスキレンが有利に働いているのは血清K値上昇効果によるものかもしれないが,糖尿病や耐糖能異常に対する有用性は今後の検討が必要である(コメント:堀 正二)。

無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設発症から7〜42日以内の高リスク(EF<45%,梗塞サイズ>20%)の急性心筋梗塞例820例:平均年齢(aliskiren群61歳,プラセボ群59歳),男性(81%,85%),推算糸球体濾過量<60mL/分/1.73m2(17%,13%),糖尿病(23%,22%),高血圧(55%,50%),心筋梗塞(MI)既往(22%,18%),心不全既往(6%,4%),Q波MI(68%,71%),前壁MI(両群とも79%),Killipクラス2以上(45%,42%),左室収縮末期容積(LVESV)(82.4mL,86.1mL;P=0.03),左室拡張末期容積(130.5mL,135.7mL;P=0.02),EF(37.6%,37.5%),梗塞長(infarct length)(25.7%,25.0%),壁運動スコア指数(両群とも1.8),抗血小板薬(両群とも98%),ACE阻害薬(89%,91%),ARB(10%,9%),β遮断薬(96%,95%),スタチン(97%,98%),アルドステロン拮抗薬(29%,24%)aliskiren群(423例): 至適治療+aliskiren 300mg/日,プラセボ群(397例): 至適治療+プラセボ追跡期間は36週血圧はaliskiren群122.4/74.2mmHg,プラセボ群124.2/76.5mmHg。一次エンドポイント(ベースラインから36週後までのLVESVの変化)に有意な群間差はみられなかった(-4.4mL,-3.5mL;P=0.44)。二次エンドポイントの1つである心血管死,心不全入院,MI再発,脳卒中,蘇生した突然死の複合でも有意な群間差はみられなかった(両群とも9%,P=0.98)。有害事象はaliskiren群74.9%,プラセボ群67.5%(P=0.02)で,aliskiren群で多かったのは低血圧(8.8%,4.5%;P=0.02),高カリウム血症(5.2%,1.3%;P=0.001)。
presenter: Scott D. Solomon, MD ( Brigham and Women’s Hospital, US )


March. 15
Late-Breaking Clinical Trials II


●NEW RACE II Rate Control Efficacy in Permanent Atrial Fibrillation IIUP
永続性心房細動患者での心血管合併症・死抑制において,非厳格な心拍数コントロール(<110拍/分)の厳格なコントロール(<80拍/分)に対する非劣性が認められる。
無作為割付け614例。安静時心拍数>80拍/分追跡期間は3年非厳格コントロール群(311例),厳格コントロール群(303例)→文献情報コメント:井上 博)
presenter: Isabelle C Van Gelder, MD ( University of Groningen, Neth. )


March. 15
Late-Breaking Clinical Trials III


●NEW SORT OUT III A prospective randomized comparison of zotarolimus-eluting and sirolimus-eluting stents in patients with coronary artery diseaseUP
zotarolimus溶出ステント(ZES)のsirolimus溶出ステント(SES)より優れた18か月後の心血管イベント抑制は認められず。
無作為割付け,多施設(デンマークの5施設)。all-comerデザイン薬剤溶出性ステント適応例2,332例:平均年齢64歳,男性(ZES群73%,SES群72%),PCI歴(21%,17%),心筋梗塞(MI)既往(26%,27%),安定狭心症(53%,51%),非ST上昇型MI/不安定狭心症(両群とも38%),病変数(1.6,1.5)ZES群(1,162例),SES群(1,170例)一次エンドポイントは心臓死,MI,標的血管血行再建術の複合→文献情報コメント:星田四朗)
presenter: Michael Maeng, MD ( Aarhus University Hospital, Denmark )


●NEW ISAR-TEST-2 Individualizable Drug-eluting Stent System to Abrogate Restenosis – TEST IIUP
非ポリマーコーティングのdual-DES,およびZESの再狭窄抑制効果は2年後も持続した。有効性がもっとも大きかったのはdual DES(dual-DES vs SES vs ZES)。
ドナウ川の支流であり,オーストリアのチロル州とドイツのバイエルン州を流れるイザール(Isar)川がその名の由来と言われる“ISAR”シリーズは,その川をはさむDeutsches Herzzentrum(German heart center)とミュンヘン工科大学附属病院で行われ,これまでも数々のランダム化比較試験(RCT)を発信してきた。
本試験の背景である薬剤溶出性ステント(DES)の永久ポリマーの問題点として,慢性期の炎症や易血栓性,過敏反応が超遅発性ステント血栓症やステントフラクチャー・過剰内膜増殖(late catch-up現象)に関与することがわかってきた。次世代DES開発は生体吸収型ポリマー(BP)やポリマーフリー(PF)ステントが方向性の一つになっている。演者らもこれまでISAR-TEST(PF-sirolimusステントのTaxusステントへの非劣性を示した),ISAR-TEST-3(BP- sirolimusステント・PF- sirolimusステントをCypherステントと比較,PF-sirolimusステントは非劣性が示せなかった),ISAR-TEST-4(BP- sirolimusステントのCypherステント・XIENCEステントへの非劣性が示された)で,その可能性を追求している。PF- sirolimusステントを用いた本試験では,ISAR-TEST-3の結果を受けて,sirolimus単剤ではなく腸溶性で抗酸化作用を有するprobucolとの合剤(dual DES)でCypherステントへの再挑戦を企てた。
昨年発表された6-8ヵ月での追跡造影・1年後の臨床転帰の報告(Eur Heart J. 2009; 30: 923-31.)では,dual DES群とCypherステント群は同等で,ZESを上回る結果であった。しかし,2年後の追跡造影・臨床転帰に関する今回の発表ではCypherステントの再狭窄率が6.8%,TLRが3.5%増加し,それぞれ微増だったdual DESがリベンジした格好となった。結論では,安全性は三者とも同等であるが,抗再狭窄効果の継続はCypherステントで若干劣る,と述べられている。
分解吸収される過程で炎症が生じる可能性のあるBPステントに比しPF-ステントが慢性期にも安定した成績を示したのは理解できるが,Cypherステントのジャンプアップには異論も多いと思われる。例えば1,000例以上を対象にした日本のPMS(post-marketing study)レジストリーでは1年から2年次のTLR増加は平均1.1%,複雑病変のサブグループでも2%以内であった。ISAR-TEST-2では各群340例程度と少なく,さらに2年後の追跡造影はその半数だったため,バイアスのかかりやすい状況であることは間違いなさそうである。 太平洋や大西洋をはさんだ,さらに大規模な比較試験が望まれる(コメント:中野明彦)。

無作為割付け,多施設(ドイツの2施設)固有冠動脈の新規病変を有する冠動脈疾患例1,007例:平均年齢(3群とも67歳),女性(SES群23%,dual DES群23%,ZES群25%),急性心筋梗塞(13%,12%,15%),不安定狭心症(25%,30%,30%),安定狭心症(61%,58%,56%),EF(52%,53%,55%),標的病変:左前下行枝(49%,44%,41%);左回旋枝(25%,25%,31%);右冠動脈(26%,31%,29%),多枝病変(86%,81%,83%),複雑病変(73%,70%,75%),完全閉塞(3群とも12%),血管径(2.75mm,2.69mm,2.71mm),病変長(14.8mm,14.0mm,14.7mm)dual DES群(333例):非ポリマーコーティング・sirolimus+probucol溶出ステント,SES群(335例):ポリマーコーティング・sirolimus溶出ステント,ZES群(339例):ポリマーコーティング・zotarolimus溶出ステント追跡期間は2年手技後最小内腔径(SES群2.55mm,dual DES群2.49mm,ZES群2.51mm),手技後径狭窄率:(10.8%,11.6%,10.7%),安全性のエンドポイント(死亡+心筋梗塞,およびステント血栓症)にステント間の差はなし。有効性のエンドポイントであるbinary再狭窄率はSES群(6〜8ヵ月後12.0%→2年後18.8%,増加率6.8%),dual DES群(11.0%→13.9%,2.9%),ZES群(19.3%→20.9%,1.6%)で,標的血管血行再建術再施行(TLR)はSES群(1年後7.2%→2年後10.7%,増加率3.5%),dual DES群(6.8%→7.7%,0.9%),ZES群(13.6%→14.3%,0.7%)。
presenter: Robert A. Byrne, MB ( Deutsches Herzzentrum, Germany )

 
固有冠動脈の新規病変(1,007例)において,dual-DES(非ポリマーコーティング・sirolimus+probucol溶出ステント)が一次エンドポイント(6〜8ヵ月後の再狭窄率)はZES(ポリマーコーティング・zotarolimus溶出ステント)より有意に低く,SES(ポリマーコーティング・sirolimus溶出ステント)と同等,二次エンドポイント(標的病変血行再建術再施行)も同様の結果であったと2009年に発表した(Eur Heart J. 2009; 30: 923-31.)ISAR-TEST-2の2年後の結果
 



March. 14
Late-Breaking Clinical Trials I


●NEW ACCORD LipidUP
高リスクの2型糖尿病患者において,simvastatinとfenofibrateの併用によるsimvastatin 単剤に優る主要心血管イベント抑制効果は認められず
無作為割付け,プラセボ対照,double 2×2 factorial,多施設高リスク2型糖尿病患者5,518例:平均年齢62歳,女性31%,糖尿病罹病期間中央値9年fenofibrate群(2,765例):simvastatin+fenofibrate,プラセボ群(2,753例):simvastatin+プラセボ平均追跡期間は4.7年一次エンドポイントは非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,心血管死の複合の初発→文献情報コメント:寺本民生)
presenter: Henry C. Ginsberg, MD ( Columbia University, US )

●NEW ACCORD BPUP
高リスクの2型糖尿病患者において,血糖コントロールに加え,血圧正常化(SBP<120mmHg)を目標とした厳格降圧は標準降圧に比べて主要心血管イベントを抑制しなかったが,脳卒中は抑制。
無作為割付け,double 2×2 factorial,多施設高リスク2型糖尿病患者4,733例:平均年齢62歳,女性48%,血圧139/76mmHg,降圧治療例87%厳格降圧群(2,362例):チアジド系利尿薬+ACE阻害薬,ARB,またはβ遮断薬の2剤併用から開始し,SBP<120mmHgを目標として降圧薬を追加または増量。標準降圧群(2,371例):SBP≧140mmHgの場合に厳格降圧を実施一次エンドポイントは非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,心血管死の複合の初発→文献情報コメント:桑島 巌)
presenter: William C. Cushman, MD ( Veterans Affairs Medical Center, US )

ACCORDは 2型糖尿病患者における心血管疾患発症予防治療戦略を検討するdouble 2×2試験で,ヘモグロビン値を正常化するための厳格血糖コントロール治療は標準治療に比べ死亡リスクが増大し,有意な心血管疾患抑制効果も認められなかったという結果を2008年に発表し話題となった。
2010年に,症候性の重症低血糖は死亡リスク増加と関連したが,本結果でみられた厳格血糖コントロール群での死亡率上昇の原因は重症低血糖ではない/ 重症低血糖のリスク増大は,4か月後のHbA1C値の低下と関連せず,血糖コントロール不良と関連,の2報を発表。
→文献情報


●NEW NAVIGATOR Nateglinide and Valsartan in Impaired Glucose Tolerance Outcomes ResearchUP
耐糖能異常,心血管疾患患者,危険因子を有する患者において,生活習慣の修正+ARB valsartanは糖尿病の発症を抑制したが,心血管リスクは低下しなかった。
無作為割付け,プラセボ対照,食後血糖降下薬 nateglinideとの 2×2 factorial,多施設valsartan群(4,631例),プラセボ群(4,675例) →文献情報コメント:桑島 巌,堀 正二)
presenter: Robert M. Califf, MD ( Duke University, US )

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